おおさかナウ

2018年03月18日

多彩な要求 国会に結んで
共産党府委 国会報告・要求懇談会開く

 日本共産党大阪府委員会は3日、大阪市中央区内で、山下よしき、たつみコータロー両参院議員を迎えて国会報告・要求懇談会を開き、29団体から38人が参加。暮らしと経済、教育と社会保障、エネルギー分野など国政をめぐる各分野から切実な要求が寄せられました。

山下・たつみ両参院議員が報告

市民と野党の共同が発展
運動広げ安倍政権退陣へ

暮らしと経済、平和、社会保障、エネルギー政策など国政に関する多彩な要望が相次いだ国会報告会=3日、大阪市中央区内

暮らしと経済、平和、社会保障、エネルギー政策など国政に関する多彩な要望が相次いだ国会報告会=3日、大阪市中央区内

 開会あいさつで柳利昭府委員長は、先の総選挙結果と安倍政権の国会対応を取り上げ、「虚構の多数」に支えられた政権基盤の弱さを指摘。野党と市民の共同が国会論戦で力を発揮し安倍政権を追い詰めているとし、「維新政治の転換が府民要求を実現する道だ。大阪でも市民と野党の共同を広げるため奮闘したい」と述べました。

 たつみ氏は、森友学園問題を13回国会で取り上げてきたと述べ、これまでの政府答弁がまともに疑惑に答えてこなかったと批判。財務省が国会提出した学園との交渉記録が改ざんされていた疑惑を告発し、「野党議員の共同の追及に加え、予算委理事としての国会対応など国会議員団の役割を大いに発揮していきたい。安倍政権を退陣に追い詰めていきたい」と決意を述べました。

 山下氏は、「働き方改革」をめぐる裁量労働制のデータ捏造(ねつぞう)問題、経済と社会保障、軍事費増、9条改憲阻止など国会論戦を紹介。自民党が年度内に取りまとめる改憲案を批判し、「焦点は『自衛隊は合憲か』ではなく、『海外での武力行使の自由化を許すかどうか』だ。3千万署名の取り組みを成功させよう」と呼び掛けました。野党6党による市民ヒアリングや共同での法案提出など、市民と野党の共闘が発展しているとし、「皆さんのたたかいを国会に結んで、安倍政権を追及していく」と述べました。

 堀内照文前衆院議員も出席し、障害者参政権保障など国政課題の前進へ取り組んでいると報告。「国民の切実な要求の実現へ、運動でも頑張っていきたい」と語りました。

 宮本岳志衆院議員秘書らが出席し、渡部結党府国政対策委員長が司会を務めました。

 各分野からの発言、要望を受けて、山下、たつみ両氏は、「今の社会のあり方を根本から問う告発が寄せられました。一つ一つの実態をリアルに取り上げていきたい」と決意を語りました。

社会保障充実・原発ゼロ・子育て支援…
各団体が要求・運動を交流

 各団体から国政に関する要望や運動の課題などが多彩に発言されました。

 大阪難病連の代表は、若年で発症することの多い「1型糖尿病」の患者が障害基礎年金の支給を打ち切られ、昨年、支給再開を求めて提訴した問題を紹介。「生命に直結する社会保障の切り捨てだ。誰もが安心して生きられるようにしてほしい」と語りました。

 「自然環境センター ストップ・ザ・もんじゅ」代表は、高速増殖炉もんじゅの廃炉決定後も、核燃料サイクルにしがみつく国の原子力政策を批判。大飯原発再稼働問題をめぐり、電気事業者との公開ヒアリングが実現するよう要望しました。

 大阪から公害をなくす会の代表は、二酸化窒素(NO2)などの大気汚染による健康被害の実態を述べ、環境省の「健康調査サーベイランス報告書」の問題点を指摘。実効ある環境対策やぜんそく患者救済策などを要望しました。

 全大阪生活と健康を守る会は、新年度政府予算に盛り込まれた生活保護費削減は、制度利用者と多くの国民生活に深刻な打撃を与えると語り、夏期加算の復活など暮らしを健康を守るため、生活保護制度の充実を要望しました。

 大阪民主医療機関連合会の代表は、経済的理由による未受診などの死亡事例を紹介し、無料低額診療制度など経済弱者のための制度拡充が必要だと語りました。

 歯科保険医協会の代表は、学校検診で要受診となっても経済的理由で未受診の子どもが増えていると指摘。子ども医療費助成制度の充実や、学校医療券の対象疾患拡充を要望しました。

 大阪保育運動連絡会の代表は、待機児童の多さや保育士不足の深刻さを指摘。規制緩和は保育の「質」の低下を招くとし、人材確保と保育所整備の財源確保が必要と語りました。

 学童保育指導員連絡協議会の代表は、学童保育利用者急増に伴う詰め込みや、自治体ごとの基準の差など現状の問題点を指摘。内閣府主導の最低基準引き下げの動きを批判し、学童保育の質の向上が求められていると述べました。

 大阪自治体労働組合連合会の代表は、国が導入を目指す非正規公務員の新制度の問題点を述べ、「住民の暮らしを守る自治体制度の変質を招く」とし、財源措置などの対応を要望しました。

 民主青年同盟大阪府委員会の代表は、高すぎる学費負担やブラックバイトの現状を紹介。学生対象のアンケート結果について、要求の1位は幅広い知識と教養、専門教育を深めることだとし、奨学金制度の改善や学生の働く環境改善などを求めました。

 日本コリア協会の代表は、ヘイトスピーチを許さ?ない実効ある法整備が必要と指摘。北東アジアにおける戦争の歴史に触れながら、平和を求める潮流の広がりを強調し、「北東アジア各国は、憲法9条の意義に注目している」と発言しました。

 この他、消費税10%増税とインボイス方式、公団住宅再編整備計画、年金支給額引き下げ、住吉市民病院問題、カジノと一体の大阪万博、少人数学級や教員配置の拡充、チャレンジテストの弊害など教育施策の改善――など多彩な要望が出されました。

(大阪民主新報、2018年3月18日号より)

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