おおさかナウ

2021年06月19日

大阪府は鳥取県に学べ
大規模検査で感染拡大防止、命と
くらし、経営を守る姿勢に転換を

 新型コロナウイルス感染拡大「第4波」の下、大阪では、医療崩壊、保健所崩壊で助かる命も助からない事態を招きました。これを打開する政治がいま問われています。
それを考える上で、濱岡豊慶応大教授の都道府県ランキング(4月26日発表)で1位と評価された鳥取県の姿勢が注目されます。

検査数を増やして陽性者を保護隔離

 6月12日までの発表によると、鳥取県の陽性者は466人、死亡した人は2人です。大阪府はそれぞれ10万1678人、2524人です。
 濱岡教授は、「鳥取県では、陽性者1人を見つけるのに何人検査したかがわかる『陽性者に対する検査数』や『人口あたりの確保病床数が突出しています」と指摘しています(『女性自身』6月22・29日号)。
 鳥取県では、陽性者に対する検査数は47都道府県でトップの107・1件です。一方、大阪府は、44・5件にすぎません。鳥取県の半分以下です。
 濱岡教授は、「(鳥取県では)陽性者が少ない段階から多くの検査を行っている…特に第三波以降は陽性者が減っても検査を継続している。これによって感染者を早期発見し、隔離もしくは療養してもらうことにより、陽性率も低く抑えられ、自宅療養者も発生していない」と評価。大阪府については「国内外の成功例、つまり検査によって早めに感染者を見いだし、隔離・治療するという感染症対策の基本に転換すべき」と言っています。大阪府はこうした指摘を真摯に受け止めるべきです。
 平井伸治鳥取県知事は次のように発言しています。

感染症対策の王道 徹底的に実行して

 「鳥取県では、PCR検査を多用しています。他の都道府県は厚生労働省の方針どおり、濃厚接触者しかPCR検査をやらないところが多いと思いますが、うちはその場に居合わせた人や、心配な人はみんな検査を受けてもらいましょう、という考え方です」
「早めに検査して、ローラーで固めるように検査をする『鳥取方式』をやることで、感染者の数が抑えられる」
「健康と命を守るためには、こうした『感染症対策の王道』を徹底的に実行するよりほかはない」
「〝感染者ゼロ〟を目指して戦っています」

大規模検査行って封じ込めに転換を

 一方、吉村大阪府知事は、「PCR検査の大量検査、いつでも無料でどこでも受けられるという世田谷モデルを発表しているが大阪でも似たような取り組みは?」の記者の質問に「必要ない」(2020年8月5日)と言い、広島県で始まった検査拡大に対して「無症状者検査を拡大して感染を抑える戦略は完全に破綻」(3月20日)とまで言っています。
 大阪では、緊急事態宣言を出しては延長し、解除してはリバウンドを招き、再び宣言を発するような対応を繰り返してきました。大規模検査で新型コロナを封じ込める姿勢に根本的に転換してこそ、後手後手の対応に陥ることを防ぎ、府民の命と健康、経営を守る道が開かれます。(N)

(大阪民主新報、2021年6月20日号より)

月別アーカイブ