おおさかナウ

2025年09月27日

「万博良かった」では済まない
開催へ市民置き去り 事業全体の検証必要
大阪市議会万博推進特別委 山中議員が主張

意見表明する山中議員=19日、大阪市議会万博推進特別委員会

意見表明する山中議員=19日、大阪市議会万博推進特別委員会

 2025年大阪・関西万博の閉幕が10月13日に迫る中、大阪市議会万博推進特別委員会が19日開かれました。日本共産党の山中智子議員は、万博開催の一方で置き去りにされている人々はたくさんいると指摘。「〝良かった、良かった〟で終わらせず、大阪市としての検証が絶対必要だ」と主張しました。
 山中氏は、今回の万博は、熱中症や災害対策、メタンガスの発生など、さまざまな問題点が指摘される中、無理やり開催されてきたと強調。「現場の関係者の努力で、ここまで来た。残る期間、無事に閉幕を迎えることに注力すべきだ」と前置きしました。
 8月13日には大阪メトロ中央線の運休で、万博会場の夢洲に大勢の来場者が足止めに。運行障害の原因について大阪メトロは当初、中央線の便数増など負担の大きさに起因することは否定できないとしていました。
 山中氏は、大阪メトロが最近、「万博輸送による運行本数の増加によって、急激な環境の変化があったものではない」と、根拠も示さずに説明していると指摘。「(閉幕前の来場者増に対応するため)もっと増便を考えているのなら、非常に恐い。安全・安心を第一にすべきだ」と述べました。
 海外パビリオンの工事費未払い問題を巡り、府市や万博協会に責任ある対応を求める立場から発言。「未払いの被害にあっている方には、この瞬間にも自死を考える日もあるという。夢洲での無理な工事・工期の犠牲者だ」と訴えました。
 大阪市民は、異常な物価高に加え、日本一高い介護保険料の負担などで、毎日やりくりに必死だと強調。「暮らしの深刻さは増えているのに、基礎自治体である大阪市の支援や施策は進んでいない」と批判しました。
 山中氏は「万博を心から楽しんでいる人はいる。でも、多くの人たちが置き去りにされているイベントを、財源や人材、エネルギーをつぎ込んでやるべきだったのか」と問い掛けました。希少な野鳥が渡って来る夢洲の自然をなくし、廃棄物の最終処分場としての貴重な役割・価値を損なったことについて、大阪市として市民の立場で検証すべきだと力説。「ましてや、このままカジノ誘致まっしぐらの夢洲開発を進めてはならない」と主張しました。

(大阪民主新報、2025年9月28日号より)

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