おおさかナウ

2016年05月29日

国保広域化 各自治体の制度継続を
共産党 府議団が市町議員と懇談

 国民健康保険(国保)が2018年度から都道府県単位化する問題で、日本共産党府議団は16日、大阪市中央区の府議会会館で市町村議員団と懇談しました。朽原亮幹事長は「医療費抑制の推進役を都道府県が担っていくことになる」と述べ、「市町村ごとの実情に応じた制度の継続実施を求める声を強めてほしい」「保険料の値下げに結び付ける論戦や運動に力を合わせて頑張ろう」と呼び掛けました。23市町から29人が参加しました。

保険料値下げへ力合わせ

ペナルティーも松井府政は検討

国保広域化に向けて共産党府議団は市町村議員団と懇談しました=16日、大阪市中央区内

国保広域化に向けて共産党府議団は市町村議員団と懇談しました=16日、大阪市中央区内

 橋下徹知事時代から全国に先駆けて広域化の検討を進めてきた府は、府内統一保険料率や一般会計から国保会計への法定外繰り入れの解消を検討しています。市町村が独自に行っている保険料や一部負担金の減免制度を原則「共通基準」化し、方針に従わない市町村へのペナルティーなども検討しています。
 しかし国は、ガイドラインで定めた法定外繰り入れの解消は市町村を縛るものではなく、ペナルティーも考えていないといいます。日本共産党の政府交渉でも、減免制度は最終的には市町村が判断するものと回答しており、減免制度一本化の動きは、他の都道府県では把握していないといいます。
 統一保険料を目指しているのも、府と奈良県など少数とされます。
 保険料や減免制度などは現在、各市町村がそれぞれ地域の実情に応じて実施しています。保険料(2015年度)は所得200万円の4人世帯のモデルで試算すると、最も高いのは高石市で約49万円、最も低いのは千早赤阪村で約28万円で、年間およそ20万円もの差があります。

国の負担の復元こそ求められる

 宮原威団長は、高すぎる国保料の原因は、国負担の削減と国保加入者の生活が急速に悪化したという、国の「二重の失政」にあると指摘し、「国保加入者の暮らしを少しでも改善するよう、国の政治を変えていく。そういう大きな取り組みの中で、この問題を考えなければならない」と述べました。
 宮原団長は、国の負担を以前の水準へ近づけることや、一般会計からの繰り入れ・独自の保険料設定と減免制度を継続することなどを訴えました。

市町村独自の努力できなくなる

 参加した各議員から、「法定外繰り入れを全てなくし、その分を保険料としてかけると、努力してきた市町村ほど値上げにつながっていく」「(相対的に保険料の高い自治体は)当初の1〜2年は保険料が下がるだろうが、いま保険料が年々上がっている中で、その後も安くなるという幻想は持てない」「保険料値上げを食い止め、滞納世帯への丁寧な納付相談などで赤字を解消してきたが、そうした市町村の独自の努力を確保できなくなる」「それぞれが独自で頑張ってきている制度が全部府下統一にされて、いままでの運動を全部突き崩される」などの発言がありました。

(大阪民主新報、2016年5月29日付より)

 

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