おおさかナウ

2018年12月09日

公務員激減で対応困難も
共産党枚方交野地区 災害・防災でシンポ

 多発する災害対策について考えようと、日本共産党枚方交野地区委員会は11月25日、枚方市内で「災害対策・防災を考えるシンポジウム」を開催し、80人が参加しました。

 パネラーは、元国土交通省河川事務所職員で同党京田辺市議の西畑利彦氏、山口毅大阪自治体問題研究所事務局長と、みわ智之同党大阪府議候補の3氏。

災害地図・避難計画確認を

 西畑氏は、2015年に水防法が改正され、ハザードマップ作成(市町村)や災害弱者の避難確保計画書の作成(都道府県)が義務付けられたことを報告し、地域で確認していくことが必要と述べました。

 また課題として、①洪水リスクの開示や緊急避難場所の周知など人命第一の計画であるか、②国が21年までに自治体に策定を義務付けた防災行動計画の確認、③逃げなくてもよいまちづくりの推進について、他県の例も挙げ、住民から提起していくことが大事だと述べました。

さらに職員削減・AI化も

 山口氏は、自治体問題研究所防災研究会によるアンケート調査(2015年度)を基に、枚方市の防災体制の現状について報告しました。

 この中で山口氏は、地方公務員の激減で、災害時に市民の要請に応えられなくなっている現状を指摘。国がさらに「自治体戦略2040」で職員の半減、AI化を狙っていると告発したことには、会場から驚きと怒りの声が上がりました。

生活再建できる支援が必要

 みわ氏は、災害後の復旧復興、生活再建について、大阪北部地震、台風後の現地調査に触れながら報告しました。

 みわ氏は、利用者に我慢を強いる避難所の国際基準に基づく改善など、被災者が生活再建に踏み出せる支援が必要と強調。被災者支援の自治体間格差は問題だとし、一部損壊家屋への支援金支給など、党府議団とともに府に求めていくと述べました。

カジノでなく暮らしに税を

多発する災害対策について考えようと開かれたシンポジウム=11月25日、枚方市内

多発する災害対策について考えようと開かれたシンポジウム=11月25日、枚方市内

 フロアからは、「マンション修理に6千万円、うち公的支援は30万円のみ」「住宅の耐震化や改修補助制度をぜひ。職人の確保へ公的支援が必要」「公務員の非正規への置き換えで、管理職が長時間労働や休日出勤を強いられている」「自宅が一部損壊も支援ゼロ。府はカジノでなく暮らしに予算を使ってほしい」などの意見が相次ぎ、被災者支援の不十分さや公務員削減の弊害が浮き彫りになりました。同党のつつみ幸子枚方市議、藤田まり交野市議も、各市の現状を報告しました。

 最後に3氏が補足発言。西畑氏は「国推進の“コンパクトシティー”に防災はうたわれていない。地方に新たな負担を押し付けるもの。地域から声を上げよう」と呼び掛け、山口氏は、東京都が全世帯に配布した冊子『東京防災』を紹介しました。みわ氏は、「一部損壊家屋を修理するにも業者がいない。中小業者育成を怠り、支援を削ってきた大阪の維新政治の転換へ、来年府議選勝利目指し頑張りたい」と決意を述べました。

(大阪民主新報、2018年12月9日号より)

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