おおさかナウ

2016年01月24日

「都」構想きっぱり断念し
市民本位の施策に転換を

大阪市議会本会議 瀬戸一正共産党市議団長が質問

 吉村洋文大阪市長が昨年12月25日に行った施政運営方針演説(所信表明)に対する大阪市議会各会派の一般質問が14日から2日間行われ、日本共産党大阪市議会議員団を代表して瀬戸一正団長が質問に立ちました。論戦をハイライトで紹介します。

住民投票の結果に従うべき

瀬戸氏 「都」構想は住民投票で決着がついた。潔く断念すべき。
吉村氏 私は「都」構想の修正を訴えて今回の選挙結果を得た。住民投票結果は重く受け止めるが、市民・各会派と議論してより良いものにバージョンアップし、3年以内に設計図案を完成させ、任期中に住民投票を実施する。
瀬戸氏 府市両議会で否決されたものを強引な手法で住民投票に持ち込み、膨大な税金をつぎ込んで作成した設計図が否決された。橋下前市長は住民投票前に「ラストチャンス」「破れたら絶対に二度と持ち出せない」と言い、結果を受け「間違っていた」と言った。重く受け止めると言うなら、大阪市廃止という制度いじりはやめる、住民投票の結果にこそ従うべき。

大阪市廃止の根幹変わらず

一般質問に立つ瀬戸氏=15日、大阪市議会本会場

一般質問に立つ瀬戸氏=15日、大阪市議会本会場

瀬戸氏 市長は所信表明で、「長年にわたる府市の二重行政や二元行政の弊害が、大阪の地盤沈下の一因」と述べたが、具体的にどんな弊害があるのか。
吉村氏 二重行政である限り、東京一極集中を招く要因はなくならない。政令市と府県は二重行政解消に知恵を絞る時代だ。
瀬戸氏 答えていない。病院、図書館、工業研究所など後から府が補完的に設置したものがほとんど。市民の便益を大きくしている。「二重行政の解消」を掲げ「都」構想の修正案をつくると言うが、大阪市を廃止して特別区に分割し、政令市の権限・財源を府に取り上げる根幹部分は変わらない。
瀬戸氏 「東京一極集中」を排して「副首都・大阪」を推進するとして、年末に第1回副首都推進本部会議を開いたが、「副首都」とはどいうものか。
吉村氏 都市間競争に勝ち抜く。有識者を交え議論を始めたところ。今秋までに中長期ビジョンをまとめる。
瀬戸氏 「副首都」の説明がない。人口も経済機能も比較できないほど規模が違う東京と、並ぶことができるかのように言うのは、市民に幻想を抱かせるもの。「都」構想議論を前に進め、一連の施設の統合や民営化を進めるのが狙いだ。

民営化の根拠は崩れている

瀬戸氏 地下鉄・市バスの民営化は、5回の継続審議を経て2回にわたり否決。これが二元代表制の下での議会の意思だ。
吉村氏 民営化は3年間議論を重ね、前向きに進める流れだ。手続き条例も可決された。
瀬戸氏 手続き条例は民営化の意思決定をするものではない。地下鉄の乗客が減り続けて経営危機に陥るという見通しだったが、3年連続で乗客は増え、目標の経常利益率15%を達成、民営化の前提が崩れている。バスは路線も本数もカットされ、可動式ホーム柵設置や南海トラフ地震・津波対策など、安全・安心の地下鉄づくりはどうなるのか。民営化ありきではなく、市民の懸念解消に努めるのが先決。民営化には断固反対だ。

過去失敗した政治そのもの

瀬戸氏 吉村市長の「成長戦略」の決め手は、カジノを核とした統合型リゾート(IR)の誘致。市民にギャンブル依存症をまき散らし、消費者の資産がカジノに消え、大阪経済にプラスどころかマイナスになる。
吉村氏 IRは大阪・関西経済の起爆剤。商業施設や会議場もあり、単にカジノの賛否ではない。
瀬戸氏 IRの舞洲建設では,鉄道アクセスとして2ルートで計2240億円。なにわ筋線は梅田から関空まで5分短縮するために2千億円を投じる。大型公共投資を積み上げれば経済が良くなるという過去の失敗した政治そのもの。
吉村氏 都市の骨格形成に資する交通アクセスは必要だ。
瀬戸氏 大型開発一辺倒ではなく、福祉・教育・暮らし向上とそれに資するまちづくりこそ、21世紀の大阪市に求められる。維新政治の8年間で大阪経済は成長したと言うが、主な経済指標は全国平均より落ち込んでいる。「市政改革プラン」で、3年間で469億円もの予算を削減して市民に負担を押し付けたのが前市政だ。
吉村氏 景気は緩やかな回復基調。市政改革とは別の話。前市長はしっかり取り組み、他都市以上のサービスを見直した。
瀬戸氏 他都市の低い水準に合わせるのでは、大阪市の良さはなくなる。基金などを活用すれば、すべての世代の市民へのサービスを拡充できる

違憲と認め過ち繰り返すな

瀬戸氏 「思想調査」アンケートで橋下前市長は昨年末、最高裁に上告せず、損害賠償金を受け入れると発表した。これまで議会で「憲法違反ではない」と繰り返してきたが、高裁判決(昨年12月)を受けて憲法違反と認めざるを得なくなった。吉村市長自身も憲法違反と認め、憲法99条(憲法擁護尊重の義務)に照らして、このような過ちを二度と繰り返さないと言明するか。
吉村氏 裁判所の判断を尊重し、健全な労使関係に努め、関係法令を順守する。
瀬戸氏 橋下前市長が市職員に謝罪せず退任したことは遺憾。当然謝罪すべきだった。吉村市長は過ちを二度と犯すことのないよう求める。

(大阪民主新報、2016年1月24日付より)

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