おおさかナウ

2022年04月09日

参院選 平和・暮らしの岐路に
岸田政権と維新に審判下し、
大阪から日本共産党大躍進を
日本共産党街頭演説 志位委員長が訴え

 参院選公示まで2カ月半となった3日、日本共産党大阪府委員会は志位和夫委員長を迎えた街頭演説を、大阪市天王寺区の天王寺ミオ前で行いました。志位氏はロシアのウクライナ侵略に厳しく抗議しつつ、参院選は「戦争か平和か、日本の進路が問われる選挙」と強調。比例代表では全国で650万票、大阪で70万票を獲得して、現有4議席から大門氏を含む5議席へ躍進を目指し、大阪選挙区(定数4)では、たつみコータロー前参院議員の議席回復を必ず勝ち取り、岸田自公政権と維新の会に厳しい審判を下そうと訴え、「大阪が変われば日本が変わる。大阪から日本共産党の大躍進を」と力を込めました。

志位、大門、たつみら各弁士に声援を送る聴衆=3日、大阪市天王寺区内

たつみ氏の議席 国会に絶対必要

街頭演説を聞く人たち=3日、大阪市天王寺区内

 志位氏は、たつみ氏は森友問題の鋭い追及で有名で、「格差と貧困を解消する責任は政治にある」が政治信条だと強調。安倍政権が生活保護申請時の扶養照会をもっと強権的にできるようにする改悪を持ち出した際、たつみ氏は、申請者を追い返す大阪市の「水際作戦」の実態を示し、本人が望まない親族照会は憲法25条違反と追及したことを紹介しました。
 志位氏は「これが政治を動かし、厚労省は昨年3月、扶養照会では申請者の意向を尊重するよう運用改善を求める通知を出した。国会に絶対必要な議席。定数4の大阪の議席を自民、公明、維新の憲法改定と暮らし破壊の勢力に独占させていいのか。党派の違いを超えて、たつみさんを国会へ戻して下さい」と訴えました。 

国際世論の力で侵略を止めよう

 志位氏は、ロシアの侵略を止めるために何よりも重要なのは国際世論だと強調。国連総会でロシアの侵略を断罪する決議が2回にわたり140カ国以上の賛成で採択されたことを示し、「ジグザクのように見えても、歴史は無駄に流れているわけではない。平和の声は着実に広がっている。ここに自信を持って進もう」と力を込めました。
 「この戦争をどういう形で終わらせるか。これは、今後の世界の平和秩序の行方に関わる重大問題だ」と志位氏。「国際世論の力で侵略を止め、侵略者に責任を取らせ、国連憲章に基づく平和の国際秩序を回復する。こういう決着をみんなの力でつけようではありませんか」と呼び掛けました。

覇権主義許さぬ自主独立の政党

 ロシアのウクライナ侵略を巡る対話の中で、「でもロシアは共産党でしょ?」との声が一部にあることについて志位氏は、「とんでもない」ときっぱり。「ソ連共産党」を名乗る政党が解散したのは31年前で、プーチン政権は、どんな意味でも共産主義とはまったく無縁だと指摘しました。
 日本共産党は、旧ソ連時代からロシアの覇権主義と正面からたたかい続けた自主独立の党。日ロ領土問題でも政府が主張する「北方四島」だけでなく、全部の千島を返せと正義の論陣を張る党。党の綱領にアメリカであれ、中国であれ、ロシアであれ、覇権主義を許さず、国連憲章に基づく平和の秩序をつくると掲げる党――こう述べた志位氏は、「世界平和のために、平和の党、日本共産党を躍進させて下さい」と訴えました。

ロシアにこびを売ってきた政権

 さらにロシアの覇権主義への態度が世界中で問題になっている中、日本は安倍晋三元首相が、プーチン大統領を「ウラジーミル」とファーストネームで呼んで27回も一緒に食事したことを自慢し、領問題でも事実上の「二島返還」で終わらせようとするなど一方的に譲歩したと批判しました。
 志位氏は「ロシアの覇権主義に、こびを売ってきた安倍外交を、外務大臣として支えた岸田首相の責任は重い。その反省抜きに、戦争に乗じて9条改憲の旗振りをするなど、絶対に許せない」と述べました。

9条を生かした平和の外交こそ

 参院選で何が問われるのか。第1の問題として志位氏は、「戦争か平和か。日本の進路が問われる」とし、日本共産党は「戦争する国づくり」に正面から立ちはだかり、憲法9条を生かした外交で東アジアに平和をつくろうと訴えてたたかい抜くと語りました。
 ロシアの横暴を見て「日本の平和は大丈夫か」と心配する声があることに触れ、「相手が軍事、核兵器、力の論理できたときに、同じ軍事、核兵器、力の論理で対抗すれば『軍事対軍事』の悪循環に陥る」と指摘しました。岸田政権が「敵基地攻撃能力」保有の議論を進めていることは一番危険な道だと述べました。
 いま言われているのは安保法制(戦争法)の下での「敵基地攻撃能力」であり、日本への攻撃がなくても、米軍が海外で戦争を始めると、米軍を守るために相手国の領空に入って爆撃することであり、「日本を守ることとはまったく無縁だ」と強調。「危機に乗じて憲法9条を改定し、日本を『軍事対軍事』の危険な道に引き込む動きを断固として止めよう」と語りました。

被爆国・日本の政党の資格なし

 「この点で、特に悪質なのが維新の会だ」と志位氏。維新の会が「核共有」の議論を求める提言を出し、日本被団協が撤回を求めたのは当然だとし、「核兵器による脅威に、核兵器で対抗すれば、世界中に核兵器が広がり、人類は破滅の淵に追いやられてしまう。こんな提言を平気で出す党に、被爆国・日本の政党としての資格はない」と断じました。
 志位氏は、日本共産党はASEAN(東南アジア諸国連合)と協力して東アジアに平和をつくろうと提案していることを紹介。「日本共産党は党をつくってことしで100年、反戦平和を命懸けで貫いた党。憲法9条を守り、生かそうの声を、平和の党、日本共産党に託して下さい」と力を込めました。

「優しく強い経済」への転換を

 参院選で問われる第2の問題として志位氏は「暮らし」に言及しました。新自由主義の政治が進めた労働法制の規制緩和、社会保障の連続削減、富裕層・大企業への減税と消費税増税で、日本は自己責任を人々に押し付ける冷たい社会にされ、日本経済は賃金が上がらず成長もできなくなったと指摘。社会保障の連続削減「こういう『冷たく弱い経済』から『優しく強い経済』に変えよう」と述べました。
 「優しく強い経済」を実現する「5つの大改革」として、①大企業の内部留保に課税することで不公平税制を正し、賃上げとグリーン投資を進める②社会保障と教育予算を日本の経済力に相応しく充実する③富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税を5%に減税する④気候危機打開へ再生可能エネルギーを抜本的に推進する⑤ジェンダー平等を貫く――を具体的に述べました。

人の不幸の上に大阪の成長なし

 志位氏は「優しく強い経済」にまったく逆行するのがカジノだし、維新府政・大阪市政がカジノ誘致計画を強行したことに強く抗議しました。「維新は『カジノで経済成長』と言うが、とんでもない大間違い。年間4200億円の利益が出ると言うが、ばくちで庶民の懐から巻き上げ、アメリカのカジノ企業に貢ぐだけの話」と批判。「人の不幸の上に大阪の成長はない」と断じ、「府と市は(誘致計画を)国に申請するな」「国は認可するな」の運動を広げ、何よりも参院選で岸田政権と維新の会に厳しい審判を下し、カジノはきっぱりやめさせようと訴えました。

共産党躍進こそ共闘前進の力に

訴える志位氏=3日、大阪市天王寺区内

 「参院選は、市民と野党の共闘を発展させる道を開く選挙にしたい」と志位氏。3月18日に立憲民主党の泉健太代表と党首会談を行い、現政権に厳しい審判を下すため、参院選1人区で候補者調整の協議を開始することで合意したと報告し、「前向きな結果を得て、参院選で野党共闘を前進させるため全力を尽くす」と表明しました。
 野党共闘が様々な妨害や障害を全部はねのけて前進するためには、参院選での日本共産党の躍進が一番の力になると強調。同党が2013年の東京都議選と参院選で躍進し、翌14年の衆院選で8議席から21議席に躍進したからこそ、野党共闘を進めることができたとし、「その推進力がいま必要。こんどの参院選で日本共産党にもう一度力を与えて下さい」と訴えました。
 最後に志位氏は、リーフレット「あなたの『?』におこたえします 日本共産党綱領の話」が大評判になっていると紹介。このリーフレットに載せた安保条約、自衛隊、天皇の制度、社会主義・共産主義など、「どの問題でも国民多数の合意で社会の改革を進めるのが日本共産党」と、参院選での躍進を訴えました。

(大阪民主新報、2022年4月10日号より)

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