おおさかナウ

2020年03月08日

モリ・カケ・サクラ…
政治の「底割れ」と社会の「劣化」
新しい政治の展望を語ろう
森友考える会の集会に700人

 森友学園や加計学園を巡る疑惑や、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の私物化問題を通して、政治の「底割れ」や社会の「劣化」を考え、新しい政治を開く展望を語り合おうと、森友学園問題を考える会が2月22日、豊中市内で集会を開き、市民ら700人が参加しました。

森友問題を考える会が開いた集会には700人が参加しました=2月22日、豊中市内

森友問題を考える会が開いた集会には700人が参加しました=2月22日、豊中市内

作家・髙村薫氏、ジャーナリスト・青木理氏
「おかしい」と発信し続ける

対談する髙村薫、青木理の両氏=2月22日、豊中市内

対談する髙村薫、青木理の両氏=2月22日、豊中市内

 第1部では、「新聞うずみ火」編集部の矢野宏氏の進行で、作家の髙村薫氏と、ジャーナリストの青木理氏が対談しました。髙村氏は小泉政権時代以降、今の政治について「おかしい」という言葉を発信しても受け入れてもらえない現状が社会の中にあると指摘。青木氏は、安倍政権の7年間で排外主義や不寛容、礼讃主義が加速していると語りました。
 森友学園問題について矢野氏は、補助金詐欺で前理事長の籠池泰典被告に実刑判決が下ったが、「本丸はそこではなく、幕引きは許されない」と語りました。髙村氏は、補助金詐欺と国有地売却は別の問題だと強調。青木氏は、公文書改ざんなど、安倍政権の下で「官僚機構が根腐れを起こしている」と述べました。
 髙村氏はメディア時評を、自分の頭で考え、自分の言葉で書くことは「同時代を生きる私の務め。発言の場を粗末にしたくない」と表明。青木氏は、良心的なジャーナリストへの攻撃もあるが、「発言できない社会ではない。たたかれても、『これはおかしい』と、それぞれの場で発信を」と語りました。

野党代表が討論

清水氏「追及へ市民と野党の共闘こそ」
辰巳氏「野党が新政権ビジョン示そう」
辻元氏「安倍政権は将棋なら〝詰み〟に」
川内氏「次選挙で力合わせ政治変える」

森友・加計・「桜を見る会」の疑惑追及や、市民と野党の共闘について討論する(右から)清水、辻元、辰巳、川内の各氏=2月22日、豊中市内

森友・加計・「桜を見る会」の疑惑追及や、市民と野党の共闘について討論する(右から)清水、辻元、辰巳、川内の各氏=2月22日、豊中市内

 第2部では、木村真豊中市議(無所属)の司会で、日本共産党の清水忠史衆院議員、辰巳孝太郎前参院議員、立憲民主党の辻元清美、川内博史両衆院議員がパネル討論しました。
 清水氏は、「桜を見る会」に安倍首相夫人の昭恵氏の友人や反社会的勢力を招待するなど、「安倍政権はモラル崩壊を起こしている」と批判しました。
 維新の質問への答弁で安倍首相が、「共産党は暴力革命の方針を捨てていない」とデマ攻撃したことに、野党が一致団結して謝罪・撤回を求めたことも紹介。「森友・加計・桜を徹底追及するためにも、市民と野党の共同をさらに広げましょう」と呼び掛けました。
 辰巳氏は、森友学園との国有地売却を巡る決裁文書の改ざんの経過をあらためて振り返り、文書改ざんは官邸が主導した疑いが強いと強調。「桜を見る会」の疑惑では、総理主催の行事に反社会的勢力などを税金で招待したことだけでも安倍首相は辞めなければならないと力説し、「審判を下すのは国民。野党が安倍政権に代わる政権のビジョンを示すことができれば、今の政治は一気に変えることができる」と述べました。
 辻元氏は、「桜を見る会」の前夜祭で13年、14年、16年の過去3回の会場となったANAインターコンチネンタルホテルに問い合わせたことを紹介しました。ホテル側の回答は「主催者に見積書や明細書を発行している」「会費は主催者からまとめて払ってもらう」など、安倍首相の答弁と正反対だと強調。「将棋でいえば詰んでいるのに、『負けていない』と言っているようなもの」と述べ、疑惑追及へ全力を挙げると語りました。
 「次の選挙で日本の政治を皆さんと共に必ず変えたい」と切り出した川内氏は、森友学園との国有地売却を巡る6千㌻に及ぶ決裁文書を情報公開請求で開示させたが、黒塗りだったと告発。「森友・加計・桜の問題は、今の日本の政治や行政のあり方すべてを象徴するもの。権力者を倒し、私たちのための政治・行政に変えるために、力を合わせましょう」と語りました。
 木村氏は、「桜を見る会」疑惑で安倍首相が「広く募ったが募集していない」と答弁したことに関連して、森友問題でも安倍首相は「金額は言ったが価格は言っていない」と述べたことを紹介し、「安倍政権の体質そのものの問題だ」と指摘。「しかるべき人物に責任を取らせるまで、森友問題は終わらないし、終わらせてはならない」と語りました。
 集会には、立憲民主党の森山浩行衆院議員がメッセージを寄せました。

(大阪民主新報、2020年3月8日号より)

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