学校法人森友学園の籠池泰典前理事長夫妻は国の補助金約５６００万円をだまし取ったとして詐欺の疑いで７月31日、大阪地検特捜部に逮捕されました。

問われる府の姿勢

　籠池前理事長らは小学校の建設工事で金額が異なる契約書を提出していました。これにより国の補助金を不正に受け取った疑いが持たれています。

　森友学園が運営する塚本幼稚園（大阪市淀川区）で専従教職員や障害のある子どもの数を水増しし、府の補助金を不正に受け取っていた疑いでも籠池前理事長は告訴・告発されています。

　この問題は、３月13日の府議会教育常任委員会で日本共産党の石川多枝府議が初めて取り上げましたが、府はこの時点では疑惑解明に極めて消極的でした。

　石川府議は、「担任がいなくなっても保護者には全く知らされない」「フリーの先生はおらず、クラスが突然合体し、最大時は１２０人もの子どもをたった１人の先生がみている」など、幼稚園教諭の配置基準違反が疑われる退園児の保護者の訴えを紹介し、府に調査を求めました。

　また特別支援児の在籍についても石川府議は、「他園よりはるかに多く要支援児が就学しているとは到底思えない」と実態調査を求めましたが、府は、「書類調査や現地調査で実態を確認している」と繰り返しました。向井正博教育長は、「委員（石川府議）がおっしゃった具体的な相談と保護者の名前を全てうちに出していただけたら、それを元に保護者にヒアリングを行った上で、園と調整をする」と応じていました。

国有地疑惑、免れない
宮本衆院議員　昭恵夫人の喚問を

宮本衆院議員

　籠池夫妻を詐欺容疑で逮捕したことが妥当かについてはコメントは控えますが、わが党は学校法人「森友学園」への国有地売却問題を国会で最初に追及しました。補助金に関して不正があったのならば、司直の手で徹底的に解明されるべきなのは当然です。

　ただ同時に、今回の逮捕によっても国有地売却に関する政治の責任については免れません。近畿財務局や安倍内閣の関わりについても解明されなければなりません。安倍昭恵さんはじめとする関係者の証人喚問を引き続き要求してまいります。

 

(大阪民主新報、2017年8月6日付より）