おおさかナウ

2020年04月19日

暮らし・雇用・営業守ろう
新型コロナ 役立つ制度紹介します

大阪労働局に要請書提出し、制度拡充を求める党府委のメンバーら=3月19日、大阪市中央区内

大阪労働局に要請書提出し、制度拡充を求める党府委のメンバーら=3月19日、大阪市中央区内

 「雇い止めに遭い、家賃や公共料金が払えない」「休業で営業が成り立たず、大幅に減収」――新型コロナウイルス感染拡大への対策が市民の暮らしや雇用・営業を直撃しています。新型コロナウイルスによる影響から、暮らし・雇用・営業をどう守るのか、役立つ制度や特別措置を紹介します。(4月12日現在の制度です。以降に拡充されるなど、変更の可能性もあります)

 税金や保険料、公共料金には納税・支払い猶予の制度があり、財産の差押えも猶予されます。
 国民健康保険(国保)、後期高齢者医療制度、介護保険については厚労省が3月10日、「関係事務の取扱について」とした事務連絡で、「保険者(市区町村)の判断で、保険料(税)の徴収猶予を行うことが可能とされている。(略)各保険者において、これについての周知も含め、適切に運営いただきたい」と都道府県などに通知しました。

資金繰りに困ったら
新型コロナ感染症特別貸付を

 苦難にあえぐ中小業者向けの融資制度による資金繰り支援では、政府系金融機関の日本政策金融公庫が実施する「特別貸付」や大阪府の制度融資など、いくつかの相談窓口があります。
 日本政策金融公庫が行う「新型コロナウイルス感染症特別貸付」は、最近1カ月の売上高が、前年比で5%以上減少した事業者などが対象です。
 限度額6千万円。3千万円まで当初3年間は基準金利から0・9%の低減利率を適用し、さらに利子補給で実質3年間無利子に。返済期間は設備20年、運転15年(共に据置期間5年)以内です。
 低利で安心と申請に関する相談が殺到するなど活用が進み、「借り換えの理由でも融資が受けられ、将来に少し希望が持てた」など喜びの一方、「借入実績がないため審査が通らなかった」などの声も。
 「無利子」期間が3年間で4年目から基準金利1・36%が適用されるなど、必要な改善点も浮き彫りになっています。
 特別貸付の申し込み書類は政策公庫のホームページからダウンロードでき、最寄の支店に提出して申請します。
 中小事業者が活用できる融資制度では、セーフティネット保証に対応した府制度融資「経営安定サポート資金」(経営安定資金)、新たに拡充された「大阪府新型コロナウイルス感染症対応緊急資金」(危機関連)もあります。
 限度額は2億円で利率は1・2%固定、信用保証協会などの審査があります。窓口は取扱金融機関へ。このほか商工中金大阪支店の融資制度も活用できます。相談電話は06・6532・0309まで。

収入が減少した世帯に
国民健康保険料が減免・免除

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う政府の「緊急対策」に、収入が減少した世帯への国保料(税)の「免除等を行う」ことが盛り込まれました。
 経済が急速に冷え込むなか日本共産党は国保料の緊急減免を求めていました。
 国保の保険者である市区町村が免除等を実施した場合、保険料収入の減少分を国が全額手当するものです。国保料は自治体ごとに異なりますが、高すぎる国保料の引き下げと共に、新型コロナによる減収で苦しんでいる人たちへの速やかな減免を求めていました。
 免除等の対象となるのは、主たる生計維持者の収入が前年比で7割以下になった世帯(前年の合計所得が1千万円超の場合や、減少した収入以外に400万円以上の収入がある場合は除外)。
 また、新型コロナで主たる生計維持者が亡くなるなどした場合も対象になります。
 厚生労働省は、減収は見込みで判断するとし、適用の可否は各市区町村の判断にまかせることになると説明。今年1~3月の実績を12カ月に引き延ばすことなどが考えられるとしています。

税・電気・ガス・水道料金は
税務署への申請で支払い猶予

 電気・ガス・水道料金についても、政府は各事業者に全国一律の支払い猶予を要請し、3月25日から申請受付が始まっています。
 納税についても、国税庁は「事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがあると認められる」などの条件を満たす場合、「税務署に申請することにより、納税が猶予される」として、ホームページなどで税務署への相談を呼び掛けています。
 特に、▽新型コロナ患者発生に伴う消毒などにより、財産に相当な損害が生じた場合、▽本人または家族が感染した場合、▽事業を廃止し、または休止した場合、▽事業に著しい損失を受けた場合――などの「個別の事情」について、「まずは電話で最寄りの税務署に相談を」と呼び掛けています。

従業員の休業手当に
事業者には雇用調整助成金が

 労働者を雇う側の事業主向けの制度です。
 新型コロナの影響で、売り上げが減ったり、事業活動を縮小した事業主が、労働者を休ませたとしても、雇用契約を維持した場合、「休業手当」に対して国が助成します。
 政府は新型コロナの感染拡大に伴って4月1日から6月30日までを緊急対応期間として、雇用調整助成金の特例措置を拡充しました。雇用保険の加入期間が6カ月未満の人や被保険者でない人、新入社員やパート従業員を休ませた場合でも活用が可能です。
 助成率は、今回の特例では大企業が休業手当日額の3分の2、中小企業が5分の4です。
 従業員全員を雇い続ける場合はそれぞれ4分の3、10分の9に増えますが、1人当たりの日額は8330円が上限です。
 支給日数の上限は通常、1年100日などとなっていますが、今回の6月末までの緊急対応期間は、通常の100日とは別枠で日数を確保しています。
 休業した労働者に直接支給する制度ではなく、企業が負担増を避けるために申請しないことも想定されます。日本共産党は、国による10分の10の助成、賃金・収入の8割以上の補償を求めています。
 同党の辰巳孝太郎前参院議員・府委員会新型コロナウイルス関連対策本部長らはこの問題で、2度にわたり大阪労働局を訪ねて制度拡充を要請してきました。

住まいを失いそうな時
家賃の一部を最大3カ月支給

 新型コロナウイルス感染拡大の影響による解雇や「雇い止め」などで、家賃滞納を理由に退去を迫られる事例も増えています。住居を失うことは、生活基盤を奪われることにつながります。こうした状態を避けるために、住居確保給付金制度があります。
 2008年のリーマンショックの時、仕事も住まいも同時に失った人たちのために予算措置され、困窮者自立支援法で制度化されました。生活に困窮する人を対象に、家賃支払額の一部を最大3カ月支給。返済は免除されます。再就職先が決まらないなどの「特別の事情」がある場合は最長9カ月まで支給が延長されます。
 求職活動を継続していることなど要件がありますが、緊急措置で弾力的運用を決めています。居住している自治体の福祉担当部署が相談窓口になります。
 厚生労働省は4月7日付の通達で、住居確保給付金の支給対象拡大する方針を明らかにしました。
 住居確保給付金は、「2年以内に離職」などの支給要件を定めていましたが、新型ウイルス感染拡大の深刻な影響を踏まえ、「離職か廃業と同程度の状況になり、住居を失うおそれが生じている人」も対象になるとし、収入減少の理由でも申請できることになりました。
 公共職業安定所(ハローワーク)での休職登録についても、インターネットでの仮登録を正式な休職申し込みと見なして、申請を受理します。
 フリーランスや個人事業主も対象となります。
 日本共産党の辰巳孝太郎前参院議員・党府委員会新型コロナウイルス関連対策本部長は、新型ウイルス感染拡大を巡り、住居確保給付金の制度改善を関係機関に要請し、「多くの人に活用してほしい」(3月16日のツイッター)などと発信。56万人が投稿を閲覧し、6460人が拡散するなど、大きな反響を呼びました。
 辰巳氏は同月31日、厚生労働省大阪労働局との懇談で、さらなる拡充を問題提起していました。

緊急事態宣言受け厚労省
生活保護制度の運用も柔軟に

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言を受け、厚生労働省は生活保護の柔軟な制度運用を各自治体に求めました。
 4月7日付の事務通達「新型コロナウイルス感染防止等のための生活保護業務等における対応について」は、生活保護の申請相談に際しては、「申請意思を確認した上で、生活保護の要否判定に直接必要な情報のみ聴取する」「援助方針策定などに関する聞き取りは後日電話で聴取すればよい」とし、「保護申請権の侵害が疑われるような行為は厳に慎むべき」と注意喚起。速やかな保護決定を行うよう強調しています。
 また、保護決定の可否判断では「稼働能力の活用」が厳しく審査されてきましたが、今回の通達では、「緊急事態措置の状況の中で新たに就労の場を探すこと自体が困難である」などやむを得ない場合、就労できるかどうかの判断を留保することができるとしました。
 一時的な収入減少に伴う保護申請に対応できるよう、自家用車保有など資産の取り扱いについて柔軟に対応するよう求めています。医療が必要な場合は通常、利用者は福祉事務所に行き医療券を発行してもらい指定の医療機関を受診しますが、今回の事務連絡では、電話連絡で受診できるとしています。

生活のためお金が必要
生活福祉資金貸付制度を活用

 休業や失業などで緊急に生活のためのお金が必要になった場合、厚生労働省の生活福祉貸付制度が活用できます。
 3月25日から生活福祉資金貸付制度に基づく特例貸付が始まっており、「緊急小口資金」(新型コロナ感染症特例)と、主に事業主向けの「総合支援資金」があります。
 「生活資金をただちに」と求める国民世論をはじめ、日本共産党など野党各党の要求が政府を動かしたものです。
 緊急小口資金の特例制度は、低所得者に限定して運用してきた従来の取り扱いを拡大し、収入減少があれば、一般世帯、事業者にも適用されます。
 貸付上限は、学校等の休業や個人事業主らは20万円(その他は10万円)。貸付は無利子で行われ、償還期限は2年(据置期間1年以内)です。
 今回の特例措置で、「償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができる」という返済免除規定が加わりました。
 申請には、運転免許証等の本人確認ができる書類や収入が減少していることを確認できる書類が必要です。居住する市区町村の社会福祉協議会が窓口です。
 この他、自治体独自の緊急融資制度や休業補償制度などを創設する動きも広がっています。

生活不安に対する新型コロナ関連の特例制度

税金 所得税や消費税 猶予の特例措置
公共料金

関西電力 5月分までの支払い期日を各1カ月延長(適用条件有)。3月25日受付開始。0800・777・8810
大阪ガス 2~4月分料金の支払い期日を各1カ月延長(適用条件有)。3月25日受付開始。0120・078・071
スマホなど 期限までの支払いが困難な場合、5月末まで支払い期限を延長。ドコモ・KDDI・ソフトバンク等へ申し込みが必要
上下水道 支払いに関する相談窓口を設置
NHK受信料 支払いに関する相談窓口を設置
教育・子育て

子育て世帯給付金 小学校などの臨時休校で休職し、所得減少が見込まれる世帯で条件を満たせば日額上限8330円
高校・大学授業料 家計急変による特例の授業料減免、給付型奨学金、貸与型奨学金の活用
社会保障

国民年金 納付困難な場合、徴収猶予や免除適用の仕組みがあります。収入減少の度合いにより全額免除や半額、4分の1などの基準あり。市区町村で申請。免除適用で受給資格期間への加算、遺族年金受給などで不利益を受けない
国民健康保険 自治体に支払い猶予を申請できる。猶予期間は6カ月~1年(自治体による)。65歳未満で雇止めなどで失業し収入が激減した場合、保険料を減額する制度もある
介護保険・後期高齢者医療 保険料の徴収猶予や減免措置がある。各自治体窓口へ
その他 生命保険 保険料支払いや満期更新手続きを最長6カ月延長
損害保険 保険料支払い手続きなどを5月末まで猶予

各種電話相談はこちら

〇新型コロナウイルス感染症の発生に伴う大阪府の健康相談  専用電話06・6944・8197、FAX06・6944・7579(午前9時~午後6時、土日祝日も対応)。各市町村にもあります。
〇大阪府の新型コロナウイルス感染症に関わる緊急事態措置についてのコールセンター  専用電話06・4397・3299、FAX06・4397・3295(平日の午前9時~午後6時)。
〇新型コロナ感染症の影響による労働相談  ▼特別労働相談窓口 0120・939・009フリーダイヤル(月・水~金曜午前9時~午後5時、火曜午前9時~午後6時。土日祝日は休み)。新型コロナ感染症の影響による一般的な労働相談、企業・労働者からの特別休暇導入に関わる相談など。▼労働相談センター 06・6946・2600(平日午前9時~午後0時15分、午後1時~6時)。
〇配偶者からの暴力(DV)相談  大阪府女性相談センター 電話相談・面接相談=06・6949・6022、06・6946・7890(午前9時~午後8時。祝日以外)。夜間・祝日電話=06・6946・7890(24時間、365日対応)。府内各地の子ども家庭センター、配偶者暴力相談支援センターなどでも受け付けています。
〇児童虐待通告窓口  ▼児童相談所虐待対応ダイヤル 電話番号は189。全国共通のダイヤル。近くの児童相談所につながります。通話料無料。▼夜間休日虐待通告専用電話=大阪市・堺市以外072・295・8737(平日午後5時45分~翌朝午前9時と土日祝日)。大阪市0120・01・7285(24時間365日対応)。堺市072・241・0066(24時間・365日対応。夜間休日含む)。
○大阪商工団体連合会  特設ホームページを開設。実質無利子の融資、小規模業者への補助金、休業手当などの助成金、学校休校などへの助成金など、使える制度を紹介し、「新型コロナウイルスに限らず、経営、税金、暮らしのことなど、何でも気軽に相談を。一緒に商売を守りましょう」と呼び掛けています。中小企業への緊急相談を実施。0120・22・0000フリーダイヤル(平日9時~午後5時)。
○おおさか労働相談センター  突然のリストラや賃下げなど働く上でのさまざまな悩み相談を受け付けています。0120・378・060フリーダイヤル(平日午前10時~午後5時)。
○全大阪生活と健康を守る会連合会  06・6447・5105。

 

(大阪民主新報、2020年4月19日号より)

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