政策・提言・声明

2016年02月20日

参院選での日本共産党勝利で安倍自公政権とともに、「おおさか維新」への新たな痛打を

参院選での日本共産党勝利で安倍自公政権とともに、「おおさか維新」への新たな痛打を

中村正男(日本共産党大阪府委員会政策委員会責任者)

 

 夏の参議院選挙は、日本共産党の躍進を切り開き、共同の力で安倍政権、自民党、公明党を少数に追い込み、「戦争法」廃止の「国民連合政府」樹立の展望をひらくかどうか。日本の進路が根本から問われるたたかいです。

 同時に、「安倍政権与党」と化す「おおさか維新の会」の国政進出を許さず、彼らを追いつめ、大阪における政治の流れを変える点でも重要な歴史的意義をもちます。

 

ダブル選後の「おおさか維新」

 「おおさか維新」は昨秋のダブル選挙直後に橋下氏と松井氏が安倍首相らと懇談。そこからいっそう安倍政権と呼吸をあわせての言動をくりひろげています。

橋下徹氏は、参院選で「憲法改正」が「争点」であり、「おおさか維新」として「改憲3分の2勢力入り」を公言。そのために大阪選挙区で複数擁立をうたい、「政界引退」後も、「おおさか維新」の「改憲案」づくりにのりだしています。

「おおさか維新」として初めて臨んだ今国会論戦では、甘利経産相問題を追及する野党の国会戦術を批判。代表質問でわが党の政治姿勢を歪めて攻撃し、予算委員会では学費問題の宣伝物に難クセをつけて安倍政権を助けるなど、これが「野党」かと疑わせる対応が目立っています。

 大阪府・市政においては、否決された「大阪都」構想について「3年後の住民投票」を叫びつつ、目先を変えた思いつきの「副首都構想」推進を看板に、府大・市大の「統合」、府立公衆衛生研究所と市立環境科学研究所の「統合」、地下鉄や水道の「民営化」などをごり押しする構えをみせています。

 これらに対する大阪の各政党の立ち位置が問われています。

 

安倍政権、「おおさか維新」の暴走に正面から対決する日本共産党

 日本共産党は安倍政権の「戦争法」強行、「立憲主義」破壊の暴走に対しても、「おおさか維新」による自治と民主主義、くらし破壊の暴走に対しても、正面から対決してきました。そして、「維新政治に反対する」という一致点があるすべての政党、団体、個人と誠実に共同をつらぬく努力をすすめてきました。

 この政治姿勢を、昨秋のダブル選挙でも終始貫きました。

「おおさか維新」のくらしと自治、民主主義破壊の暴走にたいして、日本共産党は「維新」以外のすべて、「オール大阪」で手をつなぎ、たたかうことをよびかけ、これを実現させるために、候補者擁立を含めさまざまな手をつくしました。大阪では自民党や従来の「オール与党」支持基盤にあった団体・個人のみなさんからも「維新政治」との大きな矛盾、怒りが噴出していました。それが一つになって堺市長選挙や大阪市の「住民投票」では勝利しました。このもとでダブル選挙を前に、自民党大阪府連も「維新政治を終わらせる」という目標を鮮明にかかげました。広範な市民団体から、「堺市長選挙や住民投票の時のようにたたかおう」と声があがりました。

 日本共産党と「明るい民主大阪府政をつくる会」「大阪市をよくする会」が府民の利益を守る立場から、いわゆる「独自候補」を擁立せず、「反維新」の共同候補を推してたたかうと決断したのは当然のことでした。この決断がダブル選挙の「維新vs反維新」の政治構図を鮮明にしました。各界から「日本共産党の懐深い対応に驚いた」「感謝する」などの反響が広がりました。

 ダブル選挙で敗北したとはいえ、ここできずかれた「反維新」の「共同」の絆は、ひきつづき維持され、深まりをみせています。今年の「明るい会・新春のつどい」に、平松邦夫第18代大阪市長や「民意の会」を主宰する浅野秀弥氏らが初めて参加され、そのスピーチで「何としてでも自民、おおさか維新にたいして大きな戦線を」「明るい会のみなさんや、もっと多くの人と力をあわせて」(平松氏)、「私はもともと自民党で保守ですが、維新のような政党はつぶさないとダメです」(浅野氏)と語っている姿にも、それは象徴されます。

「反維新」の共同がすすむなかで、これまで一線を画していた団体・個人のみなさんの日本共産党を見る目も変わり、お互いに胸襟を開いて率直に語り合える関係へとすすんでいます。

 ダブル選挙では、堺市長選挙や「住民投票」で発揮された、「1+1」が「3」にも「4」にもなるという「共同の力」を、府民的に映し出すことができず、残念で悔しい結果になりました。

さまざまな要因がありますが、「共同の力」の発揮を妨げたのは、「橋下・維新」が連日くりひろげたウソとペテンの「野合」攻撃、安倍政権・官邸による度しがたい圧力、そのなかで自民党府連が揺れ、「堺市長選挙のようにたたかう」から、「自民党だけでやりたい」に政治姿勢が変化したことなどが大きなものでしょう。そして、私たちの側には、これをのりこえて前へすすむだけの政治的・組織的力量が不足していました。

 ダブル選後も、自民党府連は熊取町長選にみられるように「自民党単独」路線を走っていますが、「維新」に敗北しています。

「反維新」を追求したそれぞれの団体・個人が、「共同の力」「論戦の力」「草の根の力」を発揮して勝利した堺市長選挙や「住民投票」での勝利、そしてダブル選挙の痛切な敗北から深く教訓をつかみとり、次の勝利へと向かうことが求められています。

 

日本共産党の比例代表での躍進、大阪選挙区・わたなべ結さんの勝利こそ

 「維新政治」を打ち破るうえで、1年半後に迫る2017年堺市長選挙、さらに2019年いっせい地方選挙とダブル選挙を視野に、その勝利に向かう努力をすぐに開始しなければなりません。

 同時に、そのためにも決定的転機をきりひらくたたかいが夏の参議院選挙であり、日本共産党の比例代表850万票と8議席以上、大阪選挙区・わたなべ結さんの勝利です。

 何よりも日本共産党の大阪での勝利は、安倍自公政権と「おおさか維新」による「改憲タッグ」を打ち砕き、「戦争法」廃止への大きな一歩です。

 安倍政権を退陣に追い込むことは、「おおさか維新」にとって最大の政治的後ろ盾を取り払うことを意味します。それは大阪の政治的力関係を激変させるでしょう。

 また日本共産党の大阪での勝利は、国民連合政府への共同、「反維新」の共同を大きく発展させる架け橋となります。「共同つぶし」の策謀を許さず、共同を成立させる道は、「2000万署名」など市民的な世論と運動の高まりとともに、政党間の力関係を変える日本共産党自身の躍進をかちとることにあります。そのことは3年前の参院選で、大阪において辰巳孝太郎参議院議員を生み出したことが、「反維新」の共同をきずき、前にすすめる大きな力になったことにも示されています。

 参院選では安倍政権、「おおさか維新」の暴走と正面対決するとともに、日本と大阪のゆきづまりを打開する民主的対案をかかげ奮闘することが強く求められます。

 ダブル選挙では、橋下氏や「おおさか維新」による「大阪都」構想をはじめ、「改革」幻想がなお広く残されていることが示されました。この「幻想」を生み出す土壌には、どこよりも深刻な大阪の政治・経済のゆきづまりがあり、彼らはウソとペテンを弄し、対立と分断を持ち込みながら、これにたいする「右からの改革」(より反動的な改革)をふりまき、「民意」をかすめとっています。

 この「幻想」を断ち切るためには、いまの大阪のゆきづまりを真に打開する道――民主的な改革案を大きく掲げ、府民のなかに広げることなしにはできません。

 この点では、「戦争か、平和か」の対決軸を鮮明に、「国民連合政府」をかかげたたたかいはもちろんです。同時に、「大阪の貧困」が激化するもとで、「おおさか維新」の「成長路線」には、これを解く最大のカナメ――庶民のふところをあたため、大阪での需要をつくりだすという視点も、具体的政策もありません。あるのは「カジノ」や「リニアの東京大阪同時開業」「国際戦略特区」頼み! 官民の賃下げ競争をあおり、社会保障切り捨てで家計負担を増すなど逆行はなはだしいものばかりです。

 私たちは「わたなべ結パンフ」などでもすでに提起していることですが、日本共産党がかかげる暮らし最優先で日本経済再生をはかる提案――①消費税の10%増税の中止②社会保障を削減から充実に転換する③人間らしく働ける雇用のルールをつくる④TPP交渉から撤退し、日本の経済主権を回復する⑤中小企業支援――を大きくかかげ、「大阪の貧困と格差」を打ち破り、商都大阪のくらしと景気を再生する道を示し、その実現に総力をあげます。

 

 参院選での比例代表8議席以上、わたなべ結さんの大阪選挙区勝利を何としてもかちとり、歴史的な「第3の躍進」をかちとるために総力をあげようではありませんか。

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