おおさかナウ

2015年03月15日

衆院予算委分科会 清水衆院議員が初質問

大阪市の生活保護費プリペイドカード支給
生活保護法に違反、中止を

質問に立つ清水忠史議員=10日、衆院予算委員会

質問に立つ清水忠史議員=10日、衆院予算委員会

 昨年12月の総選挙で初当選した日本共産党の清水忠史衆院議員が10日の衆院予算委員会分科会で初質問に立ちました。大阪市の橋下徹市長が、生活保護費をプリペイドカードで支給するモデル事業を実施しようとしている問題を取り上げ、同事業は金銭給付を原則とする生活保護法31条に違反し、自己決定権を阻害するものと批判。大阪市に中止するよう指導せよと、塩崎恭久厚生労働大臣に迫りました。

 モデル事業は2千人の希望者を募り、生活保護費のうち3万円分をVISAプリペイドカードにチャージ入金して支給するもので、日本弁護士会長や大阪弁護士会長が中止を求める声明を出し、貧困問題に取り組む市民団体などから批判が起こっています。

 清水氏は生活保護法の理念や規定に基づき、国の責任で適正な運用が確保される必要があると指摘。プリペイドカードによる支給には法的な根拠がなく、日弁連の会長声明も違法だと断じていると追及しました。

 塩崎大臣は、「(本人の)承認を得た場合に限っている」などと答えました。

生活保護利用者を実験台に

 清水氏は、橋下市長がすべての生活保護利用者への拡大を公言していると反論。事業を提案したカード会社が全国の自治体への展開を目指していることから、「生活保護利用者を実験台にする貧困ビジネスのモデル事業だ」と厳しく批判し、「目標の2千世帯に対し2月末の応募は5世帯。破綻したモデル事業は中止を」と力説しました。

 傍聴に駆け付けた大阪労連大阪市地区協議会の矢野正之事務局長は、「初質問とは思えない迫力の追及でした。プリペイド問題は大阪市の違法な生活保護行政の象徴の一つ。それを国政で明らかにした論戦を力に、大阪でも頑張りたい」と話していました。

(大阪民主新報、2015年3月15日付より)

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