政策・提言・声明

2006年12月04日

2007年府会議員選挙にのぞむ日本共産党の重点政策

「オール与党」と対決し、住民のみなさんとともに暮らし守る府政をつくります

2006年12月04日
日本共産党大阪府委員会

府民のみなさん

  4月8日にいっせい地方選挙の前半戦である大阪府会議員選挙がおこなわれます。政令市である大阪市と堺市では、同時に市会議員選挙もおこなわれます。

  前半戦に続く一般市と町での統一選挙と、いっせい地方選挙の直後におこなわれる参院選を含めて、来年の春から夏にかけての2大選挙は、国民の暮らしと日本の進路にとってきわめて重大な選挙戦となります。

  とくに大阪府は、地方自治法で定められた「住民の福祉の増進を図ることを基本」にすえて、「市町村を包括する広域の地方自治体」として、国の悪政から府民の暮らしをまもる重大な使命をもっており、大阪府政が国の悪政に追随するのか、これに抗して、府民の暮らしと中小業者の営業を守るために全力をあげるかは、全国一「格差と貧困」が暗い影をおとしている大阪府にとって焦眉の課題です。

  今度の選挙は、国の悪政に輪をかけて、府民サービスを根こそぎ削ってきた現府政とそれを支える、自民、公明、民主、無所属の「オール与党」勢力に厳しい審判を下し、「住民の福祉の増進」という府政本来の役割を取り戻す選挙です。

  太田府政は、①府民の生活苦のなか、福祉・教育を全国最低水準にし、②中小企業の疲弊に追い打ちをかけ、③「財政危機」を口実に府民サービスは切り捨て、ムダな大型開発を推進し、④部落解放同盟いいなりの同和利権を温存・継続するという悪政を強行してきました。

  その上「行革プログラム」と称して、府立高校授業料の再値上げなど、いっそうの負担増をねらっています。

  太田府政与党は、毎年府民生活を切り捨て、大型開発と同和行政を聖域とした予算に賛成し、府議会では「オール与党」が常態化しています。こんな議員がいくら増えても府政は全く変わりません。

  こうしたなかで、日本共産党は、選挙でかかげた公約を守り、①府民の願いを府政に届け、命・くらし守る先頭にたってきました。②府政と府議会のあり方を府民の立場で厳しくチェックしてきました。③党派を超えた府民との対話と共同を一貫して追求してきました。

  府議会定数112のなかで日本共産党は10議席ですが、「オール与党」体制のなかで、この日本共産党の議席は、府民の暮らしと営業を守り、府政のムダづかいをやめさせるうえで、かけがえのない議席です。日本共産党への1票1票こそ、悪政に審判を下し、府民を守る確かな力になります。

  また、小泉内閣から安倍内閣に変わっても、自民党政治の矛盾とゆきづまりはますます深刻です。「庶民増税が大企業減税に消える。安倍政権の大ペテン」「背景にあるのが企業献金だ」(『週刊ポスト」)と、マスコミも書くほどです。また、「アメリカとともに海外で戦争する国」づくりのために、5年以内の改憲を公言しています。こうした政治を進める勢力に厳しい審判を下し、くらしと平和を破壊する暴走にストップをかけようではありませんか。

  選挙になれば、マスコミあげて「自民か民主」のキャンペーンが行われます。しかし、自民・公明勢力と民主の間には「対決軸」などどこにもありません。憲法改悪や庶民増税で「二大政党」は共通の立場です。

  日本共産党が国政でも府政でも住民の利益第一を貫き、財界にも部落解放同盟にもずばりものが言えるのは、企業・団体から1円ももらわない清潔な党、どんな圧力にも屈しない勇気ある党だからです。この日本共産党のかけがえのない議席をぜひ大きくしてください。必ず、全力で府民のみなさんの期待にこたえて働きます。

  いまこそ府政を変え、切実な府民要求の実現のために、ともに力をあわせようではありませんか。みなさんのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

(1)国の悪政くい止め、府民の命と暮らしを守る

 自民党政治の庶民大増税と介護や障害者の制度改悪は、いま府民、とりわけ高齢者や障害者を直撃しています。「市民税が10倍になった」「こんな介護保険料払われへん」「年寄りは死ねという政治だ」…いま、日本共産党が取り組んでいるアンケートには、どの市町村でも悲痛な「叫び声」が寄せられています。

 国の政治が悪いときこそ、悪政と対決して、府民の命とくらしを守るのが、府政を託された知事と府会議員の役目です。日本共産党は、その立場で、くらしと福祉の充実に頑張ります。

 消費税増税や高齢者への大増税の中止を国に求めます。
 府独自に利用料の減免制度を創設し、大阪府下ほとんどの市町村にまで広がった介護保険料・利用料の減免制度をさらに充実させ、介護の負担を軽減します。
 「障害者自立支援法」実施による大幅な利用者負担増を押さえるため、応益負担の撤回を国に求めるとともに、負担限度額を半分に軽減する大阪府独自の助成制度をつくり、施設運営への援助を強めます。また、グループホームや無認可共同作業所などへの府独自の補助制度は継続します。
 生活保護世帯への府独自の夏期、歳末一時金、入院見舞金を復活するとともに、府民の申請権を保障します。
 老人・障害者・ひとり親・子どもの医療費助成の自己負担をさらに軽減します。子どもの医療費助成制度の対象年齢は就学前まで引き上げ、所得制限を撤廃します。
 医師の増員など、小児科、産科、小児精神科などの医師不足への対策を国に求めるとともに、小児初期救急医療体制を充実します。高齢者の医療費負担増凍結を国に求めます。診察日を増やすなど、女性外来を充実させます。
 消費者金融・高利貸し・悪質商法から府民を守るため、消費生活センター・警察による府民への情報提供と相談体制をいっそう強化します。
 防犯灯の増設や交番の新設、空き交番の解消など、犯罪のない安全な大阪をめざします。

(2)父母負担の軽減や少人数学級、保育所増設など、教育環境整え、子育てを支援する

 安倍内閣は、国会のルールも踏みにじって、子どもに「愛国心」を強制し、国が教育の内容に事細かに介入し、支配する教育基本法の改悪を強行しようとしています。まったく許せません。府議会では、自民党などが、東京地裁で違法との判決が出た、東京都の「日の丸・君が代」強制を大阪でも実施せよと要求しています。

 日本共産党は、こうしたやり方に反対し、いじめや、教育現場の「荒れ」や「ゆがみ」を解決し、どの子にも豊かな教育を保障するためにがんばります。

  また、全国以上に深刻な大阪の少子化問題を解決するために、子育て支援策を充実します。

 教育基本法改悪に反対し、その理念を生かした教育行政をすすめます。裁判でも違法の判決の出た日の丸・君が代の強制は許しません。
 府立高校、定時制高校の廃校計画を中止し、希望するすべての府民に高校教育を保障します。養護学校を新設し、過密・過大校を解消します。
 府立高校授業料再値上げに反対し、減免制度を改定前に戻します。全国でも例のない空調機使用料は廃止します。
 35人学級を小3、中1に拡大するとともに、小学校専科加配、全中学校に生徒指導加配教員を配置します。
 子ども家庭センターの専門職員増員など児童虐待防止、相談機能を充実します。
 市町村と協力し、全小学校(政令市を含む)への警備員の配置を08年度以降も続けるなど学校の安全対策をすすめます。
 保育所を増設し、保育所待機児童を解消します。認定こども園制度に関する府条例を改定し、職員配置、施設、保育料の負担などが現状の水準から後退することがないようにします。
 市町村への補助金を増やし、待機児童の解消、指導員の身分保障など、学童保育を充実させます。
 大阪の貴重な文化遺産を継承するとともに、芸術・文化の発展に努めます。

(3)大阪経済の主役・中小商工業と農林漁業への支援を強め、若者の雇用守る

 大阪は、「中小企業のまち」といわれ、事業所の99・6パーセントまでが中小企業です。また、製造品の出荷額のうち65・4パーセントを中小事業所が占めており、全国平均(51・0)と比べても、大きな役割を果たしています。

  大阪府は、雇用も中小企業への波及効果も乏しい一部大企業の誘致には、何十億、何百億という巨費をかける一方、直接中小企業を支える予算は全く貧弱です。

  日本共産党は、こうしたやり方を転換し、大阪経済の主役にふさわしい対策を求めます。また失業率が沖縄についで全国ワースト二位の大阪で、実効ある雇用対策をすすめます。

 金利の引き下げや信用保証料率の軽減など、中小企業向け制度融資をいっそう充実します。
 府の中小企業向け官公需発注率を早期に目標の65%に引き上げます。公共事業を生活密着型中心に転換し、公共住宅建設、住宅や学校の耐震補強などを抜本的に拡大し、中小企業の仕事おこしをすすめます。
 予算、職員配置を増やし、商店街の活性化策を強めます。無秩序な大型店の出店を規制するため、府独自の条例やガイドラインを制定します。
 新製品の開発のための試作品製作への補助制度、販路拡大支援、大学・研究機関との連携を進めるためのコーディネーターの配置など、中小製造業の支援を強めます。
 地元で収穫した米や野菜の学校・福祉施設での使用や直販運動、エコ農業の推進、農家の後継者づくり、有害鳥獣対策の強化など、都市農業を振興します。
 間伐材の公的活用の拡大や普及、山や海の保全と環境改善を抜本的に強めます。
 大企業にリストラ中止と青年の正規採用の拡大、サービス残業の根絶など、雇用の確保を強く求めます。
 「JOBカフェOSAKA」事業は、引き続き若者の就業支援施設としていっそう充実させます。

(4)ムダな大型開発をやめ、談合を防止し、公共事業をくらし・福祉・環境本位に転換する

 財政危機のなかで、ムダな公共事業を削り、真に府民生活に必要な分野に公共投資は集中すべきです。ところが、公共事業のあり方でもいまの府政は逆さまです。不要・不急の大型開発には巨額な予算を組む一方、生活に必要な福祉、道路、河川、住宅、震災対策などは後回しです。日本共産党はムダな大型開発をやめ、公共事業をくらし・福祉・環境本位に転換します。

 談合を防止するため、一般競争入札制度を原則にするとともに、違反企業への罰則を強化します。また、府としてゼネコンへの天下りの紹介をやめます。
 航空需要が少なく、緊急性のない関西空港2期事業には、府財政をこれ以上投入しません。
 需要が乏しく、採算性も見込めない阪神高速道路の延伸や水と緑の健康都市開発、過大な水需要予測に基づく安威川ダム、紀の川利水など、ムダな大型開発は中止します。
 梅田北ヤード跡地は財界への切り売りではなく、防災公園や緑地など府民本意の開発を関係機関と協力してすすめます。住民の反対する貨物駅の吹田・百済への移転に反対します。
 震災に備え、府として木造住宅などの耐震診断、耐震補強助成制度を創設します。公共施設の耐震補強を抜本的に強めるとともに、津波、高潮対策のための水門、護岸、堤防、鉄扉などの安全点検と改修をすすめます。
 府内の河川、水路、ため池、がけ地などの危険箇所の安全対策を強化し、豪雨などによる水害、土砂災害を未然に防止します。
 府営住宅新規建設を進めるとともに、新婚・若年者を対象にした期限付き入居制度の導入や地位承継の対象を狭めることは見直します。

(5)利権、部落解放同盟との癒着を一掃し、同和行政の終結をはかる

 ハンナングループの牛肉偽装や「芦原病院事件」、「飛鳥会事件」等々、同和行政をめぐる不正と腐敗が次々と明らかになりました。部落解放同盟幹部と大阪府・市政との癒着がその一番の原因です。ところが大阪府は、依然として部落解放同盟との関係を清算しようとしていません。また、根拠となる法律もなくなり、差別を助長するだけの同和行政を「今後も続ける」と言っています。日本共産党は、同和行政の全てを府民の前に明らかにさせ、きっぱり終結させます。

 人権の名目ですすめている一切の同和行政は中止し、同和関係団体への補助金、委託金は全廃します。
 同和利権を漁ってきた部落解放同盟とその関係団体が主催する講座や研修への職員の参加は中止します。
 差別を拡大する同和地区学力抽出調査や行政データを活用した同和地区実態調査結果は廃棄し、今後は一切行いません。
 部落解放同盟系のハンナングループとの癒着を全面的に断ち切り、南大阪食肉市場株式会社への25億円の貸付金については、厳正な調査を行い、返還させます。
 「地域支援人権金融公社」への府の貸付金は直ちに全額返済させます。

(6)府民に身近で役立つ府政へ、行政のありかたと議会を改革する

 地方自治体が、ムダをなくし効率的な行財政運営の努力をおこなうことは、本来の仕事である住民の福祉、行政サービスを充実するためにも当然求められることです。そのためにも、府議会はムダを率先してなくすべきです。日本共産党は、その立場で府民に身近で役立つ府政へ行政のありかたと議会を改革します。

 議会での請願審査への請願者代表の出席と意見表明の保障など、府民の請願権を拡大します。
 海外視察は中止します。(日本共産党はこの間参加していません)
 政務調査費はすべての使途と領収書等を添付して公開することを提案しています。
 費用弁償は実費支給を原則とします。
 府民センターなど出先機関の機能の充実など、身近で便利な府政を目指します。

(7)ムダ削り、大企業への応分の負担で財源を確保する

 財政危機のもとでも、大型開発や同和行政などのムダを徹底して見直し、史上空前の儲けをあげている大企業・大銀行に応分の負担をさせれば、これらの要求を実現することは十分可能です。

 定率減税の縮小・廃止によって、昨年より今年度80億円、来年度160億円の府増収分は、府民生活の緊急施策に役立てます。
 資本金10億円以上の大企業への超過課税を、現在の5パーセントから10パーセントに引き上げます。そうすれば年間約90億円の増収となります。
 これからも1300億円以上ものお金を投入する、不要不急で環境も破壊する関空二期事業、ダム建設、高速道路建設、箕面北部丘陵開発などを凍結・中止します。
 工事落札率97・4パーセントと、談合の疑いの強い大阪府の公共事業入札制度を、公正な一般競争入札を原則とし、支出の削減をはかります。長野県並に改善すれば、大型工事(入札額上位10事業)だけでも年間80億円もの財政の節約になります。
 必要性も法律もなくなったいまでも年間55億の税金を投入している同和対策事業を終結します。

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