「赤旗」と人形劇なしに生まれなかった
両親は20代の独身の時から党員で、青年の人形劇サークル活動で出会ったそうです。初めは同志と知らず、話の流れで「実は僕、赤旗配ってんねん」「私も赤旗配ってるんよ」と意気投合、「おじいちゃんおばあちゃんになるまで一緒に人形劇やろう」というプロポーズで結婚したそうで、「しんぶん赤旗」と人形劇なしに私は生まれていないのでした。
のちに私と弟二人を含め、家族5人でアマチュア人形劇団の活動を続けてきました。振り返れば両親は私たち子どもに対して、上下関係の親子ではなく「活動する仲間」として接してくれていたように思います。
自分の意志で「憲法9条は変えたらあかん」という思いで入党し、10年になりました。綱領や党史を学ぶと、両親はバリバリの活動家ではないが、生き方に党の理念が貫かれていたのだと実感しています。3人のわが子も民青同盟員や党員として、それぞれの思いで未来社会を目指し頑張っています。(兵庫8区重複)(大阪民主新報、2023年12月31日・2024年1月7日合併号より)
「ジェンダーの壁」打破へ
日本共産党の、こむら潤・兵庫県国政委員長は、次の総選挙に近畿比例候補(兵庫8区重複)として立候補します。高校の美術の非常勤講師やバリ舞踊のインストラクター、党尼崎市議と多彩な経歴を持つこむらさんの歩みは―。
絵本作家志す
尼崎生まれの尼崎育ち。幼いころから絵を描くのが好きで、県立明石高校美術科に進学。絵本作家を志し京都市立芸術大学に進学し、美術学部デザイン科でビジュアル・デザインを専攻しました。
入学した90年代はバリ島ブームの時代。京都市内でインドネシアから来日したケチャダンスの公演を鑑賞し、インドネシア文化のとりこになりました。
その後、インドネシアに複数回渡り、バリ舞踊を学ぶとともに、現地の人とインドネシア語で文通もしました。バリ舞踊は大学卒業後も続け、市議時代までインストラクターを務めるほどでした。
インドネシア文化を共に愛好する聴覚障害の友人との出会いが一つの転機となりました。
大学入学時に「声が聞こえないので筆談で」と自己紹介した友人。学友や教職員に手話の一種であるキュード話法の表を配り、交流していました。授業を受けるときは、友人に先生が口頭で話すことを筆記してもらっていました。しかし、その友人はそうしたやり方に限界を感じており、学生自治会会長だったこむらさんは、自治会内で有償ボランティアによる「ノートテイカー制度」導入を学生要求として取り上げ実現しました。
生徒会に所属
中学高校も生徒会に所属し、中学3年生のときにはベルマーク運動などに取り組みたいと生徒会長に立候補。しかし同じ学年の男子生徒が、「歴代の会長が男だから」という理由で会長に立候補し、こむらさんは落選。「そこがジェンダーの壁を初めて感じた時だった」と振り返ります。
当時はジェンダーという言葉を知らなかったものの、ジェンダー平等への意識はその後、尼崎市議としてのLGBTへの理解推進を求める初質問に生かされ、市の性的マイノリティーのための「尼崎市パートナーシップ宣誓制度」創設を後押ししました。
両親が若いころからの日本共産党員で、自身も「少年少女新聞」を愛読し、『グラフこんにちは日本共産党です』にイラスト作品が掲載されたこともありますが、入党は38歳のときでした。「自分の中で大きな壁があった」と話すこむらさん。80年代からのオール与党体制下、「日本共産党を除く」という時代を党に近いところでずっと見てきたことが理由でした。
切実な市民の声、政策に
こむらさんは両親が党員で、幼いころからビラ配りを手伝ったり、選挙の出発式で和太鼓を披露したりと日本共産党に近い距離で生活していました。しかし、オール与党体制下の「日本共産党を除く」雰囲気に敏感に反応し、共産党から距離を置いて応援していました。
入党も地元の党員から何度も誘われていましたが、「PTA会長をやっているので政党にかかわりにくい」とずっと断ってきました。
憲法変えるな
転機になったのは、安倍晋三元首相が集団的自衛権行使容認を閣議決定したことです。「自由と民主主義のための学生緊急行動」(SEALDs)や全国ママの会などが反対し、全国的な運動に発展したものの強行され、「憲法を変えさせないためには、私もさらに一歩踏み込まないと」と決意。尼崎市選出の庄本悦子県議から「入党は自分の生き方を決めること」という一言にも後押しされ、入党しました。
17年に尼崎市議選に初当選。子育て中の母親で現役PTA会員として当事者の声をリアルに伝えることを意識し、議員活動にまい進しました。21年総選挙には近畿比例候補(兵庫8区重複)として、22年の参院選は兵庫選挙区候補として、それぞれ立候補しました。
元高校の非常勤講師であり、現在も高校生の子どもの親として、教育政策を実現させたいと話します。
「教室のエアコン設置はもっと国が進めるべきです。小中学校の普通教室はつきましたが特別教室はついていないところもあります。県立高校は交付税措置がなく県予算で設置するのでなかなか進みません」と話します。
教育を無償に
熱中症で搬送される児童・生徒が連日出る今日、エアコン本体だけでなく授業や部活動の時間を含めた電気代を含め、教育予算拡充が必要だと話します。子どもたちが家庭の経済的な問題で進路の幅を狭めるのではなく、学びたいことを学ぶために大学や専門学校など高等教育の無償化が必要だと訴えます。
今年9月には、日本民主青年同盟兵庫県委員会や党兵庫県議団とともに、学費無償化やエアコン設置の推進などを求め、文部科学省に要請しました。
共産党の候補者はみんなの思いを受け止める候補者だと確信するという、こむらさん。「日本共産党が掲げる給食費や子ども医療費無償化といった市民の声を反映させた政策は他党の候補者も無視できません。共産党候補がいると他党の候補者も意識し、公約に反映されます。アメリカ言いなり、大企業優先の政治のゆがみをぶれずに追及し、切実な市民の声を政策に反映させる日本共産党の躍進が必要です」と話します。(西森知弘 2023年09月27日・29日 しんぶん赤旗近畿版掲載)