おおさかナウ

2020年12月26日

新春インタビュー
野党連合政権実現に総選挙で正面から挑む
柳利昭日本共産党大阪府委員長に聞く

2021年を迎えるに当たり、日本共産党大阪府委員会の柳利昭委員長に、2020年のたたかいを振り返るとともに、新年に臨むことを聞きました。

柳利昭日本共産党府委員長

――新年おめでとうございます。
 おめでとうございます。
 昨年は、新型コロナパンデミックという、これまで経験したことのない異質の困難の下での活動になりました。
 この中で「国民の苦難軽減」の党の役割を発揮しながら、力を合わせて強く大きな党づくりに取り組み、大阪市住民投票では歴史的な勝利を勝ち取りました。
 大きな困難の中、奮闘されたすべての皆さんに、心からの敬意と感謝を申し上げます。
 今年は、直面するコロナ危機の打開にさらに全力を尽くしながら、秋までに必ず行われる総選挙で自公と維新を打ち破り、野党連合政権の実現に挑みます。
 皆さんのいっそうのご支援をお願いいたします。

コロナ禍の下でのたたかい

――コロナ禍の下でのたたかいが続いています。
 昨年1月の第28回党大会と2月の府党会議直後から、大阪でも新型コロナウイルス感染症が急拡大。4~5月には「緊急事態宣言」という未曽有の危機が広がり、5月に計画した「大阪赤旗まつり」も残念ながら中止しました。
 私たちは、①「国民の苦難軽減」の立党の精神に立って府民の命と暮らしを守る取り組みに全力を挙げる、②党員の命と健康を守り感染拡大防止の社会的責任を果たすことを大前提に、党活動を維持・発展させ、強く大きな党をつくるという基本姿勢で奮闘してきました。
 コロナ危機の下で日本共産党が果たしている役割は、全国でも大阪でもかけがえのないものです。党中央は事態の進展に対応した「提言」を次々に発表して国会内外で奮闘。感染爆発防止対策とともに「自粛要請と一体の補償」を求め、野党共闘の力で全国民10万円給付をはじめ数々の支援制度を実現しました。大阪府委員会も2月末に対策本部を設置して取り組みを強め、4月の「新型コロナ緊急アンケート」には3500人以上の方から切実な声が寄せられました。党支部と地方議員団が暮らしと営業の相談を進め、議会に切実な声を届けて、各自治体でもさまざまな独自施策を実現しました。
 いま感染拡大の「第3波」の中で、無症状の感染者を含めた「検査・保護・追跡」の抜本的強化を求め、第2次「緊急アンケート」で「お困りごとありませんか」と要望を聞き、実現する取り組みを進めています。

歴史的勝利収めた住民投票

――住民投票では大阪市を守り抜きました。
 11月1日の住民投票開票の夜は、大阪中に喜びが広がりました。大接戦の末、「反対」が「賛成」を上回り、大阪市民は5年前に続いて再び「大阪市廃止ノー」の歴史的勝利を収めました。
 9月初めの世論調査では「賛成」が10ポイント上回っていましたが、「大阪市をなくしたらアカン」という市民の手づくりの運動が日を追って広がり、「反対」が大きく伸びて「賛否が拮抗」し、市民を二分する模索の中「逆転勝利」をつくりだしました。結果を受けて私たちは、「賛成」に投じた市民も大阪の改革を願ってのものであり、ともに新しい大阪を築くことを呼び掛けました。
 大阪府委員会は一昨年8月に「闘争本部」を設置して、「明るい民主大阪府政をつくる会」「大阪市をよくする会」とともに継続的な活動を進めてきました。維新の攻勢とともに矛盾をリアルに見て挑むこと、維新を「改革者」と見る人たちに、正確な情報提供と前向き政策で「もう一つの選択肢」を示すことなどを提起。住民投票本番でも、この姿勢での草の根の宣伝や対話が貫かれ、維新の公明との野合や「市役所ぐるみ」、知事・市長・議員総動員と4億円の「物量作戦」を打ち破りました。
 住民投票の歴史的勝利を力に維新政治の転換を目指し、コロナ対策で府と大阪市の役割を果たさせるとともに、市民の審判に背く「広域一元化条例案」などとのたたかいを進めます。

政権交代で野党連合政権を

――今年は、総選挙が最大の焦点になります。
 衆議院議員の任期が今年10月に迫る中で、総選挙は今年秋までに必ず行われることになります。この総選挙の目標は、①市民と野党の共闘を発展させ、政権交代を実現し、野党連合政権を樹立する、②比例代表選挙で「全国850万票、15%以上」を獲得し、小選挙区の議席増と併せて日本共産党の躍進を実現することです。比例近畿ブロックでは「180万票、20%以上」で4議席絶対回復・議席倍増を目指し、大阪の比例得票目標は「80万票、20%以上」です。
 昨年9月に発足した菅政権は、日本学術会議への強権的な人事介入やコロナ禍で75歳以上の医療費2割負担を導入する冷酷さなど、前政権を上回る危険性とともに、新型コロナ対応の無為無策や国民への説明拒否の政治姿勢で、政権担当能力が問われています。
 共闘の力で菅政権を倒し、新しい政権をつくることは、野党に課せられた責任です。市民と野党の共闘は大阪でも着実に前進し、住民投票でも「お互いがそれぞれの持ち場で頑張る」ことで結束して、大きな力を発揮しました。これを野党連合政権をつくる「本気の共闘」に発展させることが求められています。
 昨年末の第2回中央委員会総会(2中総)決定は、解散・総選挙が4月以降になると判断し、4月末までを「総選挙躍進特別期間」として、1千万対話と宣伝で支持を広げ、党勢拡大に取り組むことを決めました。
 「共闘の時代」の選挙で、共闘成功と党躍進を両立させるためには、「共産党だから支持する」という積極的支持者を今から広げ、党の自力を強めることが絶対に必要です。同時に、今この活動を強めて、党躍進の勢いが他党にも伝わる奮闘をすることが、「本気の共闘」をつくり、総選挙を政権奪取の選挙にする決定的な推進力になります。
 野党連合政権を目指す総選挙は、党の歴史でも初めての挑戦です。昨年の住民投票の勝利は、自公政権の補完勢力・維新に痛打を与え、「共闘の力で日本の政治を変えるうえでも、巨大な意義をもつもの」(2中総決定)になりました。政党間の力関係の圧倒的な不利をくつがえした、このたたかいを確信にして、総選挙で自公と維新を打ち破り、野党連合政権実現に正面から挑みます。

大阪で100万人と対話を

――「新しい日本をつくる5つの提案」が発表されました。
 菅政権を倒して、どういう新しい日本をつくるかを示す20項目の提案です。どの項目も、国民多数の声に沿ったもので、野党連合政権ができればすぐに実行できるものです。また、多くが野党間ですでに一致があり、共通政策のたたき台になるものです。
 大阪では「特別期間」で100万人と対話して、50万人以上の後援会員、党員で昨年の党大会時を回復し、読者は前回総選挙時の回復・突破を目指します。この対話の中で「5つの提案」を届け、「政権交代を実現しよう」「共産党を支持してほしい」と訴えていきます。住民投票の「情報を提供し、押し付けでなくともに考える対話」の経験を、大いに活かしたいと思います。
 また、コロナ危機の下で、大阪でも多くの方が政治と社会のあり方を真剣に考え、青年学生を中心に社会主義への関心の広がりが報告されています。昨年改定された党綱領が明らかにした世界の変化、中国批判、未来社会論などが、こうした思いと響き合っていることも重視します。
 この100万人対話と一体に、党員と読者の拡大を進めます。昨年の「党勢拡大特別月間」では、大阪でも「支部が主役」の党づくりが探求され、多くの支部が入党の働きかけに踏み出し、読者拡大に取り組みました。1年間で400人以上の入党者を迎え、「しんぶん赤旗」読者は年間増勢へもう一歩、「大阪民主新報」読者は前進しています。持続的前進の手応えをつかんでいることを確信に、本格的な前進を図ります。
 コロナ禍で苦しむ学生支援の「フードバンク」が、民青同盟を中心に大阪でも33回取り組まれ、2千人以上が利用しました。この中で青年学生の深刻な実態が反映され結び付きが広がるとともに、民青加盟も生まれています。青年の願いに応える活動をさらに強めながら、党の世代的継承に取り組みます。
 新しい大阪府委員会事務所づくりは、多くの皆さんのご支援をいただき、昨年8月に仮事務所に移転して、今年はいよいよ新事務所ビルの建設に取り掛かります。来年春の竣工に向けて、建設募金の取り組みに、さらなるご協力を心からお願いいたします。

(大阪民主新報、2020年12月27日・2021年1月3日合併号より)

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