おおさかナウ

2019年09月08日

森友問題 幕引きなんかさせない
豊中市で「考える会」が集会
疑惑究明、政治責任問い続ける

語り合う(右から)大川一夫弁護士、宮本岳志前衆院議員、山本一徳元豊中市議=8月31日、豊中市内

語り合う(右から)大川一夫弁護士、宮本岳志前衆院議員、山本一徳元豊中市議=8月31日、豊中市内

 学校法人「森友学園」への国有地の格安払い下げや、財務省の決裁文書の改ざんなどが行われていた問題で、大阪地検特捜部が8月9日、佐川宣寿・元財務相理財局長らを再び不起訴処分(嫌疑不十分)とし、捜査を終結しました。これに対し、「幕引きなんかさせてたまるか!」と、森友学園問題を考える会が同月31日、豊中市内で開いた集会には480人が参加。疑惑を徹底究明し、安倍政権はじめ政治の責任を問い続けていこうとの熱気にあふれました。

「忘れていない」と言い続ける

改竄の中心人物が栄転している

語り合う(右から)松尾貴史さん、高橋純子さん、木村真豊中市議=8月31日、豊中市内

語り合う(右から)松尾貴史さん、高橋純子さん、木村真豊中市議=8月31日、豊中市内

 考える会の木村真・豊中市議(無所属)は、大阪地検特捜部が佐川氏らを不起訴とした後、公文書改ざんの中心人物である中村稔・元財務相官房参与が駐英公使に栄転するなどの人事が行われていると批判。「安倍政権は森友問題の幕引きに躍起になり、『済んだ話』にしようとしているが、そうは問屋がおろさない」と語りました。
 第1部「新聞記者から見たアベ政治と『森友問題』」では、木村氏の司会で朝日新聞論説・編集委員の高橋純子さんが報告。タレントでコラムニストの松尾貴史さんも特別ゲストとして登壇し、発言しました。
 高橋氏は、安倍政権の開き直りや屁理屈がまかり通るきっかけとなったのが森友問題だと指摘。「おかしい」と思っている人たちが、「いつまでやっているのか」と嘲笑されるような退廃的な空気が広がるのは恐ろしいことだと語りました。
 安倍政権が「国民はそのうち忘れる」と、国民を見くびっている中で、「しつこく、ねちねち言い続けることが大事。『忘れていない』と表明する人がいることが、この社会を支える基盤になっている」と話しました。

耳目を集める続ける工夫をする

 松尾氏は、森友問題に関与した官僚が再度の不起訴処分を受けて栄転したことに、「マニュアルができているようだ」と皮肉り、「日本は司法も警察も、最高権力者の意向に背かないようにしているとしか思えない」と述べました。
 「安倍政権と向き合う上で何が必要か」という木村氏の問いに、松尾氏は「大事なことは耳目を集める続ける工夫をすること。事実だけを提示するのではなく、目を引く形や間(ま)を大切に、緻密に演出することだ」と語りました。

森友問題を通じ野党の結束が

責任取らせるところまで頑張る

「幕引きなんて許さない」と、480人が参加した森友学園問題を考える会の集会=8月31日、豊中市内

「幕引きなんて許さない」と、480人が参加した森友学園問題を考える会の集会=8月31日、豊中市内

 第2部「改めて問う!『森友問題』」では、日本共産党の山本一徳元豊中市議の司会で、森友問題を国会で初めて追及した同党の宮本岳志前衆院議員と、弁護士の大川一夫さんが語り合いました。
 宮本氏は、国会での追及を振り返りつつ、「あったことを、なかったことにはできない。責任を取らせるところまで、皆さんと一緒に頑張る」と表明。近畿財務局は森友学園に1億3千万円で国有地を売却したが、同地を13億円とする不動産鑑定書が存在している中で、疑惑の究明は引き続き問題になると語りました。
 さらに宮本氏は、7月の参院選で辰巳孝太郎氏の議席を失ったことは悔しいが、森友問題をきっかけに野党合同ヒアリングが始まるなど、たたかいを通じて得たものは大きいと強調しました。自らが立候補した衆院大阪12区補選で、共に追及してきた野党議員が応援に駆け付けたと紹介。野党共闘が前進し、32ある参院選1人区のうち、10選挙区で野党統一候補が勝利したとし、「安倍政権を変え、野党連合政権を」と語りました。

政権に逆らった人はひどい目に

「瑞穂の國記念小學院」は建設途中のまま、いまも放置されています=8月31日、豊中市内

「瑞穂の國記念小學院」は建設途中のまま、いまも放置されています=8月31日、豊中市内

 大川氏は、森友問題の本質は籠池泰典前理事長の詐欺事件ではなく、国民の財産である国有地を、近畿財務局が森友側に不当に安く売り払ったことにあると力説。安倍政権に尽くした人物は優遇され、逆らった人はひどい目に遭わせるという「信賞必罰」は許せないと述べました。
 大川氏は、木村市議が原告となった「情報開示訴訟」の控訴審・第1回口頭弁論が10月10日に大阪高裁で開かれることを紹介し、多数の傍聴を呼び掛けました。
 行動提起した山本氏は、疑惑の徹底究明へ各党への要請を強めることや、豊中市内での定例宣伝への参加を呼び掛け。集会には日本共産党の清水忠史衆院議員も参加しました。

(大阪民主新報、2019年9月8日号より)

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