おおさかナウ

2026年01月17日

大阪を壊す夢洲カジノ
裁判勝利で止められる
カジノに反対する大阪連絡会 中山直和事務局次長に聞く

 昨年10月に閉幕した大阪・関西万博の会場跡地の北側で、大型リゾート(IR)の本格工事が続いています。大阪カジノを巡る情勢や、反対運動の展望について、カジノに反対する大阪連絡会の中山直和事務局次長に聞きました。

大阪カジノは何を狙うのか

中山直和さん

中山直和さん

 ――連絡会は、夢洲での万博は、カジノのインフラ整備を税金で進めるための「隠れみの」だと批判されてきました。その万博が終わった中で、大阪カジノ計画の現状をどう見ますか。
中山 「隠れみの」がなくなり、カジノそのものが見える今、大阪を「ギャンブルの街」にして本当にいいのか、大阪を壊すカジノを許していいのかということが、まさに問われています。
 この間、海外の違法なオンラインカジノの被害が社会問題となっています。警察庁は昨年3月、オンラインカジノ経験者が国内で337万人に上り、年間の賭け金総額(推計)は1兆2400億円という、衝撃的な調査結果を初めて公表しました。
 オンラインカジノで中高生が次々と摘発されています。依存症対策にも取り組んでいる「大阪こころの健康総合センター」の調査(23年)では、20歳代までに習慣的(月1回以上)なギャンブルを始めた割合は36・4%に上ります。狙われているのは若者です。大阪カジノが開業すれば、次に狙われるのは日本でのオンラインカジノの合法化であり、青少年への悪影響は計り知れません。

標的は日本人2%が依存症

 ――大阪連絡会は、ギャンブル依存症の危険を一貫して主張してきました。
中山 はい。大阪カジノの事業主体であるMGM大阪株式会社の中核株主は、米カジノ大手・MGMの子会社である日本MGMリゾーツと、オリックスです。MGMのエドワード・バウワーズ代表は、大阪市議会(22年)での日本共産党の山中智子議員の質問に、「責任あるゲーミング(ギャンブル)を行うお客様が全体の約98%で、ギャンブル依存症を抱えているかも知れない約2%に実際に問題が起きないようサポートする」と答弁しました。
 大阪のカジノ計画が見込む年間入場者は1610万人で、うち日本人は延べ1070万人。毎年数万人がギャンブル依存症になる計算です。
 オリックスは自社の決算説明会(21年)で、「もともとインバウンド(訪日外国人観光客)等を勘案した上で、数年前からやっていたが、今は客は全員日本人、日本人だけでどれだけ回るか、その前提でプランニングを作っている」と公言しているほどです。
 客をギャンブル依存症に引き込む〝わな〟もあります。カジノ事業者は、客が1千万円の預託金を出せば、賭け金を貸すことができ、しかもその上限は不明。入場回数の規制は7日間で3回までですが、1回で最大24時間滞在できるので、7日間で実質6日間の〝入り浸り〟も可能です。
 大阪カジノのもうけ(約4200億円)は、ギャンブル依存症を多く生み出すことで生まれます。「私はカジノに行かないから関係ない」という人でも、家族や職場の人が被害に巻き込まれる恐れがあります。韓国では、ギャンブルの被害額(勤労意欲の低下による経済損失や犯罪対策費など)は収益の4・7倍との政府機関の報告も出ています。

カジノ開業で「闇の勢力」も

 一方で、見過ごせない動きがあります。
 MGM大阪の株主でもある大成建設が、昨年4月からの本格工事に参加していません。昨年秋には、「東方のラスベガス」ともいわれるマカオで、カジノを運営するMGMチャイナの女性会長が、大阪カジノの運営に関与するとの報道もありました。
 マカオのカジノなどの実態を研究している、立命館大学客員協力研究員の劉振業(リュウ・シンギョウ)氏の論文『誘惑と厄払いの身体―マカオのカジノ内外における「性的」女性をめぐって―』を読みました。
 劉氏はこの中で、マカオでは「カジノの発展とともに、ギャンブルに付き物と言われている性産業も盛況を見せている」とし、売春婦が数千人いると報告しています。
 カジノができれば、闇の勢力が暗躍し、売買春がはびこるのは必至。「大阪を壊すカジノは反対」の世論を広げましょう。

国も認める認定取り消しへ

「大阪にも日本のどこにもカジノはいらない」とカジノ問題を考えるネットワークはカジノ反対の署名・宣伝行動を粘り強く続けています=2025年12月17日

「大阪にも日本のどこにもカジノはいらない」とカジノ問題を考えるネットワークはカジノ反対の署名・宣伝行動を粘り強く続けています=2025年12月17日

 ――万博開幕直後の昨年4月に本格工事が始まり、開業予定の30年秋まで5年を切りました。「カジノを止めるのは、もう無理では?」という声も聞きます。
中山 止める展望はあります。今、大阪地裁でたたかわれているのが、カジノストップの住民訴訟。カジノ事業者への土地?の引き渡し・登記の差し止めを求める訴訟や、カジノ用地の違法な格安賃料で大阪市(市民)が被る損害1044億円の賠償を松井一郎元大阪市長らに求める訴訟など、6つの裁判があります。
 この裁判に勝利すれば、大阪カジノ計画は中止できます。国がカジノ計画を認定する上で、必ず適合しなければならない基準の一つに、土地の使用権原がありますが、住民訴訟で勝利し、差し止めが認められた場合、「認定はできない」と国交省の参事官は、はっきりと認めています。
 裁判勝利へ、傍聴などの支援の輪をぜひ大きく広げて下さい。次回の口頭弁論は、2月9日(月)午前11時から、大阪地裁202号法廷で開かれます。終了後には中央公会堂3階の小集会室で報告集会もあり、多数の参加をお待ちしています。

(大阪民主新報、2026年1月18日号より)

 

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