おおさかナウ

2021年11月20日

大阪市議会決算特別医
政令市大阪に保健所一つでいいのか
共産・井上議員 コロナ対策の検証迫る

 大阪市の2020年度一般会計決算を審議する市議会決算特別委員会が11日開かれ、日本共産党の井上浩議員が市の新型コロナ対策関連経費や教育行政のあり方について質問しました。

質問する井上議員=11日、大阪市議会特別委員会室

 大阪市での新型コロナ対策経費は、国からの支出金と市の一般財源からなります。20年度は3599億円に上りますが、そのうち一般財源の支出は142億円(約4%)に過ぎません。19年度と21年度の見込みを含めた総額5343億円のうち、一般財源の支出は1182億円(約22%)となっています。
 井上氏は、経費の総額は大きいが、「大阪市独自の一般財源としては十分とは言えない」と指摘。松井一郎市長はコロナ対策予算の専決処分を重ねてきたが、本来は臨時議会を適時開き、議論と検証を重ねて施策を推進することが、コロナ禍の下での市民的要請だと強調しました。
 さらに、コロナ対策の第一線で市民と接する保健師の存在・役割は非常に大きいとし、コロナ対策に従事する保健師の残業時間についてただしました。市健康局は、「過労死ライン」とされる月80時間を超えた保健師が、20年度は延べ16人で、最長の人で月157時間の人もあったと答弁。今年度(4月から9月まで)は延べ54人で、最長の人で月172時間に上るとと答えました。
 井上氏は、「複数の職員が体調不良で休職している。急激に業務量が増え、尋常でない状況だ」とし、メンタルヘルス対策などで特別の体制をつくるよう強く求めました。
 大阪市では1カ所の保健所と24の保健福祉センターで対応しているが、福岡市は政令市で唯一、7カ所の保健所を維持していることを紹介。他の政令市でも保健所支所の設置数は仙台市5、横浜市18、川崎市7、名古屋市16、京都市14だとし、「政令市は人口が多く、保健所が1カ所では間尺に合わないので支所を置いている。大阪市として270万市民に対して1カ所を続けていいのか、よく検証すべき」と力説しました。
 教育行政について井上氏は、大阪市の小中学校で各種のテストが年に13回も実施され、教職員が子どもや保護者と向き合う余裕がないと強調。「テストの点数ばかりでなく、一人一人の尊厳を大事にする教育に転換を図るべきだ」と主張しました。

(大阪民主新報、2021年11月21日号より)

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