おおさかナウ

2025年11月01日

みきしーの忙中遊あり
ガラスの天井

 軍拡、「外国人対策」を掲げる高市早苗新首相の参議院本会議での所信表明演説をきいて、日本でもいよいよ右翼排外主義とのたたかいが始まると思いました。
 本会議の後、野党の女性議員が私に、「『ガラスの天井』を破っただけでも高市さんは大したものよ」というので、「そんな『天井』は破るより、無くすことが重要でしょ」と答えました。
 「ガラスの天井」は、有能な女性でも男中心社会の「見えない障壁」に阻まれて組織のトップにはつけない状況を表現した言葉で、女性差別構造のあらわれです。その構造をなくさない限り、いったんそれを破った女性もまた「第二のガラス天井」に突き当たることになります。
 米国で「ガラスの天井」を打ち破り女性の最高裁判事になったルース・B・ギンズバーグさんは、女性差別の構造を法的にただそうと生涯、尽力されました。
 ギンズバーグさんは「最高裁判事(定員9名)には何人女性判事がいればいいですか?」と聞かれ、「9人全員です」と答えました。衝撃的な返答をすることでガラスのように見えにくい女性差別に目を向けさせようとしたのです。
 「ガラスの天井」を破ったというなら、ギンズバーグさんのように次は「天井」そのものを無くすことに踏み出してほしいけれど、男社会・家父長制の権化のような自民党重鎮や同質の維新に担がれ、自らも女性の人権前進を妨害してきた高市さんには無理です。ジェンダー平等実現のためにも新しい政治への転換が必要です。(だいもん・みきし 参院議員 次回は12月7日号に掲載)

(大阪民主新報、2025年11月2日号より)

 

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