おおさかナウ

2019年03月31日

小西ただかず府知事候補と柳本あきら大阪市長候補の訴え(要旨)

 日本共産党も参加する「明るい民主大阪府政をつくる会」と「大阪市をよくする会」が自主的に支援している小西ただかず府知事候補と柳本あきら大阪市長候補の訴え(要旨)を紹介します。

「都」構想議論は終わりに
おごりたかぶった維新政治にノーを府知事選
小西ただかず候補の第一声(要旨)

小西ただかずminpou 思い通りにならないからと知事・市長という住民代表の役職を投げ出して、しかも立場を入れ替えて選挙を行うのは府民・市民を無視した暴挙と言わざるを得ません。

 おごりたかぶった維新政治にノーを突き付ける、府民からノーを突き付けるために私は立候補を決意しました。私の勝利こそが維新政治にノーを突き付けることになります。どうしても私を勝たせてください。

 「都」構想への再チャレンジの民意を問うと言いますが、「百害あって一利なし」であることは明らかで、「都」構想はすでに破綻しています。

 「都」構想の議論には4つのまやかしがあります。第1は「都」構想といっても大阪都にならず大阪府のままであることです。

 第2に、府市で意見が合わない「府市あわせ」で大阪が発展しないといいますが決してそんなことはありません。これまでも関西国際空港、地下鉄の延伸、阪神高速道路、中之島新線など府市が協力して幾多の事業を推進してきました。今、大阪市をなくすことは大阪全体にとっても大きなマイナスになります。

 第3は特別区になれば「ニア・イズ・ベター」で大阪市より身近に行政サービスを提供できると言いますが、財源の一部は大阪府の配分に頼らなければならず、十分な職員数の手当てができるかどうかも定かではありません。従来の行政サービスが維持できないとの声が公然と上がっているのです。

 第4のまやかしは行政の効率化が進むと言いますが、「都構想」を実現するには1500億円ものコストがかかります。

 大阪の景気が良くなったと言いますが大阪がすこし良くなってきたのは、景気回復と好調なインバウンドに支えられているからで、それは維新政治がつくりあげたものではありません。

 こんなまやかしの議論はもう終わりにしようじゃありませんか。大阪の経済の足元、中小企業、商店街はなおしんどい状況です。さらに大阪の経済の底上げをしっかりしていかなければなりません。すでに破綻した「都」構想の議論についやしている余裕などありません。

 子どもの虐待は極めて深刻で対応件数はワーストワン。この状態をなんとしても改善しなければなりません。子どもと女性が輝く大阪につくりかえるため、学校給食の無償化に取り組みたいと思います。大災害への備えを強化することも重要です。

 いま大阪には課題が山積しています。私は35年間、大阪府で仕事をしてまいりました。大阪のことを思う思いは誰にも負けません。これまでの公務員生活の誇りを懸けてこの選挙に臨んでいます。このチャンスを生かして大阪の再生を図ってまいりたいと思います。

大阪市廃止分割する東京の劣化制度
270万人市民と共に分かち合う市長に
大阪市長選 柳本あきら候補の第一声(要旨)

柳本minpou 「大阪都」構想は、「都」にもならない大阪市の廃止・分割です。東京のまねをするだけで、単なる東京都の劣化制度でしかなく、どんな効果があるのか具体的な数字は示されていません。

 まして大阪市を廃止して特別区に再編するには1500億円以上と言われる分割コストが必要です。こんなお金をかけるぐらいなら、もっと子どもや教育に知恵と予算を使うべきだ。これが柳本あきらと小西ただかず知事候補の考え方です。

 3年半前の市長選挙で敗れてからも、さまざまな現場で活動する方々と対話を重ね、やっぱり現場重視でなければ基礎自治体の行政はできないということを、あらためて痛感しました。

 子どもたちを取り巻く環境、教育現場は大変疲弊しています。いじめや虐待、不登校などの課題が周辺にあります。

 学校現場では講師不足という深刻な状況があります。私は諸悪の根源ともいえる校長公募制度を廃止し、大阪の子どもたちの笑顔をつくりたいという教育の質を高める取り組みを進めたいと考えています。

 子育て支援に関しては、父親だけでなく男性全員が子育てや教育に関与するような仕組みをつくりたいと思います。そのことによって、女性が活躍できる状況をつくりだすことができると思います。

 子どもの瞳が輝くということは、男性も年配の方々も障害者の方々もみんな幸せになることができるし、心が豊かになるんです。そういった大阪をつくっていきたい。

 もう1つは経済。大阪における中小企業の発信を、ものづくりの発信をしていくことが、大阪に、そして関西に求められることなんです。大阪市の廃止・分割に対する対案は、大阪市の存続ですが、それは大阪市を存続させた上で、世界とつながる経済新首都をここ大阪に実現することです。

 大阪のプライドを懸けて、何がなんでも勝ち抜かなければなりません。しかしながら、私は維新の会を応援する方々の意見もしっかりと聞き、いい所はいい所だと受け止めていきます。

 なぜならば、それが270万人口を抱える市長の役割だからです。権力者という考えで、上から目線で行政を行うのではなく、270万人の代表として大阪に集まる人々と企業、団体の方々と一緒になって、苦しいことも悲しいこともうれしいことも共に分かち合えるような、そんな大阪市長を私は目指していきます。皆さん、柳本あきらを日本一忙しい市長にしてください。

 今回のたたかいは退路を断ってのたたかいです。あらためて今回のたたかいの意義を確認したい。柳本あきらにとって、そして大阪にとって本当のラストチャンスとして、決死の覚悟でたたかい抜きます。

「大阪市はなくならない」
ごまかし繰り返す維新候補

 大阪市を廃止・分割する「大阪都」構想で行き詰まった揚げ句、大阪維新の会が「もう一度民意を問う」として仕掛けた「入れ替えダブル選」で、大阪市長選に立候補した前知事の松井一郎候補(大阪維新の会代表)は街頭演説などで、最大争点とする「都」構想そのものについて、ごまかしの説明を繰り返しています。

 知事選に立候補した前大阪市長の吉村洋文候補は、大阪市中央区・難波の髙島屋前での第一声(21日)で、「都」構想実現は「絶対に諦めない」と強調。松井氏は、「相手陣営は『大阪市がなくなる』としか言わないが、この難波髙島屋がなくなるんですか」などと言い放ちました。

 松井氏は「『都』構想は大阪市役所の仕事を、大阪府と特別区に再編する」と、まるで大阪市が残るかのように演説しました。しかし、「都」構想の根拠法である、大都市地域における特別区の設置に関する法律(大都市法)は、その第1条で「関係市町村を廃止し、特別区を設ける」と明確に規定。「特別区」を設置すれば大阪市はなくなります。

 維新は2011年のダブル選でも、「だまされないで下さい、大阪市をバラバラにはしません」と公約しながら、2015年に「都」構想の住民投票を強行。「二度目の住民投票の予定はありません」と言いながら、「再挑戦」へ暴走してきましたが、法定協議会では維新以外の全会派から異論・批判が噴出して、「都」構想の設計図はボロボロになっています。

 住民投票実施をめぐる公明党の「密約」が破綻して持ち込んだのが、今回のダブル選。元副知事の小西禎一知事候補や、元市議の柳本あきら大阪市長候補は、「都構想に終止符を」ときっぱり主張しています。

 

(大阪民主新報、2019年3月31日号より)