おおさかナウ

2019年01月20日

今こそ若者との対話を
「学生政治意識調査」に取り組んで

昨年12月、学生政治意識調査に取り組んだ日本共産党大阪府委員会青年学生委員会から、調査結果や特徴について、次の論考が寄せらました。

日本共産党大阪府委員会 青年学生委員会

 2018年12月、日本共産党党府委員会青年学生委員会は「学生政治意識調査」に取り組みました。調査結果や特徴を踏まえ、統一地方選、参院選と連続する選挙で勝利するために、若い世代をどうとらえ、どう働きかけるか。対話した実感も含めて考えていること、今度の選挙で挑戦すべきことなどについて、まとめてみたいと思います。

「選挙に行く」が8割超と圧倒的

 調査は、「日本共産党として、2019年の選挙にむけて、府内の学生の意識を調査する」ということで、大学門前などでアンケートをお願いし、53人の大学生から回答を得ました。

 最大の特徴は、「選挙には行く」が83・0%と圧倒的ということです。さらに「投票の際には、政策や実績、政党を重視している」ことが多く、「投票の際に重視する政策」も真剣に検討されていることがわかります。よく言われる「学生は無関心」という指摘は当たらないということが、改めて明らかになったと思います。

 ただ、政治や選挙と、自分たちの生活や要求がつながっていないことも感じられます。学生が、願いを託せる政党や政治家と出会えておらず、「願い」「要求」と「投票先」が一致するには至っていないと思います。

 その一つの現れが、前回衆院選挙で自民党へ投票した学生(41・5%)が多いことではないかと思います。これらは、この間の選挙でも共通した特徴であり、「若者が右傾化した、保守化した」という声が生まれる一つの根拠になっています。

自民への支持は積極的ではない

 ただ、この「保守化、右傾化」という点については、冷静な検討が必要だと考えます。この間、多くの識者が反対意見を述べているだけでなく、「積極的支持ではない」という回答が寄せられるなど、何よりも実際に対話した実感として、「保守化、右傾化」はあたらないと感じています。

 注目すべきは、「安倍政権の不支持」の低さ(13・2%)と、「どちらともいえない」(50・9%)の多さです。これは、「野党共闘への期待の低さ」(15・1%)、「共産党や野党が選択肢に入っていない」ことにも現れているように、自民党政治に変わる選択肢が学生に届いていないことの現れだと思います。

 なお、次回選挙の投票先では「未定」が多数(45・3%)で、前回、自民党に投票した人も多くが「未定」と回答。立憲民主党や共産党に投票した人も次回は「未定」と答えており、投票先は固定的ではないといえるでしょう。

対話することで広がる可能性が

 「日本共産党のことはどこで見かけるか」との問いに、「テレビ」という答えが多いのは、この間の変化を反映しているようです。「ネットSNS」で触れる機会が少ないことについては、学生自身が共産党の情報収集するまでに至っていないこと、一方で、党自身の努力が必要であるという両面の検討が必要ではないかと考えられます。

「共産党排除」の壁が崩れる中で

 調査初日、とりくんだ仲間から「『なんとなく自民党』『選挙にはいくが、どの政党にも何にもイメージがなくわからない』など、広大な無党派層があり、逆に言えば対話すれば広がる可能性を感じた」との感想が寄せられました。この思いは、とりくみがすすむにつれて、共通の実感になっていきました。

 「対話すれば共産党が選択肢に入ってくる」という実感の裏側には、学生の政治や社会への関心の高さがあると思います。同時に、共産党排除の壁が崩れるなかで、学生の中に反共偏見がほとんどないということも大きいと思います。「共産党です」とアンケートをお願いしても、快く答えてもらえることもその反映だと思いました。

 「友人知人から声をかけられて投票先を決めた」という学生が多かったことも特徴です。逆に、「友人が行かなかったから自分も行かなかった」という人も数人いました。若い世代の党員が働きかける重要性とあわせて、党のもつ若い人とのつながりを出しあい、意識的に声をかけることで、一定の前進はつくれると実感します。

 また、「勝利のために党へのアドバイスをお願い」との問いには、2人に1人が記載してくれました。偏見がないというだけでなく、若い世代の思いを聞き、ともにたたかう選挙にしていくという面からも大事な問いだと思います。ぜひ、今後も探求していきたいと思います。

 学費奨学金、消費税と景気、ブラックバイトや働き方など、学生の願いや要求は切実ですが、それがそのまま投票行動につながるわけではありません。

要求実現への道 共に考えながら

 昨年、街頭で対話になった女子学生は「学費や奨学金のことが気になる」と話していましたが、選挙には行ったことがないとのことでした。対話の中で、学費や奨学金が政治と関係していることが議論になり、「それなら選挙には行かなくてはいけませんね。どこに投票したらいいのですか」と、共産党が選択肢になったそうです。

 ぜひ、要求を聞きながら、それが政治や社会とつながっていること、日本共産党はその願いに応えることができる政党だということを伝えていきたいと思います。党中央が作成した「若者向け赤旗1月号外」(党中央ホームページからダウンロードできます)には、「若者の未来にもっと投資を」として「学費・奨学金プラン」「就職・お仕事プラン」が紹介されています。ぜひ対話で活用していきたいと思います。

アンケートの自由記述から(一部)

安倍政権への態度とその理由

【支持】  今に満足しているから/うまくいっているイメージがある/アベノミクス効果があると思う/安定感はあるが、アメリカの犬
【不支持】  一極集中だから/強硬策をとりすぎているから
主義に反する/
【どちらともいえない】賛成できる政策も反対できる政策もあるため/入管法に疑問をもっている/今の政治情勢がわからない/あんまり政治についてオベンキョーできていない

日本共産党のイメージ 

 あまりわからない/安倍政権に対抗する政党/ない(共産党だけではなく政党全般)/近づきがたいイメージ/昔のロシアみたい/一回調べてみようと思います/マニュフェストがまともだった/よく見かける/実行力はないが政策が理想的/ニュースに出ている程度/なかなか政権をとれない/平等重視
/教育に力を入れている/現政権を批判する代表的な政党の1つ/それなりに安定して続いている政党/常に与党の逆を言っているイメージ(ブレていないので反対するなら共産党)/団体戦(支持している人はすごい押してくる感じ)/ソ連の共産党のイメージが強くマイナスなイメージがある

日本共産党へのアドバイス

 より大きな広報/野党は反対しているだけに見え、権力闘争だけにみえるので、対案とビジョンを示す/共産党の魅力をもっと大学生に教えてもらいたい/SNS/連立政権を組む/政策についてより知名度が上がるように講演会等あると良いと思います/若者の興味/共産党のアイドルをつくる

 

(大阪民主新報、2019年1月20日号より)

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