おおさかナウ

2021年01月30日

日本政府は条約に署名・批准を
核兵器禁止条約が発効
府内各地で多彩に行動

 核兵器の保有や使用、使用の威嚇などを包括的に禁じる核兵器禁止条約が発効した22日、日本政府に対して同条約に署名し、批准するよう求める集会や宣伝が府内各地で多彩に取り組まれました。

平和で公平な世界を
大阪原水協・安保実行委が宣伝

被爆者の悲願と原水禁運動実る

 原水爆禁止大阪府協議会(大阪原水協)と安保破棄・諸要求貫徹大阪実行委員会(安保破棄大阪実行委員会)は正午から、大阪市中央区難波の髙島屋前で宣伝し、雨をついて約50人が参加しました。
 リレートークで大阪原水協の橋口紀塩事務局長は、広島と長崎への原爆投下(1945年)から76年、被爆者の悲願と原水爆禁止運動が実ったと指摘。「唯一の戦争被爆国である日本の政府に、条約に署名し、批准するよう求める運動を強め、核兵器のない平和で公正な世界をつくりましょう」と呼び掛けました。

「戦争する国」へ突き進む菅政権

 安保破棄大阪実行委員会の守山禎三事務局長は、「条約発効で核兵器はついに国際法の下で違法なものとなり、悪の烙印を押されました。核兵器廃絶こそ、核兵器が使用されない唯一の保証」と強調。条約参加に背を向けるだけでなく、敵基地攻撃能力の保有など「戦争する国」へと突き進む菅政権を厳しく批判しました。

条約に署名する政府をつくろう

 日本共産党衆院近畿比例候補の西田さえ子さんは、核保有国の干渉を乗り越えて条約が発効したことは、国際社会の主人公がすべての国と市民に代わったことを示す世界の大きな変化だと力説。「条約に背を向ける菅政権に未来はない。総選挙で政権交代し、条約発効まで頑張り抜いた市民社会にふさわしい新しい政府を実現しましょう」と訴えました。

大阪原水協と安保破棄大阪実行委員会の宣伝行動。訴えているのは日本共産党衆院近畿比例候補の西田さえ子さん(左端)=22日、大阪市中央区内

市民は世界を動かす力を持っている
西淀川で記念イベント

核兵器のない世界へ。平和の願いを書いた短冊つきの風船を空に放つ人たち=22日、大阪市西淀川区内

 核兵器禁止条約が発効した22日、「核兵器をなくして平和な世界を!」と大阪市西淀川区内で風船を飛ばす記念イベントが行われました。朝から降り続いていた雨も上がり、午後1時50分過ぎ、手書きの短冊を結んだ色とりどりの風船が、空一面に放たれました。「地球上から核のなくなる日まで頑張る」「被爆者の願いを実現する政府を」と参加者たちは舞い上がる風船に思いを込めました。
 「世界に被爆者の願いを届けたい」と西淀川区原水協と戦争あかん!西淀川実行委員会が企画。「軍事費よりも医療や福祉を優先に!」などと書かれた約300枚の短冊をつけた風船が用意され、原水協や地域住民、区内で働く人ら100人が参加しました。風船は土に分解・還元される自然素材のものです。
 北の町公園で開かれた集会では、医師で西淀川平和委員会会長の穐久英明氏が、「被爆者の願いが国際社会を動かし、核兵器禁止条約が実現した。みんなの力で核保有国に条約参加を迫っていこう」とあいさつしました。
 日本共産党の宮本たけし前衆院議員(衆院近畿比例・大阪5区候補)は、14歳の時に参加した原水爆禁止世界大会が平和の原点と述べ、「命を懸けて核兵器の悲惨さを語り続けてきた被爆者とともに、日本政府に条約批准を求めていく」と語りました。
 みどり保育園とよどっこ保育園の園児が、将来の夢や平和の願いを書いた手書きのメッセージが風船に結ばれ、ベートーベンの交響曲第9番「歓喜の歌」を合唱する園児の歌声が流されました。
 新日本婦人の会西淀川支部の高山富美子さん、西栄寺住職の山田博泰さんがお祝いのメッセージを述べ、日本原水協事務局長の談話が紹介されました。
 戦争あかん!西淀川実行委員会は、核兵器禁止条約が国連採択された2017年の秋にも、「平和の波」行動の一環として、メッセージをつけた風船を飛ばしました。放たれた風船は、山と谷を越え約300㌔離れた静岡県浜松市の医療生協組合員の畑で発見され、発見者から温かい激励の返事が届けられました。
 このエピソードを紹介した淀川勤労者厚生協会の長瀬文雄副理事長は、「私たち市民の声は、世界を動かす力をもっています。さらに平和のメッセージを広げていきましょう」と語りました。
 西淀川平和委員会事務局長の中村玉枝さんは、「今日をスタートに日本政府に批准を求める『新署名』の成功へ力を合わせましょう」と呼び掛けました。

条約発効の意義学ぶ
大阪原水協が集会

 原水爆禁止大阪府協議会は22日、大阪市中央区で核兵器禁止条約発効日大阪集会を開き、日本原水協の川田忠明・全国担当常任理事の講演DVDを上映しました。
 川田氏は、国連安保理の常任理事国として拒否権を持つ核保有5大国などの反対を乗り越えて発効した核兵器禁止条約の歴史的意義について、「大国主導からすべての国が対等になる新時代の始まりです」と強調しました。

条約に署名する政府をつくろう

核兵器禁止条約発効の意義を学び合った集会=22日、大阪市中央区内

 日本政府が主張する「橋渡し役」は国際的信頼を失っていると批判し、米国の「核の傘」への依存から抜け出すことが日本の平和と安全を守る確かな道だと強調。「総選挙で市民と野党の共闘で連合政権をつくり、核兵器禁止条約に参加する政府を実現しましょう」と呼び掛けました。
 大阪原水協の橋口紀塩事務局長が、日本政府に条約参加を求める「新署名」で府民100万目標を目指す行動を提起しました。

(大阪民主新報、2021年1月31日号より)

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