政策・提言・声明

2021年06月15日

府委員会の総選挙アピールを大きく広げよう

中村正男(大阪府委員会副委員長)

 日本共産党大阪府委員会は6月5日の府委員会総会で総選挙に向けたアピール「コロナ禍で浮き彫りになる菅政権、維新による『二重の逆流』を打ち破り、いのちとくらしを守る大阪へ――日本共産党の躍進、野党連合政権樹立をよびかけます」をだしました。

アピールにこめた狙い

 アピールは「二重の逆流を打ち破る」という、大阪で全党的にも要請されている課題にいよいよ総選挙で挑む。そのために大阪での「比例80万得票」と「野党連合政権」をなしとげることをよびかけたものです。
 中身は、①大阪のコロナ感染症の拡大、「医療崩壊」――菅政権、維新の対策の抜本転換を、②菅政権、維新政治のおおもとからの転換を、③「二重の逆流」と正面対決し、「市民と野党の共闘」で新しい大阪と日本を切り開く日本共産党、という3つの章から組み立てています。

コロナ問題――「二重の逆流」による「人災」

 コロナ問題は、6月1日付で府委員会の緊急アピールをだしており、その中心点を端的にのべています。
 大阪での感染と死者の広がり、「医療崩壊」という事態は、菅政権と維新政治という「二重の逆流」による、「二重の人災」という様相を濃くしています。
 「毎日」6日付に「爆発的に襲来、医療の限界超えた 大阪の看護師が見た第4波」という記事があり、「疲れ果ててとっくに限界を超えた。不十分な受け入れ態勢の中で多くの方が亡くなっていく状況を目の当たりにし、初めて看護師になった事を悔やんだ。府市は、ずれたコロナ対策とずさんな保健医療体制をしいた責任を免れない。コロナ対策を自治体に丸投げした政府も悪い」という看護師の声が紹介されています。
 この点では「明るい会」が実施した「1000人ネット調査」で、吉村知事の「コロナ対策」について問うと、とくに「重症病床確保数215床から150床への減床(3月1日)」「自宅療養者への支援」「保健所体制整備」「事業者支援(協力金等の支給スピード)」などについては、「維新支持」という方も含め、「評価しない」という声が、「評価する」という方の3倍前後となっており、府民の不安と怒りの大きさがでています。

大阪で「3つの転換」を

 2章は、コロナ禍という府民的体験のもとで、多くの方が大阪と日本の政治、経済、社会のあり方の根本を見つめ直しつある。その声を「入口」にしつつ、日本共産党としての「出口」――転換方向を3つの角度でのべています。

①政治の役割は「公助」を貫き、命と暮らしをまもること――医療・福祉の「公助」の放棄、「自助」まかせをきっぱり転換せよ

②「商都大阪」の主役・府民のふところと中小企業をあたためる経済対策こそ――コロナ禍でもしがみつく、「インバウンドとカジノ頼み」を切り替えよ

③政治に立憲主義と民主主義、個人の尊厳を――「一人の指揮官」のやりたい放題で政治を私物化、教育に土足で介入をきっぱり改める

 このなかでは、菅政権の悪政をどう立て直すかを正面にたてながら、「維新政治」の実態についても書き込んでいます。それは1つは、国政に果たしている維新の役割をみてほしい。たとえば、コロナ禍のこんなときに医療病床削減法、高齢者医療費2倍加法に加担している。菅政権の補完ぶりをリアルにする。いま1つは、大阪ですすめている維新政治を国政にもちこまれたらどんなひどいことになるかを示すためのものです。
 アピールでは、病床削減とともに、看護師、保健師、衛生行政部門の職員数が大阪では全国平均の2倍以上削減されているデータを示しました。大阪の医療破壊の最たるものとして住吉市民病院廃止問題にもふれています。この病院の解体工事は昨年3月から開始し、いま建物がすべて取り壊されました。住之江区・前医師会長の松嶋三夫さんが大阪3区オンライン演説会のゲストスピーチで、「この病院を残しておけば100床が確保できた」ときびしく糾弾しています。
 実は、さまざまな世論調査によると「維新」をもちあげている一つに、「菅政権のひどさ」があります。維新は「野党ポーズ」をとることで、「菅内閣不支持層」からも支持をとりこんでいます。
 同時に、この間の「大阪市・住民投票」での敗北、コロナ対策の失政ぶりをつうじて様相に変化が生まれています。
 この点では、維新は菅政権の補完勢力であり、「維新を伸ばしたら菅政権を変えるどころか、もっとひどくなる」ことを事実で示していくことが大事です。この点でもアピールを大いに活用していただきたいと思います。

対話の「主役」は「日本共産党の値打ち」

 同時に、決定的に大事なのは、「菅政権を変える決定的力は日本共産党の躍進と野党連合政権の樹立だ」と正面から提起することにあります。この訴えが響く情勢の変化がでています。
 アピールの第3章では、大阪の日本共産党の真価を示すものとして、①苦難軽減を立党の精神に――コロナ禍のもとで ②「二重の逆流」に立ち向かい、草の根から政治を動かす ③憲法9条改悪を許さない。アメリカにも、中国にもきっぱりものをいう平和・自主・自立の党 ④「ジェンダー平等」「気候変動」を綱領に明記。未来の扉を開く党 ⑤「市民と野党の共闘」「野党連合政権」で政治を変える党、というポイントと材料を示しています。

 支部や党員、後援会のみなさんが、これらをヒントに、それぞれ自在に語っていただくことを期待します。
 こうした輪の広がりが、「野党は連合政権」の草の根からの声を多数派にしていくうえでも大事です。
 「特別期間」の到達と教訓を力に、「比例80万」への新たなスタートを切る6月。府委員会アピールをその力にしていきましょう。

月別アーカイブ