おおさかナウ

2020年08月15日

堺市臨時議会
求められる暮らし、医療・検査の施策
コロナ対策中心に補正予算成立
日本共産党堺市議団 森田晃一幹事長

森田晃一堺市議

森田晃一堺市議

 堺市の臨時議会が7月27日開催され、新型コロナ対策を中心にした補正予算が成立しました。日本共産党の森田晃一市議団幹事長に概要を寄稿してもらいました。

 堺市の臨時議会が7月27日、開催され、新型コロナ対策を中心に約58億円の補正予算が全会一致で成立しました。臨時議会の開催は日本共産党市議団が要望していたものです。

 共産党は私が質問、藤本幸子議員が討論に立ちました。

給食無償化、新生児臨時給付金が実現    

 臨時議会では、党市議団が強く要望していた「学校給食費無償化(8~10月)」や「新生児臨時給付金(5万円)」など、暮らしを支援する制度は実現しましたが、新型コロナの影響による収入減に苦しむ市民や事業者、医療や検査拡充などへの支援は、十分とは言えません。
 事業者への直接的な支援はごく一部で、一般の事業者向けはありません。

事業者への直接支援こそが必要

 一方で「キャッシュレス決済20%還元事業」には、予算全体の約2割(10億円)が充てられています。堺市内の登録店舗で、期間中最大1万円分のポイント還元の制度ですが、キャッシュレス決済できる人や店舗に限られるものであり、党議員団は直接支援こそ必要だと迫りました。
 また、観光促進の「堺の魅力再発見キャンペーン」や、連携事業である期間限定の「おでかけ応援制度(65歳以上の市民が市内のバスなどを100円で利用できる制度)」の無料化については、国の「GoToキャンペーン」の堺市版ともいえるものです。第2波とも言える状況においては事業実施の延期を決断し、別の形での支援を行うべきだと提案しました。

少人数学級が必要なのに   

 教育については、ストレスを抱える子どもたちへの手厚いケアや少人数学級が必要ですが、養護教諭の加配はありません。教職員の追加配置の予算は、小中学校135校に対して常勤8名、非常勤2名分のみ。一方で、小中学生全員に1人1台のPC機器を配布する「GIGAスクール構想」の追加には、子育て・教育関連予算の約8割が使われています。

医療機関への財政支援や検査体制拡充の予算もなく     

 医療・検査体制については、介護施設の設備補助に若干予算がついたものの、経営悪化が深刻な医療機関への財政支援はなく、検査体制への新たな拡充のための予算もありません。地域医療を崩壊させないために、医療機関への財政支援を求めました。
 かつて堺市に5カ所あった保健所は、2000年に1カ所に減らされました。党議員団は、コロナや新たな感染症から市民の命を守るためにも、公衆衛生の要である保健所の体制強化を求めました。
 九州の豪雨災害でも指摘されていますが、避難所の感染症対策は急務です。コロナ禍における避難所では、3密による感染を防止するため、1人当たりのスペースを十分に確保する必要があります。避難所での必要物資の備蓄に合わせ、これまでの避難所の定数が減らされるのであれば、避難所で十分な受け入れができるよう新たなスペースを確保するよう訴えました。

不要不急の施策の見直しを  

 市役所の「テレワーク環境拡充」に5億円など、市役所関連が計11億円となることは、緊急に必要なものかどうかの見直しが必要です。
 市議団として、困窮する市民や事業所を支援し、PCR検査の拡大や医療機関への支援を強めるよう、引き続き訴えていきます。

(大阪民主新報、2020年8月9日、16日合併号より)

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