おおさかナウ

2019年10月27日

カジノあかん! 夢洲危ない!
運動大きく広げ止めよう
集会に800人超、デモで訴え

 「カジノあかん!夢洲あぶない!ここで万博大丈夫?10・22市民集会」が22日、大阪市中央区のエル・シアターで開かれました。維新の府・大阪市政が安倍政権の後押しを受けながら、2025年の万博と一体に、大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま)にカジノを核とする統合型リゾート(IR)の誘致へ暴走する中、カジノの害悪や夢洲の安全性などをあらためて考え、カジノ誘致に反対する運動を大きく広げようと開かれたもの。会場は800人を超える参加者で超満員に。集会後、「カジノをやめて福祉に回せ」「気いつけや、カジノが狙うその財布」などと唱和しながら、デモ行進しました。

「10・22市民集会」の参加者は「カジノはあかん!」「カジノをやめて福祉に回せ」と唱和しながらデモ行進しました=22日、大阪市中央区内

「10・22市民集会」の参加者は「カジノはあかん!」「カジノをやめて福祉に回せ」と唱和しながらデモ行進しました=22日、大阪市中央区内

安倍政権・維新の暴走にノー

カジノありきの夢洲開発に疑問

「カジノあかん」「夢洲あぶない」のポテッカーを掲げてアピール=22日、大阪市中央区内

「カジノあかん」「夢洲あぶない」のポテッカーを掲げてアピール=22日、大阪市中央区内

 集会開催を呼び掛けた各界の16人を代表して、公共政策ラボ代表で元大阪市長の平松邦夫さんが開会あいさつ。大阪の政治で「数さえあれば何でもできる」という風潮が広がる中、大阪万博の開催が決まったが、カジノありきの夢洲開発に大きな疑問だとし、「諦めずに立ち上がり、市民の『気付き』を束ねたいという思いに駆られた人たちが集会を企画しました」と語りました。
 カジノ問題を考える大阪ネットワーク代表で阪南大学の桜田照雄教授が、ビデオメッセージでカジノ問題をめぐる情勢を報告しました。横浜市長がカジノ誘致を打ち出し、ラスベガスサンズなどカジノ資本が進出先を大阪から横浜へ切り替え、東京でもカジノ誘致の動きが出ているとし、「東京・横浜に世界最大規模のカジノゾーンができることは大問題だ」と述べました。

日本のどこにもカジノはいらぬ

 日経新聞主催のフォーラム(8月)で、自民党の萩生田幹事長代理(当時)が、カジノ事業者との「実施協定」で、契約期間を「10年」から「30年」に伸ばす考えを示したとし、「一度誘致を決めれば、30年間拘束される。仮にカジノ反対の首長が廃止を訴えた場合は、賠償金を支払うルールも盛り込もうとしている」と述べました。
 桜田氏は、府市は今秋に実施方針を策定して事業者の公募を開始することを狙うなど、動きを速めているとし、「いよいよ正念場。カジノ推進派の最大の弱点は、問題だらけの夢洲でつくろうとしていること。危険性を府民、市民に広げ、夢洲にも大阪にも、日本のどこにもカジノはいらないと訴えよう」と呼び掛けました。

津波で大被害が 液状化の危険も

 神戸大学名誉教授の田結庄良昭さんが、南海トラフ地震で想定される夢洲の被害について講演しました。府は「安全」と宣伝しているが、津波は自動車並みの高速の流れで押し寄せ、地震動の液状化で沈下した護岸を越えて、大きな浸水被害が出ると警告。液状化によるインフラの破壊、大阪港のコンビナートのタンクの損傷・火災などを挙げ、「こんな危険なところで、解決方法もないのに(カジノや万博を)やるのはいかがなものか」と力説しました。

依存症まだつくるのか
夢洲は渡り鳥の楽園だ
標的は周辺住民の財布

リレートークで告発

 リレートークでは各分野から10人が発言しました。その中で、ギャンブル被害の当事者の男性は、「ギャンブラー1人に、子どもや親など何人もの被害者がいる。(カジノで)被害者をまだつくるのか」と訴え。ギャンブル依存症対策を学ぶ医学生も、「本人だけでなく、家族、社会の問題。だからこそ社会全体が自分のこととしてとらえる必要がある」と語りました。
 弁護士の石田法子さんは、大阪弁護士会が一貫してカジノ構想に反対しているとし、「カジノは賭博場であり、暴力団も関与。ギャンブル依存症や多重債務者も増える。そういう環境が子どもの成育に悪影響を与えるからだ」と強調。大阪自然環境保全協会からは「夢洲は渡り鳥の楽園で、府の生物多様性ホットスポットAランクに選定されている。環境保全で世界に認められる大阪の街を目指すべき」と訴えました。
 日本共産党の小川陽太前大阪市議は、夢洲で想定されるカジノ客1500万人のうち、外国人は2割だけで、「標的は日本人、大阪周辺の一般市民だ」と指摘。カジノ誘致のためのインフラ整備は、地下鉄中央線延伸だけで540億円に上るとし、「復調の兆しが見える大阪市財政を、暮らしや防災、地域経済に充てるべき。カジノを阻止してまっとうな大阪を」と話しました。

野党議員が参加
全国から連帯も

 全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会の新里宏二弁護士が連帯あいさつ。和歌山市、長崎市、横浜市、苫小牧市と、台湾でカジノ反対運動に取り組む市民団体から、メッセージが寄せられました。野党の国会議員や地方議員らも参加し、紹介されました。各党の参加者は次の通りです。
 日本共産党=清水忠史衆院議員、辰巳孝太郎前参院議員、渡部結・府国政対策委員長、石川多枝、内海公仁両府議、井上浩、長岡ゆりこ両大阪市議、石本京子、石谷泰子両堺市議。立憲民主党=尾辻かな子府連副代表(衆院議員)、長尾秀樹府連幹事長(同)、村上賀厚大阪府第1区総支部長、川戸康嗣同第18区総支部長、野々上愛府議。社民党=服部良一府連代表(元衆院議員)。新社会党=山下慶喜府本部委員長。また立憲民主党府連の辻元清美代表(衆院議員)、森山浩行代表代行(同)からメッセージが寄せられました。

(大阪民主新報、2019年10月27日号より)

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