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淀川左岸線に脱硝装置 此花・トンネル区間(正蓮寺川)に25年来の住民運動実る 公害対策繰り返し要求 日本共産党

2011年03月12日

次は桜千本並木の正蓮寺川公園に

 阪神高速が2013年春の開通を目指し建設中の淀川左岸線第1期事業(5・7`)をめぐり、大阪市此花区の地下トンネル区間(3・3`)に設ける換気施設に、大気汚染の主な原因の一つである二酸化窒素(NO2)を除去する「脱硝装置」が設置されることになりました。住民らが長年要望してきたもので、日本共産党が大阪市議会などで繰り返し実現を求めていました。

掘割構造計画に住民が運動

 淀川左岸線事業は1985年に計画発表。此花区を流れる正蓮寺川を埋め立てて道路上部が開いた「掘割構造」の高速道路を通すなどというもので、86年には自社公民各党の賛成で、都市計画決定されていました。
 しかし周辺住民らは決してあきらめず、「自動車排ガスの窒素酸化物が滞留し、環境悪化を招く」と粘り強く改善を要求。日本共産党も「公害持ち込みを許さない」「環境優先の街づくりを」と、住民運動と連携し行政への働き掛けを続けてきました。
 日本共産党のせと一正大阪市議(此花区選出)は、91年の初当選直後の議会から4年間でこの問題を17回も取り上げ、正蓮寺川埋め立て部分を「掘割構造」から「全面ふた掛け地下構造」にすべきだと主張。「ふた掛け議員」の愛称で親しまれるように。さらに日本共産党は、ふた掛け部分約19fを緑地空間として再生する政策提言「花と緑と水の公園」を発表。せと議員は市議会本会議で、「桜千本並木のある正蓮寺川公園にすべきだ」と訴えてきました。

全面ふた掛けが党派超えて

 一方で、全面ふた掛けは「技術的に困難」などとする事業者らの主張に対し、国会や環境庁(当時)、開発企業などへの調査に基づき、環境問題での論戦をリード。排ガス浄化装置の実験研究の見通しを示し、徹底した公害対策の実現を求めてきました。
 「ふた掛け」実現の声は党派を超えた運動に発展し、2002年に「トンネル構造」へと都市計画変更が実現。日本共産党は全面ふた掛けに伴って建設される2カ所の換気施設について、二酸化窒素(NO2)を除去する「脱硝装置」の設置を要求。党国会議員団による国会質問や省庁交渉も重ねてきました。
 2006年にはせと議員、たつみコータロー府政対策委員長(府議候補)らが首都高速道路の環境対策を調査し、阪神高速に対して脱硝装置を採用するよう提案。日本共産党も参加する住民団体「正蓮寺川区民の会」は、脱硝装置設置を求める署名運動を展開し、昨年10月に8622人分の署名を阪神高速に届けました。

区民の意見反映した公園に

 先月11日、平松邦夫市長を迎えて開かれたタウンミーティングで、脱硝装置実現の見通しを聞いた住民の質問に対し、平松市長は「地元の皆さんにニュースがあります。阪神高速から脱硝装置を設置すると回答があった」と表明。さらに道路地上部分の公園計画について、「正蓮寺川を見たが、長さも2〜3`あり幅もかなりある。夢のあるものにしていきたい」と述べました。
 区内酉島地区などで長く自治会役員を務めた郷土史家の越智雅典さん(82)は、「脱硝装置が実現するのは、環境問題の面からも区民にとってとてもいいことです。都心の高速道路計画で3・3`もの長い区間を環境優先のふた掛け構造に転換できたのは、全国にも誇れる取り組みだったと思います。正蓮寺川公園については、多くの区民の意見を反映した素晴らしいものにしてほしいですね」と話しています。
 これを受けて22日に市議会で代表質問に立ったせと議員は、中之島公園の倍、天王寺公園よりも広い面積があり、大阪市としての位置づけが必要ではないか」と質問。平松市長は「地域はもとより広域的なリクリエーション空間となるばかりでなく、防災上の向上や環境改善にも資する公園となるものと考える」と答弁しました。

未来に誇る結果勝ち取る

 せと議員が語ります。「当初計画の掘割構造では、重大な環境被害を広げる危険がありました。全面ふた掛けと脱硝装置設置は、区民の切実な願いに基づくもので本当にうれしい限りです。環境と街づくりの観点で、区民の願いと運動が行政を大きく動かした点で、未来に誇れる結果を勝ち取ったと言えます。今後も正蓮寺公園が立派な公園として実現するよう奮闘していきたいですね」

投稿者 jcposaka : 2011年03月12日

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