おおさかナウ

2021年09月11日

夢洲での開催は断念を
大阪市議会 万博推進特別委
万博推進特別委山中智子議員が質問

 

 大阪市議会万博推進特別委員会が2日開かれ、日本共産党の山中智子議員は、2025年大阪・関西万博の開催予定地となっている大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)の安全面や、開催準備に巨費が投じられるなどの問題点を挙げ、「夢洲での万博は一度立ち止まり、断念すべきだ」と主張しました。
 山中氏は18年9月の台風21号で夢洲など埋め立て地の一部で浸水などの被害があり、台風や集中豪雨による甚大な被害が全国で発生していると指摘。夢洲について学者・研究者からは津波や浸水、液状化などの被害が指摘されており、気候危機が深刻化する中で想定を超える災害が日常的に起きる時代になっていると警告しました。
 さらに万博終了後の夢洲に「大阪パビリオン」を残す計画があることに言及。夢洲にカジノを核とする統合型リゾート(IR)を無理やり誘致しても破綻する可能性があるとし、「(地下鉄を延伸して造った)夢洲駅と大阪パビリオンだけが残るというやり方は、新たな負の遺産をつくる以外の何ものでもない」と述べました。
 大阪パビリオンについて万博推進局は、「健康」の観点から最先端の医療技術などを世界に発信するもので、「未来の病院」「未来の診断」を行う建物部分を残すと説明。山中氏は、コロナ禍の中で医療崩壊という事態が続く中、「未来の医療や病院のパビリオンのために巨費を投じてインフラ整備をする時か」と批判しました。
 万博推進局は「コロナの世界的な感染拡大の中、命をテーマとする万博が大阪で開催される意義はより大きい」などと強弁。山中氏は、大阪市が今なすべきことは、万博準備のための職員を人員不足の保健所に回すなどコロナ対策をしっかりと行い、厳しい経営環境にある事業者の救済に尽くすことだと力説しました。

(大阪民主新報、2021年9月12日号より)

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