政策・提言・声明

2021年06月01日

緊急事態宣言再延長を受けてのアピール
府民の命と営業を守るため、
これまでの政策から今度こそ「コロナ封じ込め」を
戦略目標にすえる政策への転換を

2021年6月1日 日本共産党大阪府委員会

 政府は緊急事態宣言の期限を6月20日まで延長することを決めた。国も大阪府も、コロナを封じ込めるための有効な対策をとらず、宣言が延長を余儀なくされたことは重大である。

 3月1日以降の第4波において大阪では1000人以上が亡くなった。昨年の死者と合わせると2300人を超え全国最多となり、人口当たりの死者でも東京を上回った。(5月31日現在)。入院率は10%まで下がり、病院で治療を受けられない自宅待機者などが一時1万8000人を超えた。府民が必要な医療を受けられない、という医療崩壊を起こした大阪府の責任は極めて重い。

 府が全国に先駆けて緊急事態宣言の解除を要請しながら、検査の抜本拡大を実施せず、重症病床の運用数を223床から156床へと減少させた結果、重症患者がベッド数を上回る期間が続いた。高齢者施設等の感染者は施設に留め置かれ、適切な治療を受けられない事態が生じた。治療を一切受けられずに亡くなった方が第4波だけで19人に上り、保健所からの連絡を受けることなく30代の方が亡くなるケースもあった。医療現場ではコロナ以外の治療が制限され、「命の選別」を迫られる事態となった。ところが大阪府は国に医師の派遣すら要請してこなかった。大阪府における感染拡大は、変異株の影響があったとはいえ、「コロナ封じ込め」戦略を欠き、後手後手の対応に終始した吉村府政の「人災」である。

 「助かる命が助からない」事態をもう二度と繰り返してはならない。感染拡大の波が繰り返されるたびに命が失われる。自粛と緩和の繰り返しでは、くらしも経済も疲弊する。

 大阪でもインド株が確認されるなか、医療体制を立て直し、「第5波」の感染拡大を抑え込む具体策を即座に実行することが必要である。これまでのコロナ対策から、コロナを封じ込めるための政策転換を、以下5つの内容でただちに進めることを府に求める。

一.ワクチンの安全・迅速な接種をすすめる

 現在大阪府の高齢者のワクチン接種率は9.8%に過ぎない(5月27日現在)。個別接種を担う医療機関からは、「ワクチンの供給がいつになるのか、どの程度の量なのか、直前にならないと分からず予約を入れられない」などの声が上がっている。迅速なワクチン接種のため、大阪府は各市町村の実態をつかみ、ワクチン供給の見通しを迅速に各市町村に伝えることが必要である。

 

―――ワクチンの打ち手不足解消のためにも、集団接種に協力される医師や看護師の報酬を増額し、休業補償制度も確立すること。

―――医師会などとも緊密に連携し、個別接種が広がるよう体制を整備すること。

―――コールセンターの増員をはじめ、ネットでも電話でも確実に予約ができるよう、府はシステムのノウハウ等含め、市町村をバックアップすること。

二.大規模検査を今度こそ実施する

  吉村知事は「新たな変異株が広がる前にワクチンを広げる。これしかない」などと述べている。ワクチンの普及は重要だが、集団免疫が得られるには時間がかかる。社会的検査と無症状者を対象にした検査の抜本拡大が必要である。

 高齢者施設等で発生したクラスターは、4月で52施設であった。一方、高齢者施設等の集中的検査によって75の施設で陽性者を発見したが、そのうちクラスターとなったのは6施設にとどまった。無症状感染者の早期発見が拡大防止に繋がり、クラスターの未然防止に寄与したのは明らかである。
 同時に、第4波の死亡例の約3割が高齢者施設や医療機関等で占められていることから、半分ほどの施設しか集中的検査を受けていない実態を改善する必要がある。

 濱岡豊慶応大学教授が示した「コロナ対策都道府県ランキング」で、大阪は最下位となった。要因の一つは「累積陽性者あたりの累積検査人数」の少なさである。これは無症状者を対象にした検査が決定的に不足していることを意味している。連日のようにメディアに出演する知事は、検査の重要性こそ発信し、無症状者を含めたモニタリング検査等を大規模に実施すべきである。  

 

―――「高齢者施設等従事者定期PCR検査」の対象を7月以降も維持し、通所施設や訪問系施設の従事者や入所者・利用者、医療従事者、学校・保育所・幼稚園・放課後児童クラブ職員に拡げること。また最低でも1週間に一度の検査を実施すること。

―――1日2500件の検査が可能な全自動PCRシステムやプール方式なども活用し、モニタリング検査含む幅広検査を1日2万件以上に増やし、府内全域の繁華街やターミナルで行うこと。感染源となっている地域や集団には「面」の検査を行うこと。

―――無症状者でも受けられる検査センターを二次医療圏に複数設置すること。

―――インドからの変異株を調べるスクリーニング検査を全陽性者に対して行うこと。

 三.医療機関への減収補填、保健所体制の強化を

  コロナ患者を受け入れている病院も、そうでない病院も、地域医療は共同で支えており、診療控えなどで減収が生じている医療機関への減収補填が必要である。また薬局・介護・福祉事業所などへの支援を強化すべきである。
 感染抑止の要である疫学調査を担う保健所職員が、過労死ラインを超えて勤務する実態を放置しておくことは許されない。早急に改善する必要がある。

―――現在確保している病床を減らさず、国にも協力を求め重症病床を500床確保すること。

―――自宅療養者への往診を「持ち出し」で実施している医療機関がある。診療報酬特例加算などの支援を強めること。

―――積極的疫学調査ができる退職保健師を臨時的に活用するとともに、通年で保健所体制強化に努めること。

四.十分な補償の徹底

 感染拡大を抑止するためには、十分な補償が必要である。緊急事態宣言が延長されたことで、事業者は先の見えない大きな不安のなかにいる。ところが大阪府の第2期(2月8日から2月28日)営業時間短縮協力金の支給済みは42%、第3期(3月1日から4月4日)は7.6%(5月30日現在)に過ぎず、事業者から「もう限界だ」の声が上がっている。遅れの背景にあるのは、審査が「性悪説」にたち、「疑わしきは支給しない」運用となっていることである。不当に追加の資料を何度も要求されたという業者もある。この運用を転換し、事業者への補償を徹底しなければならない。これ以上の支給の遅れは、時短や休業に協力した事業者を「見殺し」にすることであり、到底許されない。

 協力金の支給対象となっていない事業所や文化・芸術団体、フリーランスなどは、事業継続の危機と生活苦に追い込まれている。大阪の文化、芸術の重大な危機であり、すべての損失を行政が補償する必要がある。また科学的根拠のない休業要請や時短要請、客席減の要請・働きかけは行うべきでない。

 

―――協力金の手続きを担う職員を大幅に増員し、速やかな支給を進めること。また減収となっている事業者への府独自の支援制度を設けること。

―――持続化給付金、家賃支援給付金の再支給を国に求めること。

―――文化・芸術団体、フリーランスを含む個人へ、使途を問わない特別給付金を支給すること。

 五.東京五輪の中止を政府に求める

 東京五輪は世界から数万人の選手や関係者が来日するなど、感染爆発の大きなリスクを生じさせるとともに、医師や看護師の確保などの特別な医療体制の整備により、医療ひっ迫を生じさせる危険がある。コロナ対策と東京五輪は決して両立できない。

 IOCのバッハ会長は「誰もが犠牲を払わなくてはならない」と述べ、パウンド委員は「首相が中止を求めても、大会は開催される」「アルマゲドンに見舞われない限り五輪は開催する」と言い放った。国民の圧倒的多数は今年7月の東京五輪開催に反対である。日本国民の命と公衆衛生を一顧だにせず、日本の主権を侵害する言動に対して、政府はもとより大阪府としてIOCに対し抗議すべきである。そして大阪府からも東京五輪の中止の決断を日本政府に求めるべきである。

 また大阪府、市はカジノなど不要不急の事業を見直し、コロナ対策に集中するべきである。

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