おおさかナウ

2026年02月28日

都構想・副首都・大開発へ邁進
大阪府予算案 暮らし応援乏しく

 大阪府は2月18日、2026年度当初予算案を発表しました。一般会計は過去最大となる3兆9216億円(前年当初比6502億円増)で、特別会計、企業会計を合わせた全会計の予算総額は7・2兆円に上ります。物価高騰が続く中、暮らし応援や福祉拡充、賃上げ支援などは不十分なまま、「副首都」構想推進、「都」構想住民投票に突き進む内容となっています。

 府税収入は2年連続で過去最高となり、前年当初比718億円増の1兆7001億円、府の貯金に当たる財政調整基金残高(25年度末)は、2410億円になる見込みです。
 吉村洋文知事は、当初予算案について「副首都実現加速予算」だと強調。「都」構想の設計図づくりに着手すべきだとしています。各部局の予算案は、「万博後の大阪の未来にむけて取り組む」(健康医療部)、「万博でつかんだチャンスを商機につなげる」(商工労働部)などと万博を看板に掲げ、大型公共事業や、カジノを核とする統合型リゾート(IR)開業などに重点を置く内容となっています。

さらなる成長と大開発推進

 副首都推進の本部負担金は5億2800万円で昨年比1・5億円増えています。「大規模事象に備える」のが副首都の必要性とし、市町村合併や行政広域化の推進、「大都市法に基づく特別区設置がふさわしい」と、「都」構想を狙った予算編成となっています。
 府費590億円を投じるなにわ筋線(総事業費3300億円)に91億円を盛り込み、モノレール延伸(総事業費1864億円・府負担570億円)は244億円を計上。〝大阪のさらなる成長〟とのうたい文句で、なにわ筋連絡線・新大阪連絡線、京阪中之島延伸の調査費が予算化されています。
 万博跡地の活用として、夢洲二期区域のまちづくり基本計画策定の新規事業予算を計上。さらに既存の鉄道を延伸する夢洲アクセス鉄道の事業化検討や、うめきた・新大阪周辺・大阪東部地区など拠点整備の名で大型公共事業が目白押しです。
 カジノIRの関連予算では、府民の〝興味と関心を喚起する〟とし、広報活動を予算化する他、健康医療部の事業予算として、ギャンブル依存症対策のための「大阪依存症対策センター(仮称)」の設置準備(約5億円)など計6・6億円を盛り込む一方、センター設置を除いた依存症対策費は、前年比2800万円減となっています。

全国一高い国保料をさらに

 福祉医療助成制度は、少子化で乳幼児医療助成分にかかる府の持ち出し分の減少などで、前年当初比5・4億円減の159億円となっています。
 介護現場の深刻な人手不足解決の名で、「人間洗濯機」はじめ介護現場での新テクノロジー導入(全額国費)など、産業優先の施策にとどまっています。
 潜在ケアマネへの再研修受講案内を新規事業で行うものの、予算は約1千万円。多忙化する業務量削減など実効ある対策は不十分なままです。
 医療現場への支援は国費による「医療・介護等支援パッケージ」(176億円)にとどまっており、府独自の上乗せ支援はゼロ。物価高騰や人手不足で苦しむ現場の声に応える内容とはなっていません。
 全国一高い国民健康保険料は、2026年度さらに値上げされます。医療分野でも万博後の取り組みが強調され、市町村が行う健康増進施策に万博出展企業をマッチングさせる新規事業(1・7億円)などが計上されています。

賃上げ直接支援を計上せず

 商工労働部の当初予算約1兆237億円のうち、95%に当たる約9900億円が制度融資のため、金融機関に預ける預託金です。賃上げに取り組む事業所への直接支援策は今回も計上せず、3年前に実現した奨学金返済支援事業は打ち切りとなります。
 「チャンスを商機に」「稼ぐ力の向上支援」にと、〝空飛ぶクルマ〟のビジネス化に向けた調査費などに約5・9億円を計上。さらに「成長産業を創る」として、府民の健康情報を企業などが活用して商用化を目指す新規事業も盛り込まれました。

35人学級拡大も上乗せなし

 35人学級編成は国が新年度に中学1年生に拡大しますが、府独自予算での拡充はありません。
 府民要求と日本共産党の論戦で、新子育て支援交付金は前年比7億円増の40億円に拡充されます。
 不登校対策では、不登校支援センターは通所にオンラインを加え、「学びの多様化学校」開設費を計上。スクールカウンセラーの配置回数を小学校で年12回から35回に、高校では複数校配置から拠点型に変更するため、前年当初比5億円増の約10億円を計上します。
 小学校の学校給食無償化は全額国費で賄われ、府の負担はありません。
 府議会では、府立懐風館高校(羽曳野市)と府立門真西高校(門真市)を廃校にする条例改正案が審議されます。

(大阪民主新報、2026年3月1日号より)

 

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