政策・提言・声明

2011年03月03日

子どもの成長・発達のために 安全で豊かな中学校給食の実施に向けて力を合わせましょう

2011年3月3日
日本共産党大阪府委員会 

 子どもの豊かな成長のために、「安全でおいしい」学校給食の充実を求める府民・保護者の声は切実です。この願いは、子どもをめぐる貧困が深刻さを増す中で、いっそう切実になっています。育ち盛りの中学生にとって、学校給食は大切です。
 しかし、大阪府内の公立中学校での完全給食の実施状況は12.3%(12市町57校、2010年度末見込み)にとどまっており、全国平均が約80%ということからみても、きわめて立ち遅れています。こうした状況を打開することが急務です。

府民と保護者の願いが政治を動かす――府が中学校給食導入を促進

 中学校給食導入を願う府民と保護者の運動が府内各地で進められ、日本共産党は府議会、市町村議会で繰り返し実施を求めてきました。
 こうした中で、大阪府は2011年度予算案で、中学校給食導入を促進するために、市町村に対する財政支援として5年間で246億円を補助することを明らかにしました。
 府の動きを受けて箕面市は、中学校給食を全校に広げることを検討し、市町村の半数程度が導入に賛成の意思を示していると報じられています。
 また、大阪市は2013年度中に中学校給食を全校実施する方針を明らかにしました。
 府民と保護者の願い、学校関係者と日本共産党の共同した運動が政治を動かしています。
 日本共産党は、広範な府民と保護者、生徒、教職員はじめ学校関係者の皆さんと力を合わせて、中学校給食を公立中学校全校に広げるために頑張ります。中学校給食実施に向けた府民的な共同を呼びかけます。

安全で豊かな中学校給食の実施に向けて――日本共産党の提案

 中学校給食を実施するうえで、市町村や学校関係者のあいだでの議論と合意、意見反映が大切です。
 学校給食は、憲法と学校給食法に基づき、子どもの生存・成長・発達を保障するために、また、教育の一環として重要な意義をもっています。
 日本共産党は、安全で豊かな学校給食の公立中学校全校実施に向けて、次の4つの政策を提案します。府民の皆さんのご意見をお寄せ下さい。

自校・直営方式を広げ、地産地消を進めます

 和泉市では1960年から全小・中学校で自校・直営方式による給食を実施しています。和泉市産の米、野菜やみかんなども献立に取り入れ、A中学校のアンケートでは生徒の約8割が「給食は好き」「給食はおいしい」と答えています。
 安全で豊かな学校給食を実施するために、学校ごとに調理場があり調理員の直接雇用をはじめ自治体が運営全体に責任をもつ自校・直営方式は、重要な意義をもっています。自校・直営方式を広げます。
 安全性が確かめられた国産の食材、地場産・府内産の農畜水産物を取り入れる地産地消を進めます。
 中学校給食の開設では、安全面と衛生面で行き届いた給食調理施設・設備を整備します。

学校給食の実施に必要な教職員の正規雇用を促進します

 教育の一環としての学校給食を実施するため、栄養教諭(学校栄養職員)と学校給食調理員は専門職として重要な役割を果たしています。栄養教諭は給食管理と食育、学校給食調理員は調理業務を担っています。
 学校給食の実施に必要な教職員の正規雇用を促進します。国の責任による栄養教諭の全校配置を求め、府の独自配置を進めます。学校給食調理員は自治体が直接雇用します。
 学校給食を充実するためにも、少人数学級・30人学級の実現や非正規教職員の正規化など教育諸条件を整備・拡充します。

就学援助を拡充し、給食費無償化を進めます

 大阪府の公立小・中学校の給食費は小学校(5・6年)で平均月額3551円、中学校で平均月額3927円です(2008年5月現在)。
 学校給食法に基づく中学校給食の実施により、就学援助を給食費に広げることができます。就学援助への国の補助拡充を求めます。
 さらに、義務教育を無償とする憲法第26条の立場から、給食費無償化を進めます。

市町村への国や府の財政支援を強めます

 義務教育に必要な経費は国が責任をもち、学校給食法第5条は「国及び地方公共団体は、学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならない」と明記しています。
 この立場から、学校給食の開設に必要な施設設備費や人件費など運営経費について、国に対して補助拡充を求めるとともに府が上乗せ補助を行い、市町村への財政支援を強めます。

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