おおさかナウ

2020年10月16日

えっ、大阪が全国一商売しにくい街?
経済苦境の中でこそ需要喚起、
中小企業支援策の拡充を
「大阪の共産党です!」 大阪経済テーマにライブ配信

「都構想」の問題点や大阪経済発展の展望を語り合う(左から)辰巳、清水、中野の各氏=10日、大阪市天王寺区内

「都構想」の問題点や大阪経済発展の展望を語り合う(左から)辰巳、清水、中野の各氏=10日、大阪市天王寺区内

 日本共産党大阪府委員会のインターネット番組「大阪の共産党です!」が10日夜、動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信され、ゲストに浪速産業株式会社代表取締役の中野雅司氏、清水忠史衆院議員を迎え、「大阪都」構想をテーマに、大阪経済の現状や発展に向けた課題を語り合いました。

 司会を務める辰巳孝太郎前参院議員は冒頭、大阪でコロナ感染者と死亡ケースが増えている現状を示すとともに、世田谷区が10月に始めた症状の出ていない人を含めたPCR検査で陽性事例が出ていると指摘。感染が集中する大阪市内の対策強化が不可欠だとし、住民投票を強行する維新政治を批判しました。
 中野氏は大阪で倒産件数が増え、しかも目に見えないところで事態悪化が進んでいると述べ、デフレ経済下において不足する需要をいかに補うべきかを考える必要があると強調しました。
 清水氏も外食需要の喚起策「Go Toイート」など国の支援策を巡る課題に触れながら、「本当に事業者の立場に立った支援策が求められている。『都』構想ありきの姿勢をあらためて大阪市独自で休業支援や経済対策を取るべきだ」と語りました。

「都構想」で大阪経済は

 大阪経済と維新政治について清水氏は、大阪市の中小企業向け予算の推移を示し、2013から20年までに大阪市の産業振興関連予算が大幅に減少したと指摘。東京都と政令指定都市がある道府県の2017年度商業振興関連予算を取り上げて、大阪府の2853万円はあまりに少ないと述べ、各都道府県にある中小企業団体中央会への補助金を廃止したのが唯一大阪府だと批判しました。
 清水氏は、落ち込む府内総生産や可処分所得、全国平均より落ち込む正規雇用率などの統計データを示し、「商売のまち大阪で中小企業対策を後退させることほど恥ずかしい話はない。維新政治によって大阪の経済は停滞している」と語りました。

経済知らない維新政治

 中野氏は、コロナ以前のインバウンド需要によって、たまたま大阪が成長しているかのような幻想が広がったと指摘。経済成長の原資はインバウンドに頼るのではなく、産業そのものを根っこから育てることが重要だと語りました。
 インバウンドは、必ずしも大阪市民の暮らしに役立った訳ではないと述べ、民泊の規制緩和の弊害を指摘。「経済を知らない維新の行政施策によって、市民の暮らしは明らかに悪くなった」と強調し、「大阪の経済は成長などしていない。維新が掲げる『都』構想で大阪の発展はまったく期待できない」と語りました。

「二重行政」のまやかし

 維新が「都」構想の目的に挙げる「二重行政」を巡り、中野氏は2014年に大阪市信用保証協会を廃止し大阪府信用保証協会に統合された問題について言及しました。デフレ不況の厳しい経済状況下、信用保証協会の保証がなければ銀行融資が受けられないとし、信用保証枠を大きく減らした組織統合は大問題だと批判。中野氏は「経済的な視点ではなく、二重だという理由で信用保証枠を減らしてどうするのか。大阪の中小企業は全国一商売しにくい状況に追い込まれている」と語りました。
 清水氏は、住民や医療関係者の声を無視して住吉市民病院を廃止した維新政治を厳しく批判。さらに感染症対策で重要な役割を担う公衆衛生分野の組織統合などの問題を述べ、「二重行政解消の名の下に、本来は二重三重に市民の命と健康を守るための施設がつぶされてきた。政令指定都市を廃止しなければ解消できない二重行政はない」と語りました。

大阪発展への道どこに

消費支出推移 大阪市を存続させて暮らしや経済を発展させていく展望について、中野氏は、大阪府の中小企業振興策が2017年までの10年で92%減少した一方、愛知県は増やしていると指摘。「大阪では中小企業に対して一体何をやったのか?何もしていない。投下した資本に対してリターンが戻るのが経済の本質だ」と強調しました。
 清水氏も「本気になって中小事業者を支援する政治への転換が必要だ」と語り、特に新型コロナ禍で、3密解消のためオンラインに業態変更するカジノ産業の危機的状況を指摘。大リストラを強行するカジノ業者の動きなどを紹介し、カジノ誘致は雇用創設につながらないとし、維新が目指す夢洲開発やカジノ計画は、大阪にとって新たな負の遺産になると指摘しました。
 清水氏が、「都」構想が目指す経済成長の柱はインバウンドとカジノであり、その不安定さが露呈していると指摘したのに対し、中野氏は、世界的に注目を集めるベンチャービジネスの動向に触れ、ベンチャー分野への有効な資源配分が必要だと指摘。「大阪では事業所をどんどん外に出していくことで失敗をした。市内に、より魅力をつくり出していくことが課題になっている」と述べ、世代継承など過渡期を迎えた中小企業へのバックアップが必要だと語りました。

都構想の狙いはどこに

雇用誘発効果資料 中野氏は、「都」構想で1兆円とする経済効果は「参考資料にすぎない」とし、大阪市の財政を使って大阪府の財政赤字の穴埋めなどに使われる矛盾を指摘。「他人任せにせず、市民一人一人が自分で考えて判断をしてほしい」と語りました。
 清水氏は、政令指定都市から「特別区」に格下げすれば、街づくりの権限など基本的な自治権が大きく後退すると指摘。「住民投票で『都』構想ノーの審判を下そう」と呼び掛けました。

(大阪民主新報、2020年10月18日号より)

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