政策・提言・声明

2006年03月16日

障害者自立支援法実施にむけての大阪府への緊急要求

2006年3月16日
日本共産党大阪府委員会

 4月1日からの障害者自立支援法の実施を前にして、日本共産党は「障害者自立支援法実施にむけての緊急要求-2006年4月までに、これだけは解決を」を発表しました。

 その中で指摘しているように、この障害者自立支援法の最大の問題は、利用料は能力に応じて負担するという「応能負担」原則を、利用したサービス量に応じて負担するという「応益負担」へと転換したことです。福祉サービスの利用料は定率1割負担になり、施設やグループホームの利用者は、食費と居住費(光熱水費など)も全額自己負担となります。

 これは、耐え難いばかりの負担増です。重い利用料負担に耐えられず障害者が通所サービスなどの利用を断念することが懸念されています。一刻も放置できません。

 日本共産党は、国にたいして「応益負担」の撤回を、ひきつづきつよく要求すると同時に、重い利用料負担のためにサービスが受けられなくなる事態が起きないよう、負担減免策のいっそうの拡充や事業・施設運営、市町村支援などに十分な財政措置を講じるよう求めます。

 同時に、大阪府と市町村も、独自の負担軽城策をはじめ、一歩でも二歩でも可能な改善をはかるために全力をあげるべきです。とりわけ、市町村を指導・援助し、府民と障害者の生活と権利を守る上で、大阪府の役割は重要です。こうした立場から、日本共産党大阪府委員会は、障害者自立支援法実施にむけての大阪府への緊急要求を発表し、その実現を強く求めるものです。

1.福祉サービス利用料・医療費の自己負担増を食いとめるために

福祉サービス利用料・医療費の府独自の減免制度を

 京都府は、国基準の負担額を半分にする独自の軽減措置を実施します。また福祉サービス、自立支援医療、補装具を重複して利用する場合、それぞれ別に上限額まで負担しなければなりませんが、利用したサービスの負担の合計に総合的な上限額を設定して負担軽減をおこなう措置も実施します。予算額は約3億5000万円です。大阪府でも京都府と同様の制度を創設することは、大阪府の財政規模をもってすれば十分可能です。

税制改悪の影響を最小限に 

 国の軽減措置の範囲が市町村民税非課税世帯に限られているため、収入が全く増えなくても、「非課税」世帯が「課税」世帯となり、「低所得者」の範囲から除かれます。こういう世帯も府独自の減免制度の範囲に入れて、救済すべきです。

 福祉サービス上限額を算定する際の「世帯」は、同居の実態ではなく、住民票で判断されるため、世帯分離が増えることが予想されます。こうしたことが円滑に混乱なく行われるために、窓口で税控除や社会保険の扶養関係にかかる影響などについて適切で親身な相談が行われることが大切です。また、施設やグループームに住民票を移す場合、家族が障害者向けの公営住宅に住めなくなり本人が帰省できなくなる事態を避けるための配慮が必要です。

 高額療養費の限度額をこえる分を、本人が窓口負担として、一度たてかえる必要をなくす措置(受領委任払い制度)が一部の自治体で実施されています。この制度を全自治体に広げることは、窓口負担が急増するいまこそ緊急の課題です。大阪府として、そのための指導・援助を強めるべきです。

2.実態にみあった障害認定と支給決定をすすめるために、府の積極的な援助を

 障害者自立支援法に基づく福祉サービスを利用するためには、「介護給付」の場合、障害程度区分認定を受けなければなりません。障害者の実態とニーズに即した判定を行うためには、一次判定の調査員ならびに二次判定を行う審査会に障害者の実情に詳しい人を配置することが不可欠です。大阪府は、市町村の要望に応じて、人材の派遣など親身な援助をおこなうべきです。

3.市町村の地域生活支援事業へ財政支援の強化を

 市町村は、ガイドヘルパー、手話通訳派遣事業、地域活動支援センターなど、「地域生活支援事業」を、地域の実態に合わせてとりくむことになっています。利用料も市町村が独自に条例等で定めることになっています。 しかし、問題は財源です。「地域生活支援事業」は自治体が予算不足の際に国の追加義務がなく、06年度予算案では、補助金はわずか200億円しかありません。大阪府として、国の予算を大幅にふやすよう求めるとともに、府独自でも市町村にたいして財政支援をおこない、市町村が、現行どおり、無料または「応能負担」による低廉な利用料で地域の実情にあったサービスが提供できるように援助すべきです。

 小規模作業所国庫補助金が、06年度予算案で廃止され「地域活動支援センター」に移行される見込みですが、国庫補助基準はきわめて低劣です。最低限、現行の補助水準を維持されるよう、大阪府として特別の手だてを講ずるべきです。

4.福祉サービスの質の後退を招かないように

 今年4月からの各種福祉サービスの単価が大きく減額され、あわせてこれまでの月当たりの報酬から日割りの報酬へと変更されます。また、新事業の職員配置基準や施設整備基準は現行のものから大きく後退したものとなる見込みで、これまでの質の担保が困難となります。こうした中、大阪府として、独自の事業助成制度を充実すべきです。とりわけグループホーム、ケアホームについては、国が居住費の基準額として一人2万2千円を想定していることから、それ以上の家賃水準のグループホーム等への家賃補助制度の創設は急務です。

5.基盤整備を緊急にすすめるために

 大阪でもグループホームなどの障害者の暮らしの基盤整備の遅れは深刻です。また、都道府県・市町村は、地域でのサービスの必要量を見込んだ「障害福祉計画」を06年度中に策定することが義務づけられています。大阪府は障害者計画後期計画の検討とあわせて障害福祉計画の作成準備を進めようとしていますが、これまでに府が示してきた「仮称なみはや市」の社会資源整備目標水準を下回らない計画とすることが重要です。

 大阪府は、府債残高は5兆円を超えるなど、財政危機は深刻です。それにも関わらず、関西空港二期事業や安威川ダム関連事業、「水と緑の健康都市」「国際文化公園都市」関連事業など大型公共事業は聖域にして推進し、府民犠牲の「行革」をいっそう進めようとしています。やっていることが全く逆さまです。財政が厳しいときこそ、自治体本来の仕事である、府民の暮らしと福祉をまもることに「選択・集中」すべきではありませんか。

 黒田革新府政の時代は、オイル・ショック、ドル・ショックで財政が厳しいなかでも老人医療無料制など府民のための施策を守り、障害児・者施策も、府下各地への養護学校の建設、共同作業所への補助金の大幅拡充、民間福祉施設職員への給与改善補助の実施、重度障害者医療費助成制度の創設など、大きく前進させました。

 大阪府が、このように自治体本来の立場に立ち返るなら、障害者の権利と暮らしを守るために、大阪府が積極的な役割を果たせることは確実です。そのことを、日本共産党は強く求めるものです。

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