おおさかナウ

2019年02月17日

たつみコータローの国会レポート
統計すら偽装の安倍政権

tatumi 統計偽装が国会で大争点になっています。

 2004年以降、毎月勤労統計調査において、全数調査とされた事業員500人以上の事業所に対する調査が3分の1ほどしか行われず、平均賃金が低く算出されていました。ところが厚労省は18年1月分から事業所を3倍にして「復元」したことに加え、対象サンプルの部分入れ替えを行い、さらに日雇い労働者を調査対象から外すなどして、平均賃金が高く出る計算方法に変えてしまいました。

 なぜ突然計算方法を変えたのか。実は16年6月の「骨太の方針600兆円経済への道」に、成長戦略の加速の一つとしてなんと「統計改革」「統計改善」が列挙されているのです。つまり安倍政権はアベノミクスの成果を偽装するため、政治主導で統計を利用し賃金が高く出るようにして手法を変えてしまったのです。変更の経緯が記されているはずの厚労省内の検討会の議事録も4年近く経っても出されず隠蔽されたまま。野党が試算した共通事業所で比較した実質賃金はマイナス0・5%です。アベノミクスで暮らしは悪くなったのです。

 戦後すぐにできた旧統計法第1条にはその目的として「統計の真実性を確保」と明記されました。戦前まともな統計が行われず、現実の国力を見誤り、無謀な戦争を続けたことによる反省からです。米国作家マーク・トゥエインは「嘘には3種類ある。嘘、大嘘、統計だ」と言いました。前代未聞の改ざん、隠蔽、そして統計すら偽装する安倍政権は退陣しかありません。
(辰巳孝太郎 日本共産党参院議員 毎月第3週に掲載)

(大阪民主新報、2019年2月17日号より)

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