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命奪う政治ストップ!社会保障の充実図れ 総決起集会に関西から1150人

2014年02月23日

 社会保障大改悪を狙う安倍暴走政治をストップさせようと、15日、大阪市中央区の御堂会館で近畿総決起集会(同実行委員会主催)が開かれ、関西一円から1150人が参加しました。参加者は、安倍政権が狙う社会保障改悪や消費税増税、大企業優遇税制、原発再稼働・輸出などの内容を学ぶとともに、各分野から改悪の実態告発と決意のリレートーク(別項)に共感。憲法25条に基づいた生存権の保障を求める集会アピールを採択しました。集会後、小雨の降る御堂筋をデモ行進し、市民にアピールしました。

石川康宏教授によるゼミ

 集会では、神戸女学院大学の石川康宏教授が、「御堂筋分校ゼミナール」と銘打って、「学生」たちにゼミの「講義」を行いました。
 石川氏は賃金が減っている中で、政府は医療・介護の負担増、年金・生活保護の切り下げ、保育の民営化などを狙っており、すでに改悪が実施されていることを紹介しました。
 「財政赤字のため仕方ないのでは」という意見に石川氏は、政府資料などを使い、「国の赤字は税収減が大きな原因。25年前と比べ所得税・法人税の税収は半分以下になっている」と指摘。法人税減税と株取引に関わる税率の低さで、大企業と大株主が大きく減税になっていると解説しました。

税金は取るべきところから

 もうかり続けている大企業は内部留保が増大。この30年余りで9倍にも膨れ上がり、2012年度に272兆円(資本金10億円以上の金融保険除く全企業)にもなっている点も指摘した上で、「国は金がないのではなく、税金を取るべきところから取っていないからだ。汗水をたらして働く人から税金を取って、株取引というばくちからは税を取らない」と厳しく批判しました。
 石川氏は、アベノミクスは特に新しい経済政策でも何でもなく、大企業がもうかればそのおこぼれが国民に回るというトリクルダウンそのもので、そのブレーンは財界人だと紹介。「国民負担を増やすだけ。幻想を抱いている人も多いが、それは消費税増税で必ず壊される」と話しました。

豊富にある自然エネ潜在量

 TPP(環太平洋連携協定)については、「バスに乗り遅れるな」と言われるが、現在4カ国で、交渉参加国もわずかであることを紹介。オバマ政権が農産物を日本に買わせるための手段として使っていると指摘。混合医療導入など、国民の暮らしに直結する制度を、大企業の利益のために変えるものだと述べました。
 昨年、東日本大震災の被災地・浪江町を視察した石川氏は、原発事故のために同町が震災当時のままの姿であることを強調。現在、原発ゼロでも電力は足りているが、温暖ガス排出や貿易赤字拡大が進むため、どうすればよいかと提起しました。「安倍政権は、被災地の実態を隠し、原発再稼働しようとしているが、これは人でなしの政治」と糾弾し、自然エネルギーの促進を訴え。日本には太陽光発電や風力発電など、自然エネルギーの潜在量は、日本全体の電力供給能力の約9倍に当たる20億`hを超えているという環境省の資料を示しました。

冷たい政治に力を合わせて

 こうした講義に、「先生、TPPとか原発の問題、えらい詳しいなあ。署まで来てもらおうか」と秘密保護法に基づく「秘密警察」が登場。参加者の「帰れコール」の前に退散しましたが、石川氏は「こんなことにならないように秘密保護法も絶対撤廃させないといけない。いまの政治は人間に冷たすぎる。大企業の金もうけにしか愛情を注がない。みんなで力合わせて変えていこう」と呼び掛けました。
 集会では、井上賢二実行委員長が「戦争になれば命は守れない。命を守るために安倍暴走を止めよう」と開会あいさつ。安田雅章事務局長が基調報告を行いました。


リレートークから

消費税の増税許せない
全大阪消費者団体連絡会事務局長 飯田秀男さん

 安倍内閣は消費税増税を強行しようとしているが、国民生活を窮地に追いやる増税を許すわけにはいかない。
 消費税の3%税率アップで、輸出還付金を差し引くと、国民には約10兆円の負担増。消費税が10%になれば、国民負担は33兆2千億円にもなるが、大企業には輸出還付金で6兆5千億円もの金額が戻される。トヨタが過去最高の純利益を上げているのに、政府は法人税を減税しても、負担を求めない。こんな不公平、不公正な税制を認めるわけにはいかない。

お金の心配なく医療に
大阪難病連理事長 高橋喜義さん

 原因不明で治療法が未確立、生涯治療しなければならないのが難病。しかし福祉施策は不十分で制度の谷間にある。
 難病対策の法制化で多くの問題点がある。対象が重い人だけになったり、大幅な患者の自己負担増がある。生命維持装置を付けている重症患者にも負担が導入される。入院の食事負担も有料化だ。難病患者は通院も専門病院に行く必要があり、交通費もかかる。
 誰でもいつでもお金の心配なく、医療にかかれる制度を目指して頑張りたい。


1割も切り下げる暴挙
兵庫県生活と健康を守る会連合会事務局長 夜久明さん

 安倍内閣は戦争する国にまっしぐらだが、社会保障についても憲法25条の原則を実質的に改憲し、自助・共助を国民に強制し、すべての社会保障制度の改悪を法律で定めるプランまで決めた。その最初が生活保護。3年間で1割切り下げる暴挙を行い、生活保護法も改悪した。
 「もう我慢できない」と、生活保護切り下げに対する不服審査請求が全国で1万件を超え、兵庫では280件が提出された。憲法25条を暮らしに生かし、社会保障を守ろう。生活保護を守ろう。

TPP反対の一点共闘
京都府保険医協会副理事長 渡邊賢治さん

 TPPで医療がどうなるかは、これまでの米国の対日要求を見れば明らかだ。高薬価の維持で、患者負担が高くなる。知的財産の保護許可で、ジェネリック製品が製造できなくなり、国境なき医師団は「貧困層に必要な薬が存在しなくなる」と危惧している。混合診療の解禁や営利病院参入も狙われている。
 京都ではTPP参加反対の一点でネットワークが結成され、一昨年、昨年に700人規模集会を開いた。3首長の賛同もあり、府と16市町村議会で意見書可決している。

怒りの広がりを感じた
全日本年金者組合和歌山県本部 深谷登さん

 年金2・5%引き下げに反対する不服審査請求で、組合員数・目標を上回る2500人以上が請求した。
 「やっても仕方ない」という声も少なくない中で、学習し対話した結果、組合員数の倍の請求が集まる地域もあり、高齢者の願いが無慈悲に否定されていることへの怒りが大きく広がっていることが分かった。取り組んで良かった。
 しかし政府は、この審査請求をした日に、政府は4月から0・7%の削減を決めた。これに腹が立たないことはない。(2014年2月23日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2014年02月23日

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