政策・提言・声明

2012年07月07日

職員の政治的行為の制限に関する条例案についての談話

共産党府委員長の談話

 大阪市の橋下徹市長は、6日開会された7月臨時市議会に「職員の政治的行為の制限に関する条例案」などを提出しました。わが党は、これを厳しく批判し、市議会内外での論戦とたたかいで断固葬り去る決意を表明するものです。

 この条例案は、一読して、憲法19条(思想良心の自由)、21条(集会・結社・表現の自由)を蹂躙(じゅうりん)することが明白です。

 条例案では、大阪市の職員が、勤務時間内外を問わず、集会でみずからの政治的主張をのべることや「政党機関紙の配布」から、「署名」や「ビラ配布」「演劇」「政治的アピールのためのバッヂの制作、配布」などに加わったり、援助することまで、すべて禁ずるとしています。しかも、条例案では、当局が「違反」と認めた場合、「免職の処分」を原則とすることがうたわれています。

 こんな条例がまかりとおるなら、市の職員が勤務時間外に、「原発ゼロ」や「消費税増税反対」を主張したり、こうした集会や演劇などに参加することがすべて監視の対象とされ、当局が「条例違反」とすると、すべて免職されるということになります。

 こんなことが日本国憲法のもとで到底許されるものではありません。

 橋下市長は、この条例案は大阪市において「公務員に求められる政治的中立性を揺るがす事象が生じている」ことを理由にあげています。しかし、あの「思想調査」をおこなった野村修也特別顧問(弁護士)による「調査チーム報告書」においても、「これまでの調査では地公法や公選法において規制される政治活動に明確に該当するような行為があったとは評価できない」とのべているのです。

 また橋下市長は、政治活動を理由に罰則を科すことは「地方公務員法違反」と断じた政府答弁書が、その理由として「地方公務員の地位から排除することで足る」と書いたことを逆手にとって、「だったらバンバン排除する」などと「原則免職」をあおります。しかし、これも地公法制定当時、国会答弁で「政治的行為の違反があった場合に、これを懲戒処分によって解職するというようなことは、毛頭規定しておりません」と明確にしているものです。こんなペテンが、通用するものではありません。

 そもそも公務員だからといって、勤務時間外の政治活動を制限したり、禁止すること自体、欧米ではありえません。

 わが党は、さきに「『市民のための仕事をすすめる』市役所へ――大阪市の『公務員改革』についての提言」を発表しました。橋下市長に対する抜本的対案となるこの「提言」を高く掲げ、心ある多くの市民、市職員と連帯して、「市職員・政治活動制限」条例案を打ち破るために力をつくします。

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