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反転攻勢は大阪から躍進の流れをさらに 日本共産党.山口勝利府委員長に聞く

2013年12月28日

 夏の参院選で躍進し、さらなる躍進を目指している日本共産党。山口勝利党府委員長に、参院選結果をはじめ、この間の情勢をどう見るか、党が果たしてきた役割、今後の展望などを聞きました。(聞き手は編集部)

 ――新年おめでとうございます。  おめでとうございます。昨年は参議院選挙をはじめ、大きなご支援をいただきありがとうございました。いよいよ「自共対決」時代の本格的な始まりです。本年もどうぞよろしくお願いします。

15年ぶりの躍進となった参院選

 ――昨年は参院選で15年ぶりの躍進となりましたね。
 7月の参議院選挙で、日本共産党は、改選前の3議席から8議席へと躍進し、非改選とあわせて参議院で11議席となり、議案提案権を獲得することができました。
 比例代表選挙で「5議席絶対確保」の目標を実現、山下芳生さんの議席を確保できました。全国で515万(9・7%)、大阪で43万6千(11・9%)の得票を獲得しました。
 大阪選挙区で辰巳孝太郎さんが当選、東京、京都とともに、大激戦を制して悲願の選挙区議席を奪還しました。比例代表選挙躍進の波と候補者の魅力が相乗したものです。
 私たちのたたかいは「選挙戦では『自民と対決、維新に痛打』をスローガンに、自民や維新との対決姿勢を強調。両党への批判の受け皿としての存在をアピールしてきた」(産経)と紹介されました。
 「反転攻勢は大阪から」の構えで臨みましたが、総選挙比でみると、維新の会が72%に、民主党も72%に後退、日本共産党が一番増やして139%となりました。

自民党政治の補完ぶりが露わに

 維新の会は、結党大会で自民党政治の補完勢力・突撃部隊という姿を示し、日本軍「慰安婦」問題での暴言で、未曾有の規模で批判が巻き起こり、窮地に追い込まれました。
 「思想調査」問題での断罪、「地下鉄・市バス民営化」の再継続審議など、市民のたたかいに追い詰められ、オスプレイ配備発言へのたたいが広がりました。
 維新の会との対決は、東京都議選に影響を与え、大阪では「共産揚々他党は恐々・都議選躍進『自共対決』だ」(朝日)と大々的に報じられ、参院選の構えにつながりました。
 ――堺・岸和田市長選で維新を打ち破りましたが。 

市民の共同が広がった堺市長選

 9月の堺市長選挙は、8時3秒に「堺市長選 大阪都構想に反対する現職の竹山修身氏 当選確実」のテロップが流れ、約6万票差の圧勝となりました。
 日本共産党は、竹山市長を自主的に支持する態度を表明し、堺市の「つくる会」、大阪府の「明るい会」に参加する諸団体とともに、その勝利のために全力を尽くしました。
 堺市では「堺は一つ。堺をなくすな!」を合い言葉に、市民の共同が大きく広がっており、選挙母体の「市民連合」と「つくる会」の連帯が一気に広がりました。
 維新は、大阪都実現への一大決戦と位置付け、全国総動員で市民に襲いかかりましたが、「『原点』都構想にノー 大阪府・市再編にも影」(毎日)という結果となりました。
 11月の岸和田市長選挙は、わが党と「民主市政の会」が自主的に支援した信貴芳則氏が得票率59・8%を獲得、維新系候補に大差で勝利し、ここでも「維新政治の持ち込み」が拒否されました。
 維新の府議、衆議院議員の秘書を10年来続けてきた人物を無所属で擁立、「維新隠し」を図りましたが、「『隠れ維新』苦杯、終始守勢に」(産経)という結果となりました。
 橋下・維新の支持率低下の下、市民の評価が「権力への挑戦者(大阪人好み)」から、「権力者(大阪人嫌い)に変わった」と分析、府民の批判に追われて「維新色を排除」するという戦術転換≠図っています。
 大阪府議会では、泉北高速鉄道株式を、米投資会社に売却する議案が否決され、維新は単独過半数を割り込みました。大阪市議会でも橋下市長肝煎り議案の否決が続きます。「大阪都ストップ・維新政治打破」の共同を広げていきます。
 ――「自共対決」の下、日本共産党の役割が際だっていますが。

自民政治批判を託せる唯一の党

 「二大政党づくり」の動きが破綻し、「第三極」の動きがすたれつつある下で、日本共産党は自民党への批判を託せる唯一の党であることが、この大阪で一段と鮮明になっています。
 大阪では60年代後半から「自共対決」に突入してきましたが、反共政党が自民党批判の「受け皿政党」として存在し、繰り返し日本共産党の抑え込みに使われてきました。
 「大阪が変われば日本が変わる」は、自民党批判の「受け皿政党」を乗り越える合い言葉として出発し、70年代、90年代の躍進の時期を切り開いてきました。
 この10年間、「自民か、民主か」の反共作戦で、後退・停滞を強いられてきましたが、冷静に教訓を引き出し、不屈のたたかいを積み重ね、その不屈の奮闘で第3の躍進≠フ始まりを切り開きました。

自共対決時代の本格的な始まり

 ――新年を迎えましたが、情勢の特徴はどこにあるのでしょうか。
 私たちは「日本の情勢は、『自共対決』時代の本格的始まりというべき新たな時期を迎えている」ととらえています。1月15日から開催する第26回党大会で、たたかいの方向を太く打ち出していきます。
 日本共産党は、自民党政権と正面から対決し、どんな問題でも対案を示し、国民との共同を広げる――「対決」「対案」「共同」の政治姿勢を堅持して奮闘していきます。
 「秘密保護法案」を自民・公明が強行採決しました。しかし、全国でも大阪でも、憲法違反の「秘密保護法」の撤廃を求めるたたかいが、さらに大きく広がっています。
 今回の暴挙は、安倍政権の終わりの始まり≠ナす。沖縄の基地問題、TPP(環太平洋連携協定)問題、消費税増税問題、あらゆる分野で、安倍政権が国民多数の声とぶつかることは必至です。その最初の一歩と捉えています。
 今度のたたかいを通じて、平和と民主主義を守る力の大きさを実感しています。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という憲法の基本理念を根底から覆す、危険な違憲性が見えているからです。

「自共対決国会」を象徴した論戦

 臨時国会最後の参院本会議で、「秘密保護法案」反対討論に立ったのは日本共産党の仁比聡平議員ただ1人。賛成は自民党議員で、まさに「自共対決国会」を象徴する場面となりました。
 安倍内閣の基盤は極めてもろく、深刻な矛盾をはらんでいます。安倍内閣、維新政治の暴走は、危険極まりないものですが、恐れる必要はありません。自民にも、維新にも正面から対決し追い詰めていきます。
 ――次の国政選挙での躍進、その前にいっせい地方選挙があります。

党躍進の流れを切り開くために

 衆議院選挙でも参議院選挙でも、「比例を軸に」を貫き、「650万・10%以上」の全国目標の達成・突破に向け、大阪では「80万・17%以上」に挑みます。衆院近畿ブロック議席増・小選挙区議席獲得、参院比例議席増・選挙区議席獲得へ奮闘していきます。
 いっせい地方選挙では、大阪府議会、大阪市議会で、現有議席を絶対確保し、失地回復と前進をはかり、堺市議会の議席増、一般市・町議会で議席増・議席占有率前進を目指します。中間選挙の一つ一つを重視し、躍進の流れを切り開きます。
 来年にかけ、大阪府知事、大阪市長選挙をはじめ、重要な首長選挙がたたかわれます。この間の経験と教訓を生かし、保守・無党派の人々との共同を強め、維新などの反動的逆流を阻止し、革新・民主の自治体の流れを発展させていきます。

党勢拡大大運動に全力を挙げる

 躍進を支えるためには、強大な党建設が決定的です。第26回党大会には、2010年代に党勢の倍加、世代継承に全党挙げて取り組むという、2つの目標が提案されています。その道を確実に開くために、いま「党勢拡大大運動」に全力を挙げているところです。
 「大阪民主新報」は私自身、愛読して51年目を迎えました。どの時期にも、大阪の社会と政治の動きに的を当て、世論と運動を広げてきました。大阪にとって、今が一番大事なときです。
 紙面も美しく見やすくなり、楽しい記事も増えています。1人でも多くの読者を広げていきたいものです。(2013年12月29日・2014年1月5日合併号「大阪民主新報」より)


投稿者 jcposaka : 2013年12月28日

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