おおさかナウ

2022年02月19日

府民の命と暮らし 政治は守れ
コロナ対策 抜本的強化を
大阪革新懇が府に緊急要望

 新型コロナ・オミクロン株の感染急拡大で、府内の1日当たりの新規感染者が連日1万人を超え、医療機関・保健所の体制が危機的な状況にある中、進歩と革新をめざす大阪の会(大阪革新懇)は14日、吉村洋文知事(大阪維新の会代表)に新型コロナ対策の抜本的な強化を求めて緊急要望を行ったのに続き、医療・保健所などの実態と課題を明らかにする記者会見を開きました。

 緊急要望は8項目からなり、希望する府民へのワクチン接種の迅速化、PCR検査の抜本的な拡充、医療機関への支援、保健所体制の強化を求めるとともに、府民にとって莫大な負の遺産となりかねないカジノ誘致を中止し、カジノ推進の予算・職員をコロナ対策に回すよう求めています。
 大阪市北区内で開いた記者会見で、大阪革新懇代表世話人で大阪母親大会連絡会の松永律委員長があいさつ。淀川勤労者厚生協会の長瀬文雄副理事長、大阪府保険医協会事務局参与の田川研氏、大阪府関係職員労働組合の小松康則委員長、大阪社会保障推進協議会の寺内順子事務局長が、各分野の実態を語りました。

武器ないたたかい 病院
命懸けのスタッフ 開業医
過労死しかねない 保健所
日々の食物がない 一人親

会見で実態報告


記者会見する(右から)寺内、小松、田川、長瀬、松永の各氏=14日、大阪市北区内

 長瀬氏は、西淀病院(大阪市西淀川区)では、最前線の職員が陽性や濃厚接触者となって出勤できない中、発熱外来や救急、入院医療を行っていると報告。PCR検査の試薬の供給は不安定で、ワクチンも足らず、人手もないとし、「武器なきたたかい、素手でコロナに立ち向かわないといけない。行政やマスコミは的確な情報提供を」と語りました。
 田川氏は、府がインテックス大阪(大阪市住之江区)に設置した「大阪コロナ大規模医療・療養センター」は、1千床のうち200床が中等症患者対象だが、実際に稼働させるには医療従事者の確保が不可欠だと指摘。また、発熱外来では届け出をしていないクリニックでも実際に受け入れるなど、「スタッフは命懸けでたたかっている」と語りました。
 小松氏は、第1波当時から保健所の体制を抜本的に強化するよう求めているが、実現しておらず、職員は長時間労働が続き、過労死を生み出しかねない状況があると訴え。同時に「今救える命を救う」ために、自宅療養者への配食サービスが漏れなく行えるよう、府が市町村や各保健所に要請・調整することなどが必要だと語りました。
 寺内氏は、シングルマザーとその子どもたちを支援する「シンママ大阪応援団」の代表理事でもあります。新型コロナに感染したシングルマザーから、日々の食べ物もないと、孤立の中で助けを求める連絡が相次いでいると報告。「これは氷山の一角。親子で餓死という事態も生まれかねない」と、支援を呼び掛けました。

(大阪民主新報、2022年2月20日号より)

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