おおさかナウ

2016年10月30日

大阪市公営・準公営決算 自治体の仕事投げ出し
「何でも民営化」を促進
日本共産党 瀬戸市議団長が反対討論

 

 大阪市議会の本会議が19日開かれ、2015年度公営・準公営企業会計決算を日本共産党以外の賛成多数で認定しました。

公営企業でこそ安全な地下鉄に

瀬戸一正市議

瀬戸一正市議

 反対討論に立った日本共産党の瀬戸一正・市議団長は決算に表れているのは地下鉄もバスも水道・下水道なども「何でも民営化」し、自治体としての仕事を投げ捨てている姿だと強調しました。

 地下鉄事業では、現行の津波浸水対策は地下街の水没対策にはなっておらず、民営化後の投資計画にもないと指摘。急務になっている可動式ホーム柵の設置も、民営化後は資金面で困難だとし、公営企業のままなら手持ち現金1500億円を超えるなど設置には有利だと述べ、「どちらが市民にとって安全な地下鉄になるのか、いよいよ明瞭だ」としました。

 市バス事業では、民営化に向けて昼間1時間に1本しかない路線や、それにほとんど近い路線が全路線の85%を占めるとし、「地下鉄からの支援がなければ、市民の願いに応えることはできない。民営化を志向した決算は到底容認できない」と主張しました。

カジノのための万博誘致に反対

 松井府政が進める2025年の万博誘致について、会場建設費や運営費以外の関連事業費740億円の多くが、会場となる大阪湾の人工島・夢洲関連の開発経費で、そのほとんどが大阪市の負担になると指摘。万博誘致を理由にした夢洲開発や、カジノを核とした統合型リゾート(IR)誘致を進めるための万博誘致に反対しました。

 最後に瀬戸氏は、「大阪市が今やるべきことは、無人島である夢洲への無駄な鉄道建設などではなく、市民が待望する地下鉄今里筋線の延伸だ」と力説。吉村洋文市長が「赤字」を理由に延伸を拒否していることについて、「大阪市の町の発展や市民の強い願いより大型開発を優先する政治姿勢が表れている」と述べました。

利益より安全の優先を
市営交通の会障連協 大阪市交通局と交渉

%e5%b8%82%e5%96%b6%e4%ba%a4%e9%80%9a%e3%81%ae%e4%bc%9a%e5%af%be%e5%b8%82%e4%ba%a4%e6%b8%89 交通権の確立・大阪市営交通を守り発展させる会(大阪市営交通の会)と障害者(児)を守る全大阪連絡協議会(障連協)が24日、地下鉄・地下街の浸水対策や可動式ホーム柵の問題で大阪市交通局と交渉しました=写真。

 両会は9月に交通局に提出した要望書で、国土交通省近畿地方整備局が発表した高潮や洪水に伴う浸水被害想定(ことし8月)を踏まえた対策について質問。東京メトロでの視覚障害者の転落事故(同)で可動式ホーム柵設置の必要性があらためて認識されているとして、対策を求めていました。

 これに対し交通局側は浸水対策について、「今後詳細について確認する」と回答。可動式ホーム柵を設置すれば列車の停車時間が長くなり、本数の減少と混雑の増加を招くとして「現状のままでは設置は困難」「輸送力の課題解決について検討を進める」と答えるにとどまっています。

 これらの回答を受けて行われた交渉で、大阪市営交通の会の宮崎守正事務局長は、浸水対策は都市機能に関わる切迫した課題だとして対策を要求。御堂筋線と四ツ橋線が合流し、ホームが狭い大国町駅を視察したことも紹介し、可動式ホーム柵の設置を進めるよう求めました。

 障連協の泉本徳秀代表幹事は、「死亡事故が起きているのに同じ回答とは。人名より電車の遅れが大事なのか」と強調。「私たちは視覚障害者だけではなく、すべての利用客の安全を守るための対策を求めている」と訴えました。

 他の参加者も、交通局が2011年に出した「今後の施策展開」で、「ひとにやさしい市営交通」を掲げて可動式ホーム柵設置計画を出したのに、橋下前市政以来の民営化方針で止まってしまっていると批判。「『輸送力の課題解決』ということで利益を優先するのではなく、安全を優先すべき」などの声が上がりました。

(大阪民主新報、2016年10月30日付より)

 

月別アーカイブ