おおさかナウ

2018年04月01日

参院選・統一地方選挙勝利、「比例を軸」に
「大阪80万得票」へ、どう挑むか

 日本共産党府委員会は、国政選挙と地方選挙での新たな躍進目指す活動で、「『比例を軸』に『大阪80万票』へ」を掲げて活動しています。意義と可能性、どう進めるかについて、府選挙・自治体・統一戦線委員会責任者の中村正男さんに聞きました。

日本共産党府委員会選挙・自治体・統一戦線委員会責任者 
中村正男さんに聞く


1、「大阪比例80万。得票率20%以上」の意義と可能性を深くとらえ、攻勢的に挑む構えを府党のすみずみに確立する

(1)「大阪比例80万」の意義をつかむ

中村正男氏

中村正男氏

――比例代表選挙で「80万票、20%以上」への挑戦を打ち出しておられる意義についてお聞かせください。

 日本共産党の第3回中央委員会総会(3中総)が提起した「比例代表選挙を選挙戦はもとより、あらゆる党活動発展の軸にすえる」とは、3千万署名などのたたかい、集いや党勢拡大、あらゆる活動を「これで比例で勝てるのか」を中心にすえて臨むことです。

 2017年総選挙の大阪での比例得票結果は次のようなものでした。

自民94万3711(27・1%)
維新93万4972(26・8%)
公明55万3451(15・9%)
立憲48万6253(13・9%)
共産31万6651(9・1%)
希望20万8550(5・9%)

 ここから大阪で80万得票に挑み、政党間の力関係を変える。「第一党」を争うところまで飛躍させることは、参院選では山下よしき副委員長はじめ比例7人全員当選への大阪の政治責任です。大阪選挙区では2016年は敗れましたが、たつみコータローさんの勝利を何としても勝ち取るためには80万は必須目標です。

 大阪では府議選が維新政治を打ち破り、大阪府党の前途を開く上で、その帰すうを決める重みがあります。いまの2議席から、本会議代表質問ができる5議席、議案提案権を得る8議席以上得るためには、定数2や3のところで勝利しなければ届きません。「比例80万」はその土台であり、大阪市議選、堺市議選、一般市町村議員選挙での勝利・躍進に不可欠の課題です。「比例80万」への挑戦なしに、参院選・統一地方選の勝利なし――ここに本気で挑むことが必要です。

(2)その条件・可能性をリアルにつかむ

――その条件・可能性はどうですか。

 森友公文書改ざん問題は、民主主義の根幹に関わるもので、これまでとは次元の違う国民的な怒りと政治の激動を呼び起こしています。

 3中総では、安倍内閣は虚構の多数の上に立つもので、「もろく、弱い」こと、総選挙で切り開いた市民と野党の共闘がいまの大変化をつくりだしたことを指摘しました。いま「6野党共闘」でスクラムを組み、そこに「希望の党」も入っています。情勢を動かしてきた共産党の論戦と草の根からの奮闘が光ります。

 大きく打って出て、安倍政権の5年のみならず、戦後史を画すような変化を肌身でつかみ、「大阪比例80万」への展望をつかみとりましょう。

(3)「総選挙で後退した。このままでは難しい」か――正面からの議論を

 「大阪比例80万」に挑む点で、正面から議論していただきたい2つの問題があります。

 一つは、「総選挙で後退した。このままでは難しい?」という議論です。

 総選挙での得票は、「市民と野党の共闘」の中でわが党が身を挺してつくりだしたものであるとともに、わが党の力不足によるもので、党が押し込まれ、前進を阻む新たな「壁」がつくられたものではありません。

 だからこそ3中総では、「市民と野党の共闘」をさらに発展させつつ、「党を丸ごと語る活動」「自力をつける」という2つの大きな教訓を導き、「比例代表選挙を選挙戦はもとより、あらゆる党活動発展の軸にすえ」「日常的に取り組む」ことを提起しました。

(4)「大阪で〝維新の壁〟があるから、難しい」ではなく、「80万得票への攻勢的活動で維新を打ち破る」構えで

 いま一つは、「大阪では〝維新の壁”があるから、難しい」というものです。

 森友公文書改ざん問題では安倍政権とともに、維新府政が根本から問われます。公文書からは「大阪の私学審案件」もばっさり削除されています。①もともと私学設立の基準を緩め、歪め、「認可適当」としたことがこの問題の引き金でした。②維新府政は私学審に「森友学園の財政は安定」などと虚偽報告をしています。③議事録なども黒塗り。情報公開も、「百条委員会」設置も妨げています。④国会では、野党攻撃にあけくれ、安倍政権を助けています。提携したはずの希望の党からも野党の会合にはお呼びでありません。この4つの問題を突き、「大阪都」「カジノ万博」問題でも攻めに攻め、「大阪80万得票」への流れの中で力関係をひっくり返しましょう。

「大阪は一つ」に

 大阪の党の歩みを振り返ると、総選挙での7人全員当選や補選を含む参院選大阪選挙区の勝利、知事選を通じ、「大阪は一つ」の力で選挙勝利と党建設の道を切り開いてきました。「大阪は一つ」に「大阪比例80万」を成し遂げて、選挙勝利と党建設、市民と野党の共闘の新たな上げ潮をつくることを呼び掛けます。

2、「大阪比例80万」へ、どんな活動を推し進めるか――5つの課題

日本共産党府委員会の緊急国会報告で訴える、(右から)山下党副委員長・参院議員、たつみ参院議員、宮本衆院議員、渡部府国政対策委員長=3月10日、大阪市天王寺区内

日本共産党府委員会の緊急国会報告で訴える、(右から)山下党副委員長・参院議員、たつみ参院議員、宮本衆院議員、渡部府国政対策委員長=3月10日、大阪市天王寺区内

――「大阪比例80万票」へ。どんな活動を推し進めますか。

 5つの活動を呼び掛けたいと思います。

 1つは、いま述べた「大阪比例80万」の意義と条件・可能性、本気になってそれに挑む構えを全支部、行政区で築くこと。

 2つは、宣伝活動です。「森友公文書改ざん問題」で打って出る。府常任委員会は3月25日まで「宣伝・対話・党勢拡大の集中期間」を呼び掛け、「JCP大阪ビラ」を緊急発行しました。府常任委員会では、さらにビラも連打するために、「安倍改憲NO!憲法生かす全国統一署名」(3千万署名」の宣伝物発行のための募金を「森友問題」「安倍内閣打倒」に向け、2倍の規模で呼び掛けようと確認しました。

 たつみポスターを一気に貼りだし、統一地方選挙用のポスターを含め「ポスター第一党」をやり遂げることです。

 候補者を先頭に、「しんぶん赤旗」「大阪民主新報」を掲げ、支部を主役に連日宣伝にも取り組み、インターネットのSNSの活用も発展させましょう。

 3つは集いです。阪南市では「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」で質問が出され、次はそれに答える「集い」を開いて、党と有権者の信頼関係が強まりました。新婦人内後援会は「憲法カフェ」「おしゃべりカフェ」を進めています。「集い」を、「気軽に、繰り返し、双方で」を合言葉に、「80万人」に広げ、党を丸ごと理解した方が広がるなら、有権者との関係は大きく変わり、参院選・統一地方選の担い手も倍増します。

 4つは、すべての支部が単位後援会をもち、後援会ニュースの発行・活用を図っていくことです。

 最後に決定的課題となる党建設です。

 党員拡大を根幹に据え、「集い」を旺盛に開き、独自追求を強め、7月末までに全支部が入党者を迎える。読者拡大は7月末までに、前回参院選時回復を図ります。

 選挙募金は読者、後援会員に依拠しつつ、街頭宣伝などでも広く有権者に訴えましょう。

党機関の役割を発揮して   

 「大阪比例80万」に向かい、地区機関に求められるのは、①「比例80万」の目標に到達するために何が必要かを機関会議で絶えず論議する。②全支部での得票目標(支持拡大目標)の確立とそれに基づく具体化を援助する。③「比例を軸」を培う活動者会議、ニュース発行、節目の演説会などを設定していくことです。

3、地方議員・候補者とタテ線グループの大きな力の発揮を

 地方議員と候補者の皆さんが「大阪比例80万」をどう位置付けるか。2つの角度が求められています。

 一つは、支部とともに「党を丸ごと語る」活動を通じて「比例80万」をとる先頭に立ち、自らの選挙での勝利の土台を築くこと。もう一つは、自らの議員活動、候補者活動を通じて、「丸ごと党を理解する」有権者を大きく増やしていくことです。

 参院選と統一地方選挙はまさに一体です。得票目標には違いがありますが、「比例80万」への取り組みの上に、地方選候補者の独自の活動が加わるなら鬼に金棒です。この構えに立ち、さきほど述べた5つの活動を候補者活動、選挙対策部の必勝計画としても練り上げ、実践の先頭に立つことを呼び掛けます。

 タテ線(分野別)グループの力の発揮は「比例80万票」実現に欠かせません。府的にも、各地区でも、分野ごとに対象となる有権者の得票や支持拡大目標を明瞭にする、独自の宣伝や集い開催の計画をもつ、党勢拡大と構成員決起、それぞれの分野での共同の推進など、「80万」に見合う各分野の作戦をもって臨むようにします。

 あらゆる活動に「比例を軸に」を貫き、全党挙げて、国政選挙、地方選挙での党躍進を必ず勝ち取りたいと思います。

(大阪民主新報、2018年4月1日号より)

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