雨漏りに天井・窓崩落…老朽化著しく
八尾支援学校 石川府議ら視察
過密化深刻 倉庫が教室に
日本共産党の石川たえ府議と八尾市議団、東大阪市議団は12日、超過密や老朽化など劣悪な学習環境が問題になっている府立八尾支援学校(八尾市)を視察しました。府教育委員会担当課も同行しました。
同校の在籍児童生徒数は現在、小中学部・高等部合わせて422人(5月1日時点)。半数は東大阪市から通っており、ほとんどのクラスが児童生徒数(小中学部6人、高等部8人)の基準を超えています。
一行は、事前に保護者から聞き取りをしていた過密化や老朽化の実態を丁寧に視察しました。
超過密の中で、教室は間仕切りして使用していることが常態化。倉庫も教室に使われ、学校設置基準で設けなければならない図書室も別の用途に使われ、部屋の隅に図書コーナーがあるだけ。物を置くスペースも確保できず、大型ディスプレーなども廊下に置かれていました。
下校時は、通学バスに加え、児童生徒が放課後利用する放課後デイサービスの車両が80台も並び、校長はじめ管理職や教職員が総出で安全確保の交通誘導をしています。
今年で開校58年目となるため、施設の老朽化も深刻です。教室や職員室の天井からの雨漏りや、窓枠・天井の落下があり、扉が片手では開けられない箇所は多く、点字ブロックはボロボロで、プレハブ校舎にはトイレがないなど、劣悪な実態を、一行は目の当たりにしました。
改善要望も予算つけない大阪府
学校側は施設改善を要望していますが、大阪府が予算をつけないため、改善されず、応急的な処置に終始しています。
老朽化した施設の抜本改善とともに、過密問題の解決が急務になる中、「東大阪の障がい児教育をよくする会」が、知的障がい支援学校の新設を求める請願署名を、去年に引き続き今年も大阪府に提出。東大阪市議会では、全会一致で大阪府に支援学校新設を求める意見書が可決されています。
今こそ府政の転換を
石川たえ議員の話
数年前にも八尾支援学校を視察しましたが、老朽化も過密化も、その時よりさらに深刻になっていました。
大阪府は、知的障害のある児童生徒が今後増えると試算しながら、老朽化対策も、部分的な改修などの応急処置しかしてきませんでした。
子どもたちの教育環境をどんどん劣悪にする一方で、カジノへの集客のための鉄道整備などに巨額の税金を使う府政のあり方を、今こそ転換しなければなりません。
(大阪民主新報、2025年11月30日号より)

