おおさかナウ

2020年02月22日

あなたはどの政党を選ぶ?
各党講師が政策語る
中学生が模擬投票

 守口市の常翔学園中学校(北尾元一校長)で15日、「15歳からの主権者教育~模擬選挙から考えよう日本の未来~」と銘打った特別授業が行われました。各党国会議員・地方議員らが自党の政策を熱く紹介。日本共産党からは辰巳孝太郎前参院議員が出席しました。

主権者教育で常翔学園中学

模擬選挙で、中学3年の生徒たちに党の政策を訴える辰巳孝太郎氏=15日、守口市内

模擬選挙で、中学3年の生徒たちに党の政策を訴える辰巳孝太郎氏=15日、守口市内

 同企画は、3年後に選挙権を取得する生徒たちが、主権者として成長するようにと取り組まれました。同中学3年生全クラスの106人が参加しました。
 同企画には、政党要件を満たしている政党に声が掛かり、共産党の他、立憲民主党、国民民主党、社民党、れいわ新選組、自民党、公明党、維新の会、NHKから国民を守る党の9党が参加しました。
 生徒たちには事前に党の政策リーフレットなどが提示され、当日、各党が15分ずつ自党の政策を解説しました。
 共産党の辰巳氏は、「個人の尊厳が守られるジェンダー平等社会、お金の心配なく学べる社会、地球環境を守ることを、皆さんと一緒に進めていきたい」と述べ、それぞれの政策を訴えました(別項)。
 立憲民主党の西尾勝成寝屋川市議は、「立憲主義とまっとうな政治」、国民民主の白岩正三豊中市議は、「生活者、納税者のための政治」、社民党の川口洋一高槻市議は、「自由、平等、共生、平和」の社会、れいわ新選組の山本太郎代表(前参院議員)は、「憲法を守る政治を」と述べました。
 自民党の松川るい参院議員は、国の防衛、天皇制、伝統文化、家族の絆、地域コミュニティー、国を愛することを重んじているとし、憲法改正を主張しました。公明党のいさ進一参院議員は、「福祉と教育の党」「小さな声を聴く」と述べました。維新の音喜多駿参院議員は、「自立する個人、自立する地域、自立する国家、自由」と「選択できる社会を」と訴えました。NHKから国民を守る党は浜田聡参院議員は、「NHKをぶっこわせ」と語りました。
 各政党の解説の後、生徒たちが2つの政党を選んで直接質問する時間が設けられました。辰巳氏は、「サービス残業週15時間で収入は減らないか」「学費無償には大学院も含むのか」や、男女の賃金格差、女性も働きやすい社会、CO2削減問題、税の応能負担問題など、さまざまな質問を受け、答えていました。 
 模擬投票の結果、各党の得票は106人中、維新35、公明23、共産13、れいわ11、自民9、国民民主・N国5、立憲4、社民0でした。

男女間の社会的性差をなくす
お金の心配なく学べる社会に
先頭立って持続可能な世界へ

辰巳前参院議員 日本共産党の目指す社会紹介

生徒たちの質問に直接答える辰巳氏=15日、守口市内

生徒たちの質問に直接答える辰巳氏=15日、守口市内

 辰巳氏は、冒頭、国会ではブラック企業やブラックバイト問題、コンビニで従業員が低賃金で働かされたり、オーナーが長時間労働で苦しんでいる問題などを取り上げてきたことを紹介。「今日は共産党がどういう社会を目指し、どういう政策を持っているのかを、3つに絞って示したい」と話し、①ジェンダー平等、②お金の心配なく学べる社会、③持続可能な世界をつくるの3点にわたってアピールしました。
 「ジェンダー」とは社会が押し付ける「男らしさ、女らしさ」などの行動規範や役割分担のことだと述べた辰巳氏は、具体例として、性差別的なからかい、性暴力の被害の責任が女性にあると言われる、女性の政治家が少ない、医科大学の入学試験で女性の成績が減点されたことなどを挙げました。
 男女の格差を数値化したジェンダーギャップ指数が、153カ国中日本は121位で男女平等が実現されていないと指摘。その1つが女性議員の少なさだとし、女性議員比率が4割5割の国があるのに対し、日本は1割だとした上で、日本共産党は、国会議員も地方議員も女性比率が第1党だと述べました。
 またパワハラ、セクハラを法律で禁止する必要性を述べ、法律に禁止事項を設けるという党の政策を紹介。男女間の賃金格差もヨーロッパ各国と比べて大きいとし、「同一価値労働・同一賃金」の原則を関係法令に明記すること、企業に男女の賃金格差の公表を義務付けること、長時間労働の規制の必要性を述べました。

 「お金の心配なく学べる社会」では、同じ資本主義国でも大学の授業料がほぼ無償の国があるのに対し、日本の学費の高さを指摘。奨学金を返せず若者が自己破産するケースが年間約2千件にも上っていることを紹介し、「憲法第26条で学ぶ権利を定めている。お金の心配なく学べるようにするのは政治の責任」だと強調しました。
 その上で大学、短大、専門学校も含めて授業料をすぐに半額にし、段階的にゼロにすること、返さなくてもいい奨学金制度にすることを提案。半額、完全無償化に必要な費用は1兆3千億円、2・6兆円だとし、バブル時代より儲けている大企業の優遇税制を正すことで4兆円生まれることを示し、「消費税に頼らなくても財源はある」と述べました。
 「持続可能な社会をつくる」では、産業革命時から比べて地球の温度が1度上がり、このままでは今世紀末に地球の温度が4・8度上がると言われていることを紹介。ヨーロッパでは、1990年を基準に2030年までに温室効果ガスを40%削減し、50年までに80~95%削減を目標にしている国もある一方で、日本の目標は90年比でわずか18%削減だと批判しました。
 「あまりに恥ずかしい。日本が先頭に立って躍進的な目標にしていくべき」だと述べ、50年までにCO2排出量を実質ゼロにすること、CO2を多く出す石炭火力発電所の新規増設や輸出をやめることを提案。代わる電力として、再生可能エネルギーの普及を示し、原発事故以来数年前まで、原発が1機も動いていない中で電力が足りたと述べました。

(大阪民主新報、2020年2月23日号より)

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