おおさかナウ

2020年12月06日

事業費750億円増で1.6倍に
淀川左岸線2期 市民負担増必至
情報公開、精査徹底を
共産党が国会質問・現地調査

 建設中の高速道路「淀川左岸線」の2期区間を巡り、総事業費が当初から1・6倍に増える見込みであることが問題になっています。工事現場で判明した土壌汚染対策など増大要因が判明したため。事業費は国と大阪市が折半するため、市民負担が増えることは必至。日本共産党は国会質問で取り上げるほか、現地調査を行うなど、取り組みを強めています。

前例ない開発で問題が指摘され

 淀川左岸線の2期区間(此花区・海老江ジャンクション~北区・豊崎ジャンクション、約4・4㌔㍍)は大阪市の街路事業と、阪神高速道路株式会社との合併施行で2018年に着工しました。当初の総事業費は1162億円で、淀川左岸の堤防と一体にコンクリート構造物を並べトンネル式の高速道路を造るという、世界的にも前例のない開発。採算性や安全性について、計画段階から問題点が指摘されてきました。
 大阪市は、25年の大阪・関西万博の会場となる大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま)と、新大阪などを結ぶシャトルバスを運行することを目指し、共用開始時期を26年度末から24年度末へと2年前倒しして、事業を推進しています。
 11月にマスコミ報道で、土壌汚染対策に伴う事業費の増大や地盤改良などの工法の変更などで事業費が約700億円増え、1・6倍になる見込みであることが明らかに。松井一郎市長は、「コスト縮減に努めながら整備を進める」としています。

もっと以前から判明していた?

高速道路「淀川左岸線」2期区間の工事現場を視察する(左から3人目より)清水、辰巳、長岡、山中の各氏=11月30日、大阪市福島区内

高速道路「淀川左岸線」2期区間の工事現場を視察する(左から3人目より)清水、辰巳、長岡、山中の各氏=11月30日、大阪市福島区内

 日本共産党の清水ただし衆院議員(近畿比例・大阪4区重複候補)は11月26日の衆院地方創生特別委員会で、土壌汚染対策などによる追加費用について、大阪市から報告を受けたのはいつかと質問。国土交通省はことし6月8日だと答えました。
 清水氏は、大阪市はもっと前から追加費用の発生を見込んでいたにもかかわらず、低い工事費で事業申請していた可能性があると指摘しました。
 市は2015年10月から翌年3月末まで土壌汚染を調査し、その結果を19年11月に公表。自然由来の汚染については、すべての調査地点でヒ素、フッ素、ホウ素が基準値を超えて検出されていることから、清水氏は「この時点で、土壌汚染の処理費用がかさむことは分かっていたはずだ」と主張しました。
 さらに大阪市と阪神高速がことし9月に作った2期区間のパンフレットには、環境への影響について土壌汚染の説明が一切ないとし、「住民に対するだまし討ちでもある。増額する費用の妥当性についても、国としてしっかり精査すべき」と述べました。

採算見通しなく中止だった区間

 11月30日には清水氏、辰巳孝太郎前参院議員、山中智子、長岡ゆりこ両大阪市議が、地元住民らと共に大阪市福島区内の工事現場を視察。近畿地方整備局、大阪市建設局、阪神高速道路株式会社の担当者から聞き取りを行いました。
 清水が事業費の増大分の内訳をただしたのに対し、大阪市建設局側は、土壌汚染対策や下水管の撤去、地盤改良で300億円、人件費はじめ工事費の高騰で270億円、設備工事で110億円、安全性確保で140億円と説明。一方、トンネルの工法の効率化で約70億円減額となるため、事業費全体の増加は現時点で約750億円としました。
 清水氏は、2期区間は採算の見通しがないことからいったん中止になったが、合併施行方式で推進されてきたと指摘。「工事は始まっているが、市民負担は増え、採算性も疑問。土壌汚染問題でも、住民への説明や情報公開を今まで以上にやるべきだ」と強調しました。

市の管理会議の対象外だったが

 辰巳氏は大阪市が設置している「大規模事業リスク管理会議」と、2期区間との関係に言及しました。同会議(非公開)は市が行う巨大開発について、市財政に重大な負担を生じさせないよう、リスク管理を強化するために外部の有識者から意見を聞く場。総事業費のうち市負担分が500億円以上の開発が検討対象です。
 辰巳氏は、2期区間の市負担分は当初498億円で対象外だったが、今後どうなるのかと質問。市建設局は「(事業費の増大に伴う市負担の)増額の結果、500億円を超える」と答え、管理会議の検討対象になっていくとの見方を示しました。

(大阪民主新報、2020年12月6日号より)

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