政策・提言・声明

2014年03月24日

「出直し大阪市長選挙」の結果について

2014年3月24日 日本共産党大阪府常任委員会  

(1)
 23日投開票でおこなわれた「出直し大阪市長選挙」は、投票率が23・59%と過去最低となりました。橋下前市長は再選されたものの、得票を前回2011年市長選の75万から今回37万へと半減させました。
 橋下氏とその「大阪都」構想が「民意を得る」どころか、この構想がいかに民意とかけ離れたものであるかが、あらためて鮮明になりました。
 この結果をもとに「法定協議会でメンバーを入れ替える」など、もとより許されるものではありません。今回の結果にてらし、橋下氏と「維新の会」は「大阪都」構想をきっぱり断念すべきです。

(2)
 「出直し選挙」は、橋下氏が何重もの虚構を重ねたものでした。
 何よりも、市長辞職そのものが「大阪都」構想の破たんのうえになされたものであり、「選挙に勝てば、法定協議会のメンバーを入れ替える」など、選挙を議会封じの道具にしたてあげるものでした。何の大義も、道理もない「出直し選挙」の強行にたいして、「選挙費用6億円のむだ遣い」批判は、告示後さらに大きく広がりました。
 選挙戦での演説は、ペテンぶりが目に余るものでした。

 ――パネルをかかげ、最大の売り物にした「大阪市のままなら大赤字、大阪都になれば大黒字」論は、その数字の根拠を示すことができず、「大阪市をよくする会」をはじめ、マスメディアからも批判されると、「これはイメージ」などとごまかしにでました。

 ――旧WTCなどの破たんについて、「大阪市が巨大すぎるから」などと真の原因、責任をそらす議論に終始しました。

 ――「大阪市民以外に税金を使っている」として、市立病院、市立大学、市立高校つぶしをあおり、「民営化」を叫んできた市営地下鉄について突然「府営にせよ」と訴えるなどのデタラメさもきわだちました。

 ――「市長としての実績」として市民向けサービス379億円をばっさり削ったことを「改革」などと称しました。

 しかし、その一つ一つが市民に見抜かれ、包囲されていきました。彼らの街頭タウンミーティングでも、「大阪都って何かわからない」「敬老パス有料化で高齢者を泣かせている」「介護保険が高すぎる」「次世代のためというのに、なぜ公立幼稚園を民営化するのか」などの批判が少なからず出ていました。大義のない「出直し選挙」への批判、「大阪都」構想への不安と異論、この間の維新政治によるくらし切り捨てへの怒りが、大きく突きつけられたのです。

(3)
 わが党と「大阪市をよくする会」「明るい民主府政をつくる会」は、大義も、道理もない「出直し選挙」を批判し、「大阪都ノー・維新政治打破」をめざす共同のたたかいを重視する立場から、独自の候補者を擁立せず、政治的なたたかいを広げる態度をとりました。この立場は今回の結果にてらしても、広い市民・有権者の思いにかなうものでした。
 市議会内外で、政治的立場やこれまでの経緯をこえて、「大阪都」ストップの立場での共同が大きく広がりました。またさまざまなつどいや対話をつうじて、「大阪都」のペテンや幻想をはぎとる活動がさまざまに展開されました。
 これらは、これからのたたかいの大きな力であり、橋下・「維新の会」にたいして市民共同で政治的終止符を打つ土台をきずくものです。
 再選された橋下市長は、「大阪都」構想に固執する態度をみせています。しかし、その前途には、選挙前以上の困難と障害がたちはだかります。4月1日から消費税増税が強行されようとする中で、市民生活を守る大阪市政の役割が強く求められているにもかかわらず、国保料の値上げなど、暮らし切り捨てをすすめる橋下市長との矛盾はいよいよ激しくなるでしょう。大阪市職員への「思想調査」や「労組事務所撤去」にたいする府労委の断罪や「慰安婦」問題での暴言にたいする国内外の批判も高まっています。
 橋下・「維新の会」はいよいよ追い詰められています。
 わが党は、今回の選挙結果を力に、「大阪都ストップ・維新政治ノー」で一致するすべての政党・団体・個人との共同をさらに大きく発展させ、広範な市民とともに、大阪市政の民主的転換へ、新たなたたかいにのりだすものです。

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