おおさかナウ

2018年12月30日

共闘の発展と日本共産党の躍進で
日本と大阪の前途開く年に
柳利昭日本共産党府委員長に聞く

柳利昭委員長

柳利昭委員長

 日本共産党大阪府委員会の柳利昭委員長に、2018年を振り返るとともに、2019年に臨むことを聞きました。

――新年おめでとうございます。

 おめでとうございます。昨年は、志位和夫委員長が「絶対に負けられない二つのたたかい」とした安倍9条改憲阻止と沖縄の政治戦の勝利に力を尽くすとともに、維新が存亡を懸けて挑む「大阪都」構想の住民投票を許さない取り組みを進めました。そしてこのたたかいと一体に、2019年の連続選挙の勝利を準備する年として、強く大きな党づくりに挑戦してきました。

 今年は、まさに大阪決戦の年。統一地方選と参院選、大阪府知事・市長ダブル選の勝利と躍進を目指して総力を挙げます。皆さんの一層のご支援を心からお願い申し上げます。

2018年を振り返る

――安倍政権を追い詰めてきた一年でした。

共闘の力で安倍政権追い詰める

 安倍首相は、総裁選3選を受けて任期中の改憲強行の決意を示し、昨年の臨時国会に自民党改憲案を提起すると宣言して9条改憲への異常な暴走を進めてきました。野党が結束してこれを許さず、断念に追い込んだことは本当に大きな成果でした。

 大阪でも160万筆を超えた「3000万人署名」の力があり、国民世論と野党共闘の力が示されています。この力をさらに強めて、安倍9条改憲のたくらみを葬り去るまで頑張り抜きましょう。

沖縄知事選を自らのたたかいに

 安倍暴走政治とのたたかいの焦点となった沖縄県知事選挙でも、大阪の党と民主勢力が自らのたたかいとして最後まで支援を強めて、玉城デニー知事の圧倒的な勝利を勝ち取りました。安倍政権はこの民意を恐れ、力ずくで埋め立てを進めてあきらめさせようとしていますが、年末の世論調査でも国民の多数が土砂投入を批判し、内閣支持率が軒並み低下しています。

 沖縄の基地問題でも、モリカケ疑惑や改定入管法問題でも、国民に説明ができないために数の力で強行する安倍強権政治が厳しく批判され、あらゆる面で大破綻しています。

幅広い課題で共同宣伝や集会が

 このたたかいの中で野党の国会共闘が画期的に発展して、結束した力で安倍政権を追い詰めています。大阪でも市民と野党の共闘はさらに前進し、昨年は「安保法制廃止」「安倍改憲ノー」「カジノストップ」「原発ゼロ法案実現」など、さまざまな課題での共同集会や宣伝行動が重ねられました。

 市民と野党の共闘を、参院選1人区をはじめ「本気の共闘」に発展させていくことが重要です。

――維新政治とのたたかいも強められました。

維新政治とのたたかいも強めて

政府交渉で要望書を手渡す日本共産党の国会議員と地方議員・候補者=7月25日、東京・衆院第2議員会館

政府交渉で要望書を手渡す日本共産党の国会議員と地方議員・候補者=7月25日、東京・衆院第2議員会館

 維新は、自らの存在意義を懸けた「大阪都」構想の再住民投票の昨年秋実施を目指しましたが、見通しが開けない状況です。

 明るい会と大阪市をよくする会の共同闘争本部のたたかいが強められ、党大阪府委員会は「共同の力で『維新政治』の転換を」の呼び掛けを出しました。ここでは「都」構想とともに「維新8失策」として各分野の維新政治の行き詰まりを示し、「明日の大阪」を築く5つの政策方向を掲げて維新政治の転換を呼び掛けました。

 松井知事や吉村大阪市長は、この行き詰まりを打開しようと、2025年大阪万博開催決定をテコに「カジノ」も「大阪都」も押し付け、統一地方選と同日でダブル選挙実施の意向も表明しました。万博については府民の中の懸念の声に応えて検討・議論し提言も行いますが、「カジノ」と「大阪都」は明確に反対が多数です。万博を利用した維新のゴリ押しを許さず、「万博に期待する人もしない人も、カジノはノー、『大阪都』はストップ」「カジノより暮らし・福祉、防災、中小企業支援を」の声を広げて、維新を打ち破りましょう。

――昨年は大阪でも大きな災害が続きました。

相次ぐ災害を苦難軽減の精神で

 6月の大阪北部地震、7月の豪雨災害、8月の命にかかわる猛暑、9月の相次ぐ台風被害と、これまで経験したことのない大災害が連続しました。住宅被害をはじめ深い傷跡がいまも広く残され、経済的事情や工事業者の不足などで、修繕もできないまま年を越さざるを得なかった方も多くおられます。

 私たちは、「国民の苦難の軽減」を立党の精神にする党として、災害直後から国会議員も地方議員も現場に入り、党支部も草の根の力を発揮して被災者支援に取り組んできました。昨年末には「国政・大阪府・市政報告懇談会」でこの間の取り組みを報告し、被災者支援と防災対策に立場を超えて力を合わせようと呼び掛けて、多くの自治体首長からも共感が寄せられました。引き続き力を尽くしたいと思います。

2019年どう臨むか

――2019年は大きな選挙が連続します。

たつみ氏再選と比例7議席実現

 今年は、日本と大阪の政治をめぐる大きな節目の年になります。

 統一地方選挙、参議院選挙、ダブル選挙に勝利して、安倍政権と維新政治に終止符を打ち、日本と大阪の政治の前途を大きく切り開いていきます。

 参院選では、全国32の1人区での市民と野党共闘の勝利とともに、日本共産党の躍進を目指し、山下よしき副委員長をはじめ比例代表7議席実現、大阪選挙区ではたつみコータロー参議院議員の再選を必ず勝ち取ります。

 たつみ議員は、森友疑惑追及、ブラック企業規制、災害対策やコンビニ問題など、抜群の役割を果たして、共闘する野党や市民の皆さんからも再選への期待が寄せられています。定数4の大阪選挙区は、自民も維新も複数擁立を狙い、公明が議席死守、立憲民主党なども初挑戦する熾烈なたたかいになっています。市民と野党の共闘で「自公と補完勢力・維新」を半数以下に追い詰める構えで、他の野党とも競い合って必ず勝利します。

統一地方選で維新勢力を少数に

 統一地方選挙では、府議会の現有2議席の現状打破を、維新政治転換の最大の突破口とします。府民の願いに応えてきた宝の議席の値打ちを広げながら、「重点区」を定めて、府党組織を挙げて5議席以上に挑みます。

 大阪市議会と堺市議会の党議員団は、大阪の「反維新」のたたかいのよりどころとなってきました。この議席をさらに伸ばして、維新勢力を少数に追い詰めます。

 統一地方選後半戦の17市4町で全員当選を勝ち取り、住民生活の守り手としてかけがえのない役割を果たし、9市の市長選挙では住民の福祉を守る自治体本来の役割を果たす立場で臨みます。

「比例80万票」を統一選で目指す

 統一地方選挙でも日本共産党への支持を広げて「大阪比例80万票」を目指し、参院選躍進と一体で取り組むとともに、「統一地方選挙の勝利なくして参院選勝利なし」「前半戦の勝利なくして、後半戦の勝利なし」の立場で総力を挙げます。

 統一地方選と同日も予想されるダブル選勝利とともに、府議選と大阪市議選での躍進がますます重要になります。「日本共産党を伸ばして『大阪都』ゴリ押しの維新政治ストップ」の声を広げましょう。

対決軸示し党の値打ちを広げる

 2017年総選挙で比例第5党の到達を2倍以上に伸ばして「比例80万票」を実現し、参院選と統一地方選挙で議席を確保・前進させることは容易ならざる挑戦です。

 同時に、参院選も統一地方選挙も、対決の構図は「安倍政権と自公維か、共産党・市民と野党の共闘か」です。大阪の維新政治の転換でも、決定的なカギは日本共産党の躍進です。この対決軸を示して、共産党と候補者の値打ちを広げ抜くことです。

 最初に述べたように、安倍政治の大破綻が明確になる中で府民の怒りが広がり、「安倍政権打倒の願いは日本共産党へ」の訴えが響きます。維新政治の行き詰まりを明らかにして、「共産党の躍進で、維新政治を転換しよう」と呼び掛けましょう。市民と野党の共闘の姿を示して、「綱領で統一戦線の方針を持ち、共闘の力で政治を変える日本共産党を」と訴えていきましょう。

党の自力を強め勝利を切り開く

 日本と大阪の政治と日本共産党の役割を双方向で語り合う「集い」が大阪中で広がって、この1年で4万人近い参加になりました。この活動をさらに強めて、党への支持を広げていただく「担い手」を20万人規模に広げましょう。そして、日本共産党への入党と「しんぶん赤旗」「大阪民主新報」の購読を訴え、全有権者への宣伝と対話をやり抜く党の自力を強めて連続選挙の勝利を切り開きます。ともに頑張りましょう。

(大阪民主新報、2018年12月30日号、2019年1月6日合併号より)

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