おおさかナウ

2021年03月29日

近畿比例議席倍増で総選挙勝利を
近畿の力で政権交代へ
日本共産党がオンライン演説会開く

 「さぁやるぞ、近畿みんなの力で比例議席倍増へ!」――日本共産党の近畿比例ブロックオンライン演説会が20日行われ、志位和夫委員長が「解散・総選挙で野党連合政権の実現と日本共産党の躍進という2つの大目標に挑戦しよう。近畿2府4県の力を1つに集め、現有2議席から倍増の4議席獲得を」と力を込めて訴えました。大阪府内では地域の集会所や個人宅など3千カ所の視聴会場が設けられ、リアルタイム視聴者は8千人に上りました。近畿ブロック全体での視聴者は2万人を超え、「近畿みんなの思いを1つに集め、必ず前進を勝ち取ろう」と勇気と確信が広がる演説会となりました。

府内で8千人がリアルタイム視聴

得票率20%以上

 オンライン演説会では、近畿最北端の京丹後市・経ケ岬と最南端の和歌山県串本市・潮岬など、各地の地元議員・党員らが「日本共産党の躍進を目指して頑張るぞ」とエールを送り合い、近畿ブロックで必ず180万票(得票率20%以上)獲得する決意を語りました。
 こくた恵二、宮本たけし、清水ただし、こむら潤、たけやま彩子、西田さえ子の衆院近畿ブロック比例候補が勢ぞろいして決意を表明した他、大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山各府県の小選挙区予定候補が紹介されました。
 志位委員長は演説の冒頭、近畿ブロック(定数28)は全国最大の比例ブロックだと語り、自公と維新で3分の2を占める現在の力関係を大きく変える選挙にしたいと表明。「近畿ブロックで勝利せずに全国の勝利なし、こう心得て頑張りぬきたい」と力強く述べました。
 志位委員長は、近畿2府4県で活動する同党の486人の地方議員数は、自民党と維新の会を上回る第2党で、有権者と結び付き、日夜要求実現に頑張っていると強調。「地方議員数という〝政党の自力を測る物差し〟で比較してみると、トップクラスの力を持っているのが近畿の日本共産党」だとし、「比例代表選挙はいつも1票を争う大接戦。6府県の草の根の力を1つに集め、共産党支持の輪を広げに広げ、現有2議席から倍増の4議席を必ず獲得しよう」と訴えました。

心一つに躍進を


オンライン演説会を視聴する青年たち=20日、大阪市住之江区内

 オンライン演説会は、地域の集会所にプロジェクターを設置したり、1つの支部が複数の党員宅で視聴会を開くなど、多くの人が参加できるようさまざまな工夫が広がりました。
 高槻・北部地域の視聴会に参加した伊藤実男さんは、「近畿各地で頑張る人たちの姿に勇気が湧いてきました。衆院選に向けてコツコツと地道に活動を広げていきたい」と語り、後援会員の女性は「『忘己利他』の精神を政治の世界で貫いているのが共産党だと寂聴さんがおっしゃって感動し、共産党の役割に確信が持てた」と話しました。
 大川佐代子さんは、「志位さんや寂聴さん、応援メッセージを寄せた皆さんの話どれもに胸を打たれました。弱い立場の人たちを守っていく政治を実現するために、必ず共産党の議席が増えるよう、みんなと力を合わせていきたい」と話しました。
 日本共産党木津川南地区委員会事務所では、地元の青年ら10人が参加。地区内では71カ所で視聴会が取り組まれ、党外の67人も含め403人が視聴しました。

3氏が応援メッセージ

 演説会には日本城タクシーの坂本篤紀社長と、同志社大学大学院の岡野八代教授、僧侶で作家の瀬戸内寂聴さんが応援メッセージを寄せました。

やっぱり弱い者の味方を
日本城タクシー社長 坂本篤紀さん

坂本篤紀さん

 動画で登場した坂本さんは、タクシー・バス事業がコロナ危機で苦境に陥り地を這う状況だと語りました。政府の成長戦略会議で「中小企業数は今の半分でいい」と議論された問題に触れ、「今の政権は中小企業を助ける気はないんやと宣言された。商売人を痛めつける政権が続いている」と指摘。「どこの味方をするんやというたら、やっぱり弱い者の味方を」と語るとともに、「どんなにしばきまくられて顔がゆがんでも戦争は反対だと、駄目なものは駄目だということが大事や」と語り、平和への願いを託せる日本共産党への期待を寄せました。


3つのCで希望の政治を
同志社大学大学院教授 岡野八代さん

岡野八代さん

 岡野さんも動画で、東日本大震災以降の10年間を中心に21世紀の動きを振り返り、ジェンダーギャップ指数低下や消費税増税と実質賃金の低下、新型コロナとのたたかいなど山積する課題を痛感させられたと指摘しました。
 ケア労働の社会的評価が低い問題は、日本社会とりわけ資本主義社会の根源の問題だと語り、「コミュニストのC、ケアのC、コンサーン(人への配慮)のC、3つのCで新しい希望の政治を与えてほしい」と語るとともに、「2021年を20年遅れの21世紀が始まる年にしましょう。衆院選で投票率を上げて新しい政治を巻き起こしましょう」と呼び掛けました。


「忘己利他」の精神貫いて
僧侶・作家 瀬戸内寂聴さん

瀬戸内寂聴さん

 1922年生まれで99歳の寂聴さんは、共産党創立(22年7月)に触れ、「ともに数えで100歳になることを喜び合いたいと思います」と綴りました。
 戦争体験と平和への思い、新型コロナウイルス感染拡大への思いを紹介。仏教の教え「忘己利他(もうこりた)」(自分を忘れて他人に尽くすの意味)の精神を貫いたのがアフガニスタンで亡くなった「ペシャワール会」の中村哲さんで、「政治の世界でこれを貫いているのがあなた方、共産党ではないかと思うのです。戦争に反対し、常に女性、子ども、お年寄り、弱い、貧しい人の側に立ち、頑張っています」と述べています。
 メッセージの結びで寂聴さんは、「私は若い人たちに青春とは『恋と革命よ』といつも言っています。そんな気持ちで、いい世の中にするために共に心若々しくがんばりましょうね」と呼び掛けています。

野党連合政権の政策のたたき台
「5つの提案」を広げ政権交代を

日本共産党近畿オンライン演説会 志位委員長の訴え

 志位和夫委員長は近畿オンライン演説会で、新型コロナ感染症から国民の命と暮らしを守る課題、政権交代を目指して提唱した「5つの提案」の内容、資本主義の限界を乗り越えて新しい社会実現を展望する綱領路線について縦横に語りました。

科学無視と「自己責任」の致命的欠陥

 志位氏は新型コロナの感染状況を取り上げ、緊急事態宣言が解除された大阪はじめ近畿圏や都市部では、収束どころかリバウンド傾向にあり、感染力の強い変異株の急増も懸念されるとし、「政府のコロナ対策は手詰まりの状況にある」と指摘しました。
 「行き詰まったコロナ対策の根本には、菅政権の科学の無視と『自己責任』の押し付けという2つの致命的欠陥がある」と述べ、世界第3位の経済力を持つ日本のPCR検査数が、人口比で世界147位にとどまる問題や、病院の経営悪化や医療従事者不足を放置してきた政府の無策を批判。本庶佑(ほんじょ・たすく)京大特別教授らノーベル医学生理学賞受賞者4氏の検査拡充などを求める声明に触れ、「早期発見、隔離・保護という『医学の教科書』通りの対策が必要だ」と語りました。
 無症候患者が感染源となる新型コロナの特徴を取り上げ、都市部での検査キット配布によるモニタリング調査や、変異株の検査目標40%などの対策は「極めて不十分」だと指摘。感染力の強い変異株は全数検査が求められているとし、「『コロナ封じ込めのための大規模検査を』と草の根の運動を広げ、命を守る取り組みを進めよう」と呼び掛けました。

学級編成基準40年ぶり改善

 コロナ危機による深刻な不安と苦しみの中、国会はじめ全国各地で苦難軽減への取り組みを広げてきたとし、小学校で40年ぶりに学級編成基準が改善され35人学級が実現すると言及。「声を上げれば政治は変えられることを確信に、国民に冷酷な自己責任を押し付ける政治を変えよう。コロナの先に誰もが安心して暮らせる社会をつくろう」と訴えました。

菅政権と維新の会にさよならの審判を

 菅内閣の政権運営について、「戦後最悪と批判した安倍政権よりひどい」と述べ、政権発足後の半年間で①強権政治②政権担当能力なし③安倍前首相ゆずりの政治モラルの退廃――という3つの特徴が浮き彫りになったと語りました。
 総務省幹部接待問題で、「東北新社やNTTの有利な方向へ放送行政がゆがめられたのではという疑惑は、いよいよ深刻だ」と強調。官僚が用意した原稿を読み上げる国会答弁はじめ菅首相の政治家としての資質問題が問われているとし、河合夫妻による選挙買収疑惑、大臣室で現金500万円を受け取り在宅起訴された前農水相の収賄事件など、まさに既得権益まみれの実態が浮き彫りになったと強調し、「『魚は頭から腐る』と言いますが、トップの体たらくの下で政治と官僚のモラル崩壊が起きている。腐敗を一掃するにはこの国を『頭』から変えなければいけない。来るべき総選挙で引導を渡しましょう」と訴えました。

維新は悪い政治の〝突撃隊〟

 ここで志位氏は、「政権交代を実現するためには、維新にも退場の審判を下さなければなりません」と述べ、安倍政権に対する5度の内閣不信任案への反対、日本学術会議の任命拒否問題での政権擁護、75歳以上への高齢者の医療費2割負担で「引き続き対象拡大を」と迫るなど、日本維新の会が自公政権の補完勢力どころでなく悪い政治の突撃隊となっているとし、「次の総選挙では、菅政権、自民・公明とともに維新の会にもさよならの審判を下そう」と訴えました。

どういう新しい政治をつくるのか

世界では減税が当たり前に

 志位氏は「政権公約」のたたき台として日本共産党が提唱した「新しい日本をつくる5つの提案」(別項)を丁寧に紹介。コロナ危機を乗り越えるため、世界56カ国・地域が消費税減税に踏み切ったと語り、「世界では減税が当たり前の流れだ。税の公正の点からも資産を増やした富裕層や大企業に、応分の負担を求めよう」と力説しました。
 安保法制下で強まる敵基地攻撃能力保有に向けた危険な動きとともに、核兵器禁止条約(1月22日発効)への参加・批准を願う内外世論に背く日本政府を批判。核抑止力論は核兵器使用が前提だと米国元高官が述べたことに触れ、「唯一の戦争被爆国としてその態度が問われている。条約に参加する政権をつくるのが一番の近道だ」「憲法違反の安保法制を廃止し、立憲主義を取り戻そう。米国言いなり外交を転換し、自主独立の平和外交を実現しよう」と呼び掛けました。
 石炭火力の新増設、原発再稼働を推進しながら「2050年温室効果ガスゼロ」を掲げる菅政権の矛盾とともに、地球温暖化の危機的影響を描いた「2100年未来の天気予報」(環境省)を紹介。大阪の夏の最高気温が42・3度に上ることや超巨大台風襲来などの可能性を示し、脱炭素・脱原発、再生可能エネルギーの普及によるグリーン・リカバリーへの政策転換を実現しようと訴え。ジェンダー問題や個人の尊厳を保護する課題を巡って政治の矛盾が噴出したと述べ、雇用における性差別解消や選択的夫婦別姓、性暴力根絶に向けた刑法改正などジェンダー平等の推進へ力を尽くすと述べました。

社会主義・共産主義の展望を語って

オンライン演説会で訴える志位委員長

 志位氏は、私立高校『N高等学校』の「政治部」オンライン特別講義のゲスト講師として、同校生徒の質問に答えた体験を紹介しました。
 1万4千人以上がリアルタイム視聴した特別講義で志位氏は、新型コロナ・パンデミックの下、貧富の格差を拡大し環境問題を深刻にさせた資本主義の本質的問題、多くの人の不幸の上に巨大な富を築き上げるシステムを継続していいのかという視点で、資本主義の枠内での民主的改革に力を尽くしつつ、社会主義・共産主義に進んでこそ、『人間の自由』『人間の開放』が全面的に実現できると語りました。
 『資本主義の疑問点を幸福度の観点からどう考えるか?』、『共産主義とはどういう社会か?』など、資本主義と社会主義の「体制」そのものを正面から問う質問が寄せられたことが印象的だったと語った志位氏。特別講義後、五段階評価で計75%が共感したとの回答を寄せ、「資本主義が岐路に立たされているのは事実で、仕方がないで済ましてはいけない」「個性を大切にし、努力しつくり上げたものを伸ばしていく共産主義の考え方が素敵だと思いました」などとつづられた感想文が、後日届けられたと紹介しました。

ロマンチックな名前の党に

 「日本共産党という名前は、私たちの理想と一体のロマンチックな名前です。どうかこの党を大きく伸ばしてください」と総選挙での躍進を呼び掛けた志位氏。演説の最後に、マルクスが17歳の時に書いた卒業論文『職業選択に関する一青年の考察』の中にある「最大多数の人を幸福にした人こそが最も幸福な人であり、その中でこそ自己の完成を達成することができる」との言葉を紹介し、「他の人を幸せにしたい、その中に自分の幸せを見いだしたい――そういう志を持って頑張っている人間集団が日本共産党です。今日の話に共感していただいた方は、日本共産党の一員になってください」と、心を込めて入党を呼び掛けました。

「5つの提案」

①新自由主義から転換し、格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治をつくる
②憲法を守り、立憲主義・民主主義・平和主義を回復する
③覇権主義への従属・屈従外交から抜け出し、自主・自立の平和外交に転換する
④地球規模の環境破壊を止め、自然と共生する経済社会をつくる
⑤ジェンダー平等社会の実現、多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を

共産党躍進なしに野党連合政権なし
こくた・宮本・清水・こむら・たけやま・西田の各氏
オンライン演説会 近畿比例候補が決意

決意を語る(左から)宮本、たけやま、こくた、こむら、西田、清水の各候補=20日、大阪市天王寺区内

 20日開かれた日本共産党オンライン演説会では、こくた恵二、宮本たけし、清水ただし、こむら潤、たけやま綾子、西田さえ子の各比例候補が勢ぞろいし、それぞれの思いを込めた写真を2枚紹介しながら、日本共産党躍進への決意を語りました。
 こくた氏は、立憲民主党の安住淳国対委員長と国民民主党の原口一博国対委員長(当時)の3人で山本宣治の碑を掲げた写真と、立憲民主党の辻元清美衆院議員との写真を示し、「市民と野党の共闘で、次の選挙で政権交代したい。共産党の躍進なしに野党連合政権なし。党を大きくする取り組みを一気に進めましょう」と呼び掛けました。
 宮本氏は19年4月の大阪12区補選に無所属で立候補し、市民と野党の共闘を広げた当時の写真と、森友問題で佐川宣寿元理財局長の証人喚問に立つ自らの写真を紹介。「森友問題は何も解決していない。文書改ざんを巡り赤木俊夫さんが自ら命を絶った。赤木さんの無念を晴らすために、何としても国会に戻りたい」と話しました。
 清水氏は民主商工会との懇談の写真を出し、近畿2府4県70以上の民商を訪ね、コロナ禍で苦しむ中小業者の声を聞き、支援制度の前身へ奮闘してきたと報告。得意の「バナナのたたき売り」の写真も示し、「国民の命をたたき売りする菅政権の政治を変えるため、比例代表2議席から4議席へと頑張っていきたい」と決意を語りました。
 こむら氏は、明石市の観光バスに自らのデザインが採用された写真に続けて、ライフ・ワークのバリ舞踊を踊る写真を掲げて自己紹介。尼崎市議としての初質問でLGBT問題を取り上げ、「誰もが自分らしく輝ける社会をつくりたい。日本共産党は一人一人を尊重し、多様性を大切にする党。ジェンダー平等に頑張る」と述べました。
 京都・長岡京市議を5期17年間勤めた、たけやま氏は4期目の市議選で応援に駆け付けた子育て仲間らとの写真を紹介し、公約の中学校給食を実現したと報告。保育所増設を求める署名の提出風景の写真に触れ、「運動で認可保育所も造れ、待機児が減っているのがうれしい。女性の生きづらさをなくし、誰もが格差なく暮らせる新しい政権を」と語りました。
 民主商工会で働いていた西田氏は、まず消費税10%増税中止を求めるデモ(18年)を示し、「赤字でも身銭を切って納税する業者の実態を知った。政治を変えて公正な社会を実現するのが私の原点」。2枚目は住民投票のたたかい(20年)で、「政治の参加が広がっている大きな変化を、政権交代へつなげたい」と語りました。

(大阪民主新報、2021年3月28日号より)

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