政策・提言・声明

2008年08月08日

府民に空前の激痛押し付ける「維新案」・府予算

たたかいの到達に確信持って府民と地方自治を守る運動を

2008年08月08日
日本共産党大阪府委員会自治体部長 丸野賢治

大型開発、 同和行政は継続、府民には激痛
府民犠牲の予算、 自公民が賛成して可決

 7月臨時大阪府議会は、 橋下知事の 「大阪維新プログラム案 (「維新案」)」 と08年度本格予算を審議、 08年度予算を自民、 公明、 民主などの賛成多数で可決しました。 橋下知事は、 私学助成、 人件費など約18億円の修正を行いましたが、 府民の要求にてらしてわずかな修正です。 修正した私学助成を含めて、 児童や母子、 障害者施策への補助削減など福祉・教育・文化に大なたを振るい、 府民に激痛を押し付ける予算であることに変わりはありません。 「維新案」 では、 「老人、 障害者、 乳幼児、 ひとり親家庭」 の医療費助成などを来年度以降もさらに削減していくとしています。 公の施設では、 青少年会館や国際児童文学館の廃止・売却、 移転、 上方演芸資料館(ワッハ上方)の移転、 規模縮小などを進めます。
 一方で事業が完了しても約750億円赤字が出る箕面市山間部の開発事業、 新名神と阪神高速大和川線事業、 安威川、 槇尾川ダム建設事業など、 大型開発事業はすべて 「必要」 としています。
 日本共産党は、 府政の役割を投げ捨て、 無駄を温存し府民に犠牲を押し付ける逆立ちした橋下府政の 「改革」 に反対します。 300万筆を超える署名集約など、 大きく運動を前進させている府民の皆さんと一緒に、 府民の暮らし応援と財政再建を両立して進めるとともに 「維新案」 の抜本的見直しのために全力を挙げます。

府民の世論と運動に確信  
広がらざるを得ない橋下 「改革」 批判

 「PT試案」 (プロジェクトチームの財政再建プログラム試案) 発表以来、 広範な府民各界、 各層の 「試案の撤回、 見直し」 を求める運動が大きく盛り上がり、 府下17の地方議会でも 「見直し」 を求める意見書が採択されています。 署名は300万人分を超え、 世論調査やパブリックコメントでも 「福祉や教育は削るべきでない」 の声が多数になっています。 府民は橋下知事に 「改革の白紙委任」 をしているわけではないのです。
 この世論と運動を背景に、 「PT試案」 で打ち出していた、 35人学級見直しや私学助成の削減、 救急救命医療補助削減、 障害者施策の一部見直しなどが、 ストップされました。 議会の議論にも府民の運動は大きな影響を与えています。 予算に賛成した自民、 公明、 民主でさえ 「セーフティネットは行政の最低限の仕事」 「文化不毛の大阪とならないように」 などと発言せざるを得ませんでした。
  「維新案」 では、 これからも 「老人、 乳幼児、 障害者、 ひとり親の医療費助成」 見直し、 市町村補助の削減、 教務事務補助員350人の雇い止め (解雇) など、 さらなる府民犠牲を押し付ける計画です。
 10年度末に機能縮小・移転などとされた 「ワッハ上方」 や国際児童文学館の関係者も 「存続を前提として押し返せるものは押し返す」 (伊東館長、 「毎日新聞」) 「存廃を巡る状況が厳しいことには変わりないが今議会で結着したとは考えていない」 (北田常務理事、 同) と運動を引き継ぐ考えです。 橋下 「改革」 の激痛はいよいよこれからです。 ひどい実態、 本当の狙いなど、 その内容が広がれば広がるほど、 府民の批判は大きくならざるを得ません。

橋下「改革」の誤りを明らかにした日本共産党の論戦
財界利益第一の 「古い政治」 を極限まで進める橋下 「改革」

 7月府議会で日本共産党府会議員団は、 橋下 「改革」 について、 第1に自治体としての理念がなく、 住民サービスと広域的役割を放棄、 第2に財政悪化の原因である国の地方財源圧迫と開発優先の府政運営も一切不問にしている。 財政再建というのなら、 国がカットした地方税財源の復活を求めるとともに、 府独自に無駄な大型開発や同和予算を真っ先に廃止するなど税金の無駄使いを徹底してなくすべき。 第3に今すぐにも府財政が破たんするかのように府民を脅しながら進めるのでなく、 財政再建は情報を全面的に公開して府民参加で進めるべき、 を基本に重要な論戦を行いました。
 党府会議員団は、 各界、 各層との懇談や調査を基にしたリアルな実態を示して、 橋下府政の府民犠牲のひどい内容を明らかにしました。 たとえば精神障害者の 「家族会」 へのわずか245万円の補助金が大幅にカットされればどれだけ打撃になるのかを示して迫った質問では、 知事は 「基準を1つ崩すとほかに影響する」 などとまともな反論もできず、 橋下 「改革」 の非情さと自治体としての理念のなさを浮きぼりにしました。
 また、 大阪府の5兆円の借金の最大の原因が、 歴代オール与党府政が財界言いなりで進めたりんくうタウン事業 (税負担1789億円、 銀行利息1095億円)、 関空2期事業 (大阪府負担1140億円) などの大型開発事業の失敗にあることを明かにし、 橋下 「改革」 が 「聖域なく、 みんなで痛みを」 と言いながら財界が求める大型開発は聖域にし、 同和事業の無駄使いを一部手直ししながらも継続するやり方を、 徹底して明らかにしました。
 共産党の追及に橋下知事は、 「大阪の役割というのも広域行政体として…近隣他府県を見渡した上で、 産業政策やそういうことに特化するのが大阪府の役割と思っている」 と答弁、 府政運営方針では 「関西広域連合の実現を急ぎ、 関西州へのステップとして大阪府の発展的解消も辞さない覚悟」 と断言しました。 府民への我慢押し付けの後に橋下知事が構想している本当の狙いは、 「自己責任と互助」 「住民サービスは市町村で」 という、 いっそうの福祉、 教育の切り捨てと、 財界の要請に応えるための道州制につなぐ大阪府解体であることが鮮明になりました。
 一方、 日本共産党以外の各党は、 質問ではあれこれ注文を付けながら 「橋下改革はわが党が目指すものと一致」 (自民)、 「わが党の意見が入れられた」 (公明) と府民要求切り捨てに賛成。野党の民主党は内部では 「修正といってもあって無いようなもの」 といいながら、 「知事の主張は政権交代を目指すわが党と一致」 (民主) と議場に失笑が漏れる議論で賛成にまわり、 国だけでなく大阪府政でも自民、 公明政治に対する対抗軸のなさを浮き彫りにしました。 これにはマスコミも 「共産を除くオール与党化のきざしが見えてきた」 (朝日新聞) と、 この議会を評しました。

橋下 「改革」 の反府民的中身を草の根で知らせ、
府民の福祉、 教育、 文化を守り抜く共同を

 自民、 公明小泉政権の 「構造改革」 によって、 非正規・不安定雇用の激増、 医療の破壊や介護などの負担増、 「貧困と格差」 の拡大など、 国民の暮らしは、 いよいよ深刻になり、 その破たんが明らかになっています。 さらに地球温暖化、 食糧自給率低下、 原油高、 食料品の高騰など、 自治体としても無視できない新たな課題も次々発生しています。
 こうした中で 「地方公共団体は住民の福祉を図ることを基本と」 (地方自治法第1条の2) する大阪府政の役割は極めて重要です。
 神野直彦東大教授は 「小泉改革で医療や生活が崩壊し、 削減一辺倒のやり方を日本全体が反省している時期なのに橋下知事は相も変わらず削るばかり。 これでは大阪経済や府民生活の再生は図れない」 (読売新聞) と批判しています。
 これまでのたたかいで明らかになったように、 府民各界各層の運動は大阪府も議会も無視できない力を発揮しました。 橋下 「改革」 は府民のための理念も道理もない 「財政再建」 であり、 府政の仕事を投げ捨てた、 財界の期待に応えるものでしかないことに、 多くの府民が気付き始めています。 このことに確信を持って、 府民共同のたたかいをいっそう強化するときです。
 福祉4医療や市町村補助の抜本的な見直しなど引き続き重要な課題が続きます。 後期高齢者医療制度の廃止など国政要求とも結合しながら、 府民の要求運動をさらに広げて、 9月議会や来年度予算編成に向けて、 施策の復活も含めた要求の実現を目指さなければなりません。
 そのために、 運動の前進への確信と橋下 「改革」 の道理のなさを学習し草の根で広げましょう。 共同を広げる申し入れや地域連絡会の取り組み強化、 補助金削減を許さない府下自治体でのたたかいなど、 この間の教訓を生かしてたたかいを進めましょう。
橋下知事の私学助成削減に対し、 愛知県の高校生がバス2台で大阪府庁に来て、 「こんなことを許せば全国の高校生が泣かされる」 と訴えました。 大阪府解体、 道州制を目指す橋下知事のプログラムは、 政府・財界が狙う道州制とその考え方が住民に何をもたらすかを先取りして示すものになっています。 府民の運動は全国的な意義を持つものとなっています。

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