おおさかナウ

2018年01月28日

宮本岳志の国会レポート
歴史も世界も地域も見ない首相

宮本 本日22日、通常国会が開会、衆参両院本会議で、安倍首相の施政方針演説が行われました。

 志位委員長は国会開会にあたっての議員団総会で、安倍政権の行き詰まった政治は「著しい政治の劣化・荒廃・退廃を招いている」と指摘しましたが、まさに施政方針演説に示されています。首相は演説の冒頭、後に東京帝国大学総長となる明治の教育者・山川健次郎を引いて、「身分、生まれ、貧富の差にかかわらず、チャンスが与えられる。明治という新しい時代が育てた」人材が、わが国近代化の原動力となったなどと力説しました。

 なんと歴史に無知なことか。安倍政権の下で今も教育に大きな格差が残され大問題になっているというのに、「明治」が「身分、生まれ、貧富の差にかかわらず、チャンスが与えられる」ような時代ではなかったことは明らかです。日本国憲法を否定し、明治にノスタルジーを持つ、この人ならではのことか。

 演説の最後では150年前、氾濫を繰り返す天竜川流域に植林した金原明善を引いて、「100年たった今でも、肥沃な遠州平野の守り神になっている」と胸を張りました。私は浜松市天竜区に調査に入りましたが、強引な市町村合併と政令市化で、今や天竜区は寂れる一方です。

 そして、世界の流れである「核兵器禁止条約」には触れることさえしませんでした。「歴史」も「世界」も「地域」も見ない、このような政治に、もはや未来はありません。安倍政権が成立して6年、今年こそ終わらせましょう。(みやもと・たけし 日本共産党衆院議員 毎月第4週に掲載)

  (大阪民主新報、2018年1月28日号より)

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