政策・提言・声明

2015年09月25日

大阪府大・市大「統合」の計画
議会も住民も否決済み 議案提出は許されない

 橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事は、25日開会の市議会と29日開会の府議会にそれぞれ、府大・市大「統合」関連議案を提出しようとしています。

 同趣旨の「統合」関連議案は2013年11月末、日本共産党、自民党、公明党、民主系会派の反対多数で否決されたものです。また、府大・市大「統合」方針は、今年5月の住民投票で否決された「大阪都」構想に含まれており、大阪市民の民意が示された問題です。

 すでに二重に決着した問題を持ち出し、「統合」関連議案を提出することは許されません。

 府大・市大「統合」の問題点は第一に、全国と大阪の子どもの公立大学受験の機会を減らし、憲法が保障する学ぶ権利を奪うものです。第二に、「統合」は両大学が内発的に要求しているものではなく、橋下・「維新」が、学問の自由・大学の自治を蹂躙(じゅうりん)し、強権的に大学に押し付けているものです。第三に、府大と市大はそれぞれ、独自の建学の精神と伝統をもち、専門分野も独自に発展を遂げ、教育研究に重要な役割を果たしており、ムダな「二重行政」ではありません。

 こうした重大な問題点をもつ府大・市大「統合」計画は撤回すべきです。いま、府と市がやるべきは、運営費交付金を増やすことなど両大学の教育研究条件を拡充することです。

 これまでに、府大・市大名誉教授ら21氏が「橋下市長の大学自治への介入と府大・市大の拙速な統合を憂慮する」声明を発表。学内では「市民が大阪市解体を否定したいま、私たち大学人が自ら、大学のあり方を根本から問い直し、議論する必要がある」として教員有志が呼びかけた懇談会が開かれました。両大学の学生は、学生と合意のない統合の撤回を求め、卒業生らは拙速な統合に反対する運動を進めています。

 私たちは、広範な府民・市民、大学関係者と共同し、大学自治に介入し「統合」を押し付ける「維新政治」に終止符を打つため奮闘します。府大・市大の大学改革は、府民・市民の意見を十分踏まえて、大学自治を尊重して大学関係者の議論と合意で進めることが求められます。

(日本共産党大阪府委員会学術文化委員会責任者 小林裕和)

                       (「しんぶん赤旗」2015年9月25日付)

 

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