おおさかナウ

2020年10月05日

大阪府議会
「都」構想が足かせに
新型コロナ対策 石川府議が一般質問

 日本共産党の石川多枝府議は9月28日の府議会本会議で一般質問し、吉村洋文知事に大阪市廃止=「都」構想を断念し、他県並みのコロナ対策を講じるよう求めました。

断念し他県並みの対策行え

かつてない規模というけれども

 「コロナ対策に総額1兆2千億円を超えるかつてない規模の緊急対策を講じてきた」と自画自賛した吉村知事。しかし国や市町村の負担と制度融資のための金融機関への預託金を除けば、府の支出は約832億円にとどまります。そのうち444億円も、国の地方創生交付金が府に返ってくる見込みで、さらに国の緊急包括支援交付金も使えます。
 府内の陽性者の53・8%、死亡者の54%を占める大阪市は、「感染症対策経費は、国補正予算の措置でカバーされている」(特別区設置における財政シミュレーション)としています。

大阪市の検査体制は極めて脆弱

 大阪市の検査体制は遅れています。陽性者が出た学校では、濃厚接触者が衛星都市在住なら即日検査が受けられますが、大阪市在住者は検査の順番待ちとなり学校再開が遅れました。
 石川府議は、「市の対応がこれ以上遅れるようなら、府が検査体制拡充に乗り出すべきだ」と主張しました。
 吉村知事は「地域外来・検査センターは大阪市内に4カ所の設置が完了」「ミナミの臨時検査場や市東部のドライブスルー方式の検査場も、府が主体で運営している」などと応じました。
 石川府議は、大阪市より人口の少ない高槻市でも検査センター5カ所、枚方市では3カ所以上の設置が進んでいることを示すとともに、長崎県が医師会と協力して、無症状でも医師の判断で自己負担なしの検査を身近な医療機関で受けられるようにしたことを挙げました。

府も市も自前の対策を取らない

質問する石川府議=9月28日

質問する石川府議=9月28日

 「大阪市と他市を比べれば、『都』構想がコロナ対策の足かせになっていることがはっきりと分かる」と述べ、検査センターを9月末見込みの2倍にあたる100カ所設置、医師会と協力し身近な医療機関での検査体制を府内全小学校区に複数、約2千カ所整備するなど、積極的な取り組みを求めました。
 「『感染症対策は国の交付金の範囲内で』『今後の財政的影響も国の地方財政措置でカバー』と言っている限り、コロナ対策の強化は進まない。大阪市も府も、国の財源頼みで自前のコロナ対策をとっていないことは明らかだ」と石川府議は強く批判しました。「『都』構想の初期費用だけで、府内の医療・福祉・保育従事者全員の検査ができる。『都』構想はきっぱり断念し、コロナ対策に最大限の力を」と吉村知事に迫りました。
 府の今回の補正予算案(第10号)総額約3173億円のうち、「最大の感染症対策」とされるものは約82億円しかありません。石川府議は直ちに次の補正予算を組み、検査と医療体制の大幅拡充に取り組むよう求めました。

児童扶養手当の上乗せ求めたが

 石川府議は長引くコロナ禍で母子家庭の18%が1回の食事量を減らし、20・1%がお菓子やおやつを食事代わりにすることが増え、炭水化物だけの食事が増えた世帯は49・9%に上るとの調査結果を示しました。「お米が欲しい」などの悲痛な声を紹介し、吉村知事に児童扶養手当に子ども1人当たり1万円の上乗せを半年間、離婚が未成立で手当ての対象外となっている一人親世帯にも給付を求めました。
 吉村知事は「一人親世帯臨時特別給付金による基本給付5万円を8月より支給している」「家計急変の世帯に5万円を追加支給している」としました。しかしこれらは国の制度で給付は1回限り。府がしているのは支給精査のみです。

「主体は市町村」と支援を拒否し

 石川府議は、高齢者や障害者の介護者がコロナ感染で不在となった場合の対応強化を求めました。神奈川県は陰性対応の短期入所協力施設5カ所、陽性対応のケア付き宿泊療養施設2カ所など、専用入所施設を県の責任で設置しています。滋賀県も、障害者の家族が感染した場合の支援事業を始めています。しかし吉村知事は「支援の実施主体は市町村」と拒否しました。
 石川府議は、医療従事者をはじめ社会生活維持に不可欠な労働の従事者(エッセンシャル・ワーカー)への検査実施を求めました。府内の医療施設や福祉施設で、これまで32件のクラスターが発生し、669人が感染、死者も出ています。
 吉村知事は「医療従事者は約16万人。福祉施設の従事者は障害関連で約19万人、高齢関連で約22万人。児童関連で約9万人。その他、ごみ収集や生活必需品の生産・物流・販売に関わる人も多く、全てを一律に検査対象とすることは困難」と述べました。
 石川府議はこの他、保育・学童保育従事者への慰労金や、学校での「密」を避けるための仮設校舎設置への補助なども求めました。
 吉村知事は「国へ要望」「市町村がすべき」とかわしました。日本共産党が長年求めている少人数学級編成では、府は独自に拡充していない数少ない府県のひとつですが、吉村知事は国の動きを「注視する」と述べるにとどまりました。

(大阪民主新報、2020年10月4日号より)

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