おおさかナウ

2020年07月25日

20人程度の学級を
大学授業料は半減に
宮本たけし氏がプラン発表

会見する宮本氏(中央)=15日、大阪市役所内

会見する宮本氏(中央)=15日、大阪市役所内

 日本共産党の宮本たけし前衆院議員(衆院近畿比例・大阪5区候補)は15日に大阪市役所内で会見し、「ポストコロナに子どもと学生に希望を届ける宮本たけしプラン」を発表しました。小・中学校で20人程度の少人数学級実現と、大学の授業料半減を挙げています。宮本氏は「この2つは日本が世界から大きく遅れている問題。決して過大な要求ではない」と強調しました。

 コロナ禍の下での長期の臨時休校が終わり、感染リスクを下げるため、クラス人数を半分にする分散登校が6月にスタートしました。現在は通常に戻されています。府教委は、分散登校中は、不登校の児童・生徒が少なかったと報告しています。
 日本の学校の学級定数は世界の中で極端に多く、経済協力開発機構(OECD)の調査(2019年)では、小学校の1学級児童数は加盟国平均が21人、アメリカ21人、イタリア18人などとなっています。
 宮本氏は11年の衆院予算委員会で、米軍基地内に日本の「思いやり予算」で建設した小中学校の学級単位は18~25人だと明らかにしました。質問で取り上げた米軍小学校は、教室の広さが80平方㍍。宮本氏は「日本の子どもたちは、標準64平方㍍の教室に35~40人も詰め込まれている。屈辱的というほかない」と強調しました。
 同党の志位和夫委員長は6月の衆院予算委員会で、1兆円の予算で10万人の教員増が可能で、20人程度の授業に踏み出せると提案。7月には全国知事会・全国市長会・全国町村会が連名で、「少人数編成を可能とする教員の確保」などを国に要望しました。
 宮本氏は、少人数学級を実現する場合、教室が不足する問題にも触れました。大阪市は小学校84校(全体の約3割)が統廃合の対象となる条例策定を2月に強行。宮本氏は「(少人数学級を)本気でやるなら、どうして小学校の統廃合などできるのか」と指摘しました。
 大学学費を巡って宮本氏は、OECD参加29カ国中、無償でなく給付制奨学金もないのは日本だけであることを、09年の衆院文部科学委員会で明らかにしました。
 大学・大学院学費の段階的無償化を定める国際条約を、日本は長年受け入れず留保していましたが、民主党政権下の12年に宮本質問に対し、当時の玄葉光一郎外相が留保撤回を表明。同年、撤回しましたが、その後の第2次安倍政権下で、学費は上がり続けています。
 宮本氏は「本来ならコロナなどなくても、学費は半額程度になっていておかしくない」と政府の姿勢を批判しました。
 コロナ禍のアルバイト収入激減や家庭の経済悪化などで、学生5人に1人が退学を考えているといいます。宮本氏は「お金が理由で大学を中退する現実があれば、国際条約はもちろん(教育を受ける権利を保障する)憲法第26条にも反する事態だ」と指摘しました。
 大学の初年度納付金は国立で約82万円、私学平均で約134万円にもなります。「学費半減」を求める署名活動が、全国200以上の大学で行われています。大阪の公立大学の授業料半額は、大阪市大で約16億円、府大で約31億円かかると当局が試算。宮本氏は「大阪市を廃止する住民投票に約32億円(前回時)も投じる財政力があるのなら、大学生の授業料半減こそ踏み出すべきだ」と述べました。

(大阪民主新報、2020年7月26日号より)

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